スポーツのあなぐら

主に野球のデータ、ドラフトについて書いていくブログ。更新頻度は気まぐれ

2021年千葉ロッテマリーンズ ドラフト補強ポイント

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①強運を存分に生かした1位入札
②4年後の二遊間を担える野手
③左の即戦力投手

 

 

戦力分析

52-40-16 .565① 487①-437⑤ .554②
(9月13日時点)

2位の昨年は
やや弱い打線を投手陣が支える構成だったが
今年は
やや弱い投手陣を強力打線が引っ張る構成。
得点効率は高く
盗塁、バントなどの小技も積極的に用いるのが特徴。

 

野手

平均得点4.51① RC488① SLG.402① OBP.334① OPS.735① SB93①

MF年代表1

MF年代表2

長打力、出塁能力ともかなり高く
この単純な打力が打線好調の原動力である。
今シーズンはレアードが復活し
マーティン、荻野、中村が好調。
さらに藤岡も調子はまずまずと言える。
安田はサードとしては不満が大きくなるものの
昨年より向上しているので
今後や来年以降には充分期待できる。
3年目の藤原も順調に成長しているが
一軍と二軍での成績がほとんど変わらないうえに
一軍だと二軍より三振率が低いという謎な成績を残している。
後半戦に入って急激に成績を伸ばしたのは平沢。
三振率の高さは若干気になるものの
ショートでも結果を残せるようになったのは大きく、
来年は一軍でも
藤岡と併用可能な成績を出せる可能性が出てきた。
また藤原などとも共通した
若手の弱点として考えられるのが
エンジンのかかり方の遅さ。
後半戦は結果を残すようになったものの
開幕直後はだいたい調子が悪いため
常時一軍スタメンにするには物足りない。
序盤からある程度ブーストをかけられるようになるか
自力をつけて
調子がいまいちでも最低限の結果は出せるようになれば
押しも押されもせぬスタメン要員となるはずだ。
藤原がそこまで成長するのは
そう先のことではないだろう。

 

投手

ERA3.81⑤ WHIP1.29⑤ FIP3.98⑤ K/BB:2.23⑤ K-BB:10.0%⑤

MSP年代表

MRP年代表

投手陣はあまり良い数字はない。
四死球は平均程度だが
三振率は西武に次いで低い。
特に先発陣はほぼ全員が低調。
不安定なのはリリーフ陣も同じで
河村、土居に加えて
若い横山、東妻やフローレス、大嶺など
そこそこ投げている選手は他にも多い。
佐々木千の台頭がなかったらもっと苦しかっただろう。
その中で特筆すべきは
佐々木朗の育て方。
ヤクルトの奥川恭伸同様に
先発ローテには入れず
中10日以上を空けての起用が成果を上げており、
あえて公式戦では投げさせないこの2人の起用が
今後若手育成の方法の一つとして
確立する可能性もある。
左投手は致命的に足らず
リリーフ専任は成田が3試合に投げただけ。
今は中村稔がロングリリーフ要員を兼ねている。

過去のドラフト傾向

M1巡

単独指名の年以外は全て太字。
つまり外れ1位までには必ず抽選を引き当てている。
この強運のおかげで
その時獲得したい選手を入札する
シンプルな戦略を
他チームよりも少ないリスクでとれるようになった。
しばらくは
大競合への特攻や単独指名狙いへの介入も
藤浪入札ですら全く褒められなかったが、
平沢を経て安田を獲得したあたりからは
一転してべた褒めされている。

M2・3巡


M指名数

2・3位は大学生の指名が多い。
「高校生を獲らない」と批判が集中した2010年前後は
獲得数を極端に抑えていた時期でもあり、
2014年以降は
この即戦力の枠組みの中に
高校生の指名枠を追加したもの、
高校生の1位入札も
スケール云々ではなく
準即戦力枠としての位置づけと考えると、
指名方針が大きく変わったのではなく
ある程度一貫性を持った
前後のつながりが見えてくるように思う。

補強ポイント

優勝争いのなかでも際立つ弱点

野手のネックは二遊間。
平沢には
数年後のスタメン獲得の可能性が見えてきたものの
想定される
中村奨と藤岡のリミットはあと3、4年なので
もう片方が
福田光、西巻、茶谷、小川の誰かで
埋めることができそうかを考えなければならない。
この5人は
若手が安田しかいない
サードのバックアップも兼ねているが、
この点も含めて
想定しづらいとなれば
今年も大学生か社会人のショート指名が必要だ。
最近のマリーンズ二遊間の成長具合を考えると
ある程度打撃成績を残している選手が欲しいところだが、
そこまで結果を出している二遊間の候補が
ほとんどいない。
来年まで指名を持ち越しても間違いとは言えない状況だ。
他には
年齢層が偏っているキャッチャーも獲りたいが
加藤匠の加入で支配下の捕手が7人に増え、
ドラフトで指名するスペースは減っている。
今年に入って2人減った外野手は
西川、山本大斗が入っている育成要員を
もう一枠増やすかどうか。

投手で足りないのは左のリリーフ。
しかしだからといって
単純に大学生や社会人を獲っても
土肥、山本大貴、永野のように
育成に時間のかかるタイプだと
将来的にも戦力の向上にはなかなかつながらない。
獲るなら松永のような即戦力が必要。
また
マリーンズは左右関係なく即戦力、
特に社会人投手の見極めが
あまりうまいほうではない。
高校生右腕の
スカウティングと育成のノウハウは
ある程度出来上がっているようだけども
確率的にもそれだけで投手を賄うのは不可能。
この即戦力不足が
慢性的な投手不足の大きな要因となり
土居、横山などの
前倒しした一軍起用を迫られる要因にもなっている。
右ピッチャーに関しては
チームがそのあたりも踏まえて
高校生、即戦力ともに指名するだろうから、
高校生野手の1位入札と一部の高卒投手の成功に
すっかり気をよくしたドラフト評論家やファンは
安易な高校生一辺倒の指名の要求と
即戦力の指名批判をしないことだ。