スポーツのあなぐら

主に野球のデータ、ドラフトについて書いていくブログ。更新頻度は気まぐれ

2023年プロ野球ドラフト会議 各チーム寸評

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1位入札

1位入札・抽選

1位入札競合数の最高は度会と武内の3球団。
ベイスターズとライオンズが
交渉権を獲得した。
外れ1位では
前田にパリーグ3球団が競合している。
今回の抽選結果で異変が起こったのは
セリーグ1球団とパリーグ1球団の競合。
3回の抽選を
全てセリーグが制したのだ。
セパ1チームずつの対決では
2011年から13年にかけて
パリーグが4連勝したことがあったが、
ちょうどこのうちの2回が
ファイターズ―ジャイアンツ(菅野智之)と
イーグルスカープ森雄大)の対決。
セリーグの両チームがリベンジを果たした形になった。

 

各チーム寸評

中日ドラゴンズ

主なポイント
①貧打の裏で表面化してきたもう一つの危機
②暗黒期初期とその後の「貧打」の違い

D指名

DF年代表

DP年代表

1位入札の度会は抽選を外したが
外れ1位で草加のくじを引き当てたドラゴンズ。
度会を入札したにもかかわらず
支配下の野手はショート2人となったが、
若手外野手の数自体は揃っているので
度会じゃなければ無理に獲る必要はない
ということか。
そのショートは若さと守備力に重きが置かれている。
草加以外の投手は
高校生、四球の多い先発にリリーフと
素材重視の指名と言える。

 

北海道日本ハムファイターズ

主なポイント
①目の前の補強ポイントよりもドラフト戦略を左右する要素
②即戦力投手が重要なのは大社より高校生

F指名

FF年代表

FP年代表

1位は3連続で投手に入札したが、
2位以降は徹底的に野手、
特にセンターは3人も指名してきた。
古川と同じ大学出身で3学年しか離れていない進藤を
同じキャッチャーで競争させようというのも
これまでの球界ではあまり見なかった戦略である。
投手はかなりの素材偏重なので、
上沢の穴は
現在の戦力で何とかするしかない。

 

東京ヤクルトスワローズ

主なポイント
①二軍で育成するセンターラインの入れ替え
②先発が「育たない」なら「即戦力」を

S指名

SF年代表

SP年代表

武内の抽選は外したが
西舘、松本と評価の高い投手を上位でそろえた。
抽選で逃した左投手は石原で補ったものの
こちらは短いイニングを投げてきた選手。
即戦力のリリーフを見込んでいるのか、
先発で育成するつもりなのか。
支配下の野手は
若い内山と古賀が一軍にいるキャッチャーと
来年二軍の20代前半が
小森1人になるショートを指名。
北村、西村のコンバート組が入っていたサードには
育成枠でもともとサードの選手を獲ってきた。

 

埼玉西武ライオンズ

主なポイント
①なかなか育たなくなった「上位指名」の野手
②若手が伸びてこない先発をどの順位で指名するか

L指名

LF年代表

LP年代表

チームの失点は少なかったが
投手の成績はかなり良くないライオンズ。
高橋にいつアメリカ行きの許可を出すかという
状態にもなっているためか、
今年は支配下で投手を集めた。
上位の2人は即戦力の先発候補、
ENEOSでは先発も多い糸川は
徳島でリリーフの宮澤とともに
リリーフ候補のようだ。
支配下で唯一の野手はファーストの村田。
渡部がほぼ一軍要員になっているので
二軍のファーストは空いているが、
将来2人を同時に使うことを想定して
サードでの育成も考えられる。
育成の谷口は投手だが
野手を期待しての指名とのこと。

 

読売ジャイアンツ

主なポイント
①即二軍に入れる二遊間
ジャイアンツの若手投手と「高卒」

G指名

GF年代表

GP年代表

1位で西舘の抽選を当てた後の
支配下では全て社会人を指名。
これに近い指名は2017年にも行っているが、
今年は2位で
昨年の船迫で解禁された26歳の森田を獲得し、
さらに何人か有望な若手がいるセンター候補と
若い門脇がスタメン候補筆頭のショートを指名してきた。
佐々木と泉口どちらも今年の打撃成績は悪くない。
育成枠は
ジャイアンツ恒例の高校生投手重視。
ここ4年間の高卒投手の育成指名は
育成投手21人中13人にのぼる。

 

東北楽天ゴールデンイーグルス

主なポイント
①前例と教訓を踏まえた「スラッガー候補」
②獲得方法が限定される先発と2年目以降続かない即戦力リリーフ

E指名

EF年代表

EP年代表

1位入札が常廣、
最終的な1位獲得が古謝なので
一見すると即戦力投手重視に思えるかもしれないが、
実際は高校生が半数以上を占めるドラフトだった。
1位入札以外の先発がなかなか育たず
リリーフも毎年1年目の比重が高くなっているものの、
チームは
今年の一軍新戦力たちの来期以降の活躍に
かなり自信があるらしい。
野手のほうは
やはり20代前半の外野に不安があったのか
大学生の中島を獲得。
青野は現状一塁手だが
投手兼任でもあったので
二遊間かサードでの育成もあり得るか。

 

横浜DeNAベイスターズ

主なポイント
①主力打者の後継候補を育てるタイムリミット
②今求められる即戦力投手を獲る順位

By指名

ByF年代表

ByP年代表

1位入札では
3球団競合の度会の獲得に成功した。
実のところ今年は調子がいまいちなのか
長打と四球が激減しているのだが、
1年目から大活躍しないと苦しいという
チーム状況でもないので
焦らずプロの世界に慣れてほしいところだ。
もう一人の外野手指名である井上は
基本的にはレフトだがサード経験もあるため、
宮崎の後継候補としても
多少期待されているかもしれない。
武田も左投なので野手として入るのはおそらく外野になる。
大学生投手の2人は
どちらも今年秋の奪三振率が低く、
特に松本は2年連続。
年間を通した安定感とスタミナが課題か。

 

福岡ソフトバンクホークス

主なポイント
①三軍の「育成」から一軍へ到達する条件とは
②チームにとっての即戦力を見極められているのか

H指名

HF年代表

HP年代表

今年は前田の抽選を当てたため
1位は4年連続で高校生になったが、
全体では大学生と社会人の投手中心のドラフト。
支配下での大学生投手2人以上指名は
2018年以来5年ぶりである。
それでも投手指名の最高齢が
澤柳と藤田の23歳なのはいつも通りといったところ。
巷では即戦力スラッガーの期待が大きそうな廣瀬は
HR数と打率や三振率が逆方向に連動するタイプで、
大学の先輩でもある正木や柳町の打撃成績を
上回っているシーズンが多くない。
身体能力を生かした
数年後のセカンド定着も期待されるところではある。

 

広島東洋カープ

主なポイント
①黄金期に行った「将来を見据えたドラフト」の結果は
②中位以下で即戦力投手を獲得できるか

C指名

CF年代表

CP年代表

支配下指名5人中4人、
全指名8人中5人が大学生投手となったカープ
公言していた常廣入札に特攻してきた
イーグルスとの11年ぶりの対決で
見事リベンジを果たし、
今年比較的候補が少なかった
大学生の左投手も2人獲得している。
5位から育成2位までは3連続で
カープが得意としている
東海地区大学からの指名。
ちょっと気になるのは仲田の指名で、
彼をファーストなりサードなりで育てるには
林を常時一軍に置くか
1年目は壁にぶつかった内田を外さないと
二軍の枠がない。
さてカープの選択は。

 

千葉ロッテマリーンズ

主なポイント
①絶対に上位を使うほどではないがポイントの多い野手
②上位指名の投手を戦力にすることの意味

M指名

MF年代表

MP年代表

ドラフトの歴史の中で
外れ1位での抽選を一度も外したことがなかったマリーンズが
今回は外れところか外れ外れ抽選でも
くじを外してしまった。
その結果獲得した上田は
はたしてどのポジションで育成するか。
山口を外野に固定し
安田をファーストで起用する将来像になるのだろうか。
3位以下はほぼ全員が高校生で、
唯一の例外である髙野も19歳。
育成枠は3年連続で高校生大量指名となっている。
2位指名の大谷は
サンダーバーズではリリーフでの起用。
プロでも即戦力のリリーフとして
期待されるだろう。

 

阪神タイガース

主なポイント
①ドラフト指名の高評価と最低評価のその後
②安定している中に苦しさも垣間見える先発運用

T指名

TF年代表

TP年代表

他球団が明言するか
明言したチームに合わせるかを選択するなか、
タイガースは間隙をついて
下村の単独指名に成功した。
2位、3位が投手の場合
どちらかが素材型になるタイガースらしく、
椎葉は球速がかなり早い一方で
四球数も非常に多いタイプ。
支配下の投手は社会人の石黒も含め
4人全員が22歳以下である。
支配下の野手では
高校生ショート2人を獲得。
二軍は二遊間よりもサードが空いているので
少なくともどちらかは
サード中心の起用になるのか。

 

オリックスバファローズ

主なポイント
①センターをどのようにして育成するか
②さらに深刻な事態になりうる数年後の先発候補

Bs指名

BsF年代表

BsP年代表

大学生投手が豊作と言われる一方、
巷では前田悠伍か高校生一塁手の入札を
予想する声が多かったバファローズ
1位入札したのは高校生ショートの横山。
4位指名の堀も含めて
高校生野手を獲るならこの2ヶ所というところを
ピンポイントで指名してきた。
そして4連続高校生指名の後は
社会人投手を大量に獲得。
昔と違って
この社会人大量指名も
ただの人数合わせや即戦力の使い捨てではなく
数年先の戦力として活躍し続けさせる
勝算がありそうに見えるのが
今のバファローズの恐ろしいところである。