スポーツのあなぐら

主に野球のデータ、ドラフトについて書いていくブログ。更新頻度は気まぐれ

2022年横浜DeNAベイスターズ ドラフト補強ポイント

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①ポジションで打力が極端に変わる若手
②内野の世代交代要員となる大学生・社会人内野手
③リリーフとしてすぐ使える即戦力投手

 

 

戦力・ドラフト傾向分析

過去10年の成績

By10年成績

2016年以降は
6年間で3回CSに進出、
2017年は日本シリーズも経験した。
近年は打線よりも
投手の改善が進んでいるようだ。

 

2022年の成績

2022By順位

序盤は打線の状態が上がらず苦戦していたが
オールスターから8月にかけて投打がかみ合い、
この間に貯金12を荒稼ぎ。
終盤は再び崩れたものの
この貯金がきいて3年ぶりの2位を確保した。
序盤に
得失点のわりに借金は少なく抑えることができたのも
大きかった。

 

過去10年のドラフト傾向

By10年1巡

昨年DeNAになってからちょうど10年、
競合6回目にして
初めて1位入札の抽選が当たった。
結果的に大学生投手の1位獲得が多くなっているが
入札は高校生も多い。

By10年2・3巡

2位は今のところ全て大学生と社会人。
3位のほうは
ちょうどAクラス入りした2016年から
高校生が増えている。

By10年指名人数

By10年戦力

長らく暗黒期が続いたこともあり
しばらく大学生・社会人偏重の指名になっていたが、
2012、17年以外は
高校生の投手と野手も最低1人ずつ獲得している。
その反面
2位以下の大卒・社会人投手がいまいち戦力にならず、
高卒も一軍直前から伸び悩む印象が強い。

 

野手補強ポイント

野手についての基本的な考え方

基本的な前提条件はこうだ。

  • 若手は全盛期(年代表オレンジ)に向かって少しずつ成長する
  • 全盛期の選手は同じぐらいの成績で推移するかゆるやかに衰える
  • 全盛期を過ぎた選手は特に守備がいつ大幅に下降してもおかしくない

この前提条件を踏まえつつ
若手・中堅の具体的な成長速度やポジション適性、
ベテランの衰えかたなども含めて
補強ポイントを見定めることになる。
また
今年のドラフト候補で
ポイントに該当し
なおかつプロを志望する選手が少ない、
他のチームとの兼ね合いで
欲しい選手を予定している順位では獲れそうにない、
などといった場合には
補強ポイントを翌年以降に持ち越すこともよくある。
一回のドラフトで
補強ポイントを全て埋めきる、
投手・捕手・内野・外野のポジションを均等に獲得する、
といったことにこだわる必要はない
のだ。

 

2022年野手陣の状況

2022By打撃成績

HRは多くないが二塁打が12球団トップで、
長打で点を取っていくチーム。
ただし三塁打は全チーム最少。
三浦監督就任で
向上が期待されていた機動力は、
盗塁があまり増えていないかわりに
5年連続リーグ最下位だった犠打数が
この2年間増えている。

2022ByF年代表1

2022ByF年代表2

佐野、宮崎は例年通り好調。
2年目の牧も
昨年の引き続きかなりの結果を残した。
オースティンの故障と不調は痛かったが、
中盤まで絶不調だった桑原が
終盤にいくらか調子を戻し
ソト、楠本も結果を出した。
蛯名は中盤以降息切れしてしまったか。

2022By若手OF

三振率が高いのがネックだが
育成の勝又も含め充実度は高い若手外野陣。
一軍の外野がほぼ毎年好成績を残していたため
どうしても一軍スタメンの機会は限られていたが、
今後はチャンスも増えてくるか。
ただしもう一つ言ってしまうと、
関根や楠本は
二軍で彼ら以上の成績を残したことがある。
一軍のハードルはちゃんと高いのだ。

2022By若手C,IF

キャッチャーと内野はかなり苦しい。
少し良くなったかと思うと
また次の年は調子が上がらない、
そんな若手ばかりになっている。
牧がいるセカンドは何とかなりそうなので
あとは小深田が宮崎の限界に間に合うか、
森と柴田に知野で
大和の後のショートをうまく機能させられるか。
内野陣はこのあたりが焦点になる。

 

補強ポイント

バッティングの育成が明らかにうまくいっていないのは
ショートとキャッチャー。
ただどちらも近年は
守備を重視した育成・起用をしているように見えるため、
ショートは守備のいい森が入ることで
一軍要員がほぼ埋まっている。
ただ牧にアクシデントがあった場合は
現在のメンバーだと
打力の低下に歯止めがかからなくなる。
次にサード。
宮崎の後継候補が小深田一択になりかねない現状は
知野と争わせる可能性を考慮しても
さすがに心もとない。
ここも大学生か大卒2年目までの社会人が望ましいが、
ポジションはセカンドやショートでも問題ない。
そしてこの視点で見ると
最初の補強ポイントとも被るうえに、
既にトレードと戦力外で
内野はチームから3人が離れている。
両方のポイントを合わせて
打力の高い大学生か社会人のショートを
2人獲る選択でも悪くはない。
一方、
外部から毎年盛んに上位指名が主張されているキャッチャーは
人数枠の関係で獲りづらい。
こちらも育成方針が守備、インサイドワーク重視だとすると、
既にアマチュアで打ちまくっていて
守備力もある程度できあがっている選手じゃなければ
わざわざ獲りに行くのは難しくなる。
獲るなら高城あたりを戦力外とするか
他のポジションや投手枠を圧迫してでも
キャッチャーの人数枠を増やすかだったが、
この絶対条件のうちの一つが満たされたため
今年のキャッチャーの指名も現実味を帯びてきた。
育成枠が4人いる外野は
今年無理に獲る必要はない。
獲るなら
高校生か高卒1、2年目の独立リーグのセンター。

 

投手補強ポイント

投手についての基本的な考え方

野手と比べて
投手は年齢による成長・衰えのばらつきが激しく、
故障や不調などからくる戦力外も早い。
また近年は
個々のイニング、登板数を抑える代わりに
投手の調子を見極めた一・二軍の入れ替えが激しく、
一軍である程度使われる主力の数そのものは激増している。
そのため
一部のドラフト評論などでも主張される

  • 二軍以下で将来を見越して何年間も育成し続ける
  • より力のある選手を差し置いてでも、若い投手をただ一軍で使い続ける

このような手法は
以前にもましてとりづらくなった。
それよりも

  • 最低限の出場選手登録人数にこだわることなく、一軍で起用可能な投手の絶対数を増やしていく
  • 今年台頭した若手が来年以降も活躍し続けることをあてにして、目の前の年齢(特に18歳)と将来性に特化した指名を繰り返してはいけない

これらがどのチームでも最重要課題になる。

 

2022年投手陣の状況

2022By投手成績

序盤はかなり失点が多かったが
貯金を稼いだ中盤は
投手陣がかなり好調だった。
チーム全体では
三振率が高いが四球も多い。
チーム全体の状態に
対応できるほどの力を持つ投手が
少ないのは事実だが、
失点の改善に関しては
投手以外の別な弱点も克服していく必要があるのは間違いない。
これが
ショートで守備重視の起用が行われているゆえんだろう。

2022BySP年代表

2022By若手SP

10試合以上の先発はこの6人だが
他に9試合に先発したのが東、坂本、京山。
終盤はシーズン途中で契約の
ガゼルマンが3試合に先発した。
今年も
若い先発候補がなかなか殻を破れず
足踏み状態が続いている。

2022ByRP年代表

2022By若手RP

20試合以上登板した6人と先発要員以外で
15試合以上投げたのは
三上、クリスキー、宮國、砂田。
既に実績のある選手と外国人ばかりで、
新しく台頭したのは入江のみ。
リリーフの若手は
三振こそとれるが四球があまりにも多すぎ、
一軍への戦力供給が滞ってしまった。

 

補強ポイント

昨年から今年にかけての
先発の陣容を見ると、
中川、宮城、浅田がリリーフへ回り
個々の育成方針を大きく変えてきたことがわかる。
これまでのベイスターズの投手育成、
特に高卒投手の育成は
数年間先発で使い続けてから
改めて適性を判断してきた。
ただ現時点での結果としては、
先発候補の数そのものは毎年かなり多いものの
なかなか育ち切らずに
一軍起用から定着の前で長期間伸び悩んでいる。
またリリーフは
一軍可能な選手の絶対数が足りない。
さらに今年は
二軍でまだ投げられてない選手も多く、
人員不足に拍車がかかっているように見える。
チームはおそらく
今年も大学生と高校生の先発候補を
投手指名の中心に据えると思われるが、
一番の補強ポイントは
最初からリリーフ起用を想定した即戦力になる。
もちろん
補強ポイントだから、
1位指名した入江が台頭したからといって
上位指名にこだわる必要はなく
チームもリリーフ候補ばかり狙うドラフトはしないだろうが、
頭の片隅に入れておきたい要素と言える。

 

おすすめ1位候補

特になし

各チームの1位入札公言が増えてきたが
今年は極端なほど入札選手がばらけている。
そのため例年とは異なり、
抽選になりそうな選手や競合確定の選手に入札しても
50%の確率で抽選に当たりそうな状況になった。
当然外れる確率も最低50%なのだから
何が何でも抽選へ特攻しろとは全く思わない
が。
おすすめしたい選手も特になく、
同年代の選手が固まっている大学生外野手以外なら
高校生のセンター、ショート、キャッチャーに
大学生・社会人投手と高校生投手。
どこのポジションの選手を狙いに行っても
抽選を外した後のリカバリーさえできるのであれば
何も問題点はない
と考える。