スポーツのあなぐら

主に野球のデータ、ドラフトについて書いていくブログ。更新頻度は気まぐれ

2022年阪神タイガース ドラフト補強ポイント

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①「野球は打力が大事」か「野球は守備と投手」か
②大学生の上位二遊間候補を獲る際に考えるべきこととは
③長く活躍する選手の育成に苦労している投手陣

 

 

過去10年の成績

T10年成績

投手陣が奮闘して失点を抑えており、
打線のほうはあまり強くないが
かつての暗黒期のような
得点が失点を大きく下回る年が少ないため
それなりに安定した強さを保っている。
こうしたチーム構造もあってタイガースは
「野球は打力が大事」と言われて久しいものの、
打線の補強がうまくいった2010年ごろは
「野球は守備と投手」と叩かれていた。

 

戦力・ドラフト傾向分析

2022年の成績

T順位2022.07.24

開幕からの連敗がひびき
ずっと最下位だったが
交流戦終盤に最下位を脱出。
オールスター直前で
最大16あった借金も完済してしまった。
得失点のほうは
交流戦前の時点でも-3まで回復、
交流戦直後にはプラスに転じ
オールスター前のピタゴラス勝率は
なんと全球団トップである。

 

過去10年のドラフト傾向

T10年1巡

1位の単独入札は大山だけ、
スワローズの高山公言に特攻した2015年以外は
全て3球団以上の競合になっている。
藤浪まで20年以上連敗していた時期に比べれば
くじ運もかなり良くなっているが、
外れ1位指名も含めた3球団以上の競合では
藤浪から佐藤輝までの7年間に
8連敗を喫している。

T10年2・3巡

2010~13年は高校生、
14~15年は1位獲得選手と同じチームの選手*1
一時期は妙な特徴を持つ2位指名になっていたが
最近はこれといった定型は見られない。

T10年指名人数

T10年主な戦力


長年野手の世代交代に苦慮してきたこともあってか
大学生野手の指名が多く
2015年以降はその流れがさらに加速した。
ただ何年も持続するような成果は
梅野と大山ぐらいで、
世代交代の完成は
社会人の糸原、近本でようやく形になったところ。
投手は量がかなり物足りなく感じるが
何年も活躍できている選手がおり
質でカバーしていると言えそうだ。

 

野手補強ポイント

野手についての基本的な考え方

基本的な前提条件はこうだ。

  • 若手は全盛期(年代表オレンジ)に向かって少しずつ成長する
  • 全盛期の選手は同じぐらいの成績で推移するかゆるやかに衰える
  • 全盛期を過ぎた選手は特に守備がいつ大幅に下降してもおかしくない

この前提条件を踏まえつつ
若手・中堅の具体的な成長速度やポジション適性、
ベテランの衰えかたなども含めて
補強ポイントを見定めることになる。
また
今年のドラフト候補で
ポイントに該当し
なおかつプロを志望する選手が少ない、
他のチームとの兼ね合いで
欲しい選手を予定している順位では獲れそうにない、
などといった場合には
補強ポイントを翌年以降に持ち越すこともよくある。
一回のドラフトで
補強ポイントを全て埋めきる、
投手・捕手・内野・外野のポジションを均等に獲得する、
といったことにこだわる必要はない
のだ。

 

2022年野手陣の状況

T打撃成績2022.07.24

盗塁が多い以外は
数字上優れたところが見られず、
打率と二塁打はリーグワースト。
チーム打撃成績は
ドラゴンズをも下回っている。
ただカープほどではないが
効率よく得点が取れている。

TF年代表1

TF年代表2

今シーズンは個人成績も低調。
大山、佐藤輝以外のスタメンで
リーグ平均かそれ以上なのは近本と中野ぐらいだ。
昨年から成績を大きく落としている主力が多く、
30歳前後でこの状況なのは苦しい。

T若手F

しかし若手は
そんな主力と入れ替えられるほどの成績を残せていない。
下で結果を出している小幡と小野寺は
控えでの出場が多いことを考慮しても
一軍の成績がかなり低調*2
そして2人以外は
二軍の平均を超えていないのだ。
序盤は比較的良かった髙寺も
中盤以降は調子を落としている。
なお一番下には
参考までに昨年の島田の成績を載せておいた。
二軍と一軍の成績の違い、
今シーズンの若手と島田の違いが
少しはわかりやすくなっただろうか。

 

補強ポイント

本来なら
主力野手が30歳前後のタイガースは
主な課題がこの次の世代交代になる。
ただ
ここ2年間の梅野や今年の糸原の落ち込み方、
大山の起用法などを見ると
のんびりともしていられなくなってきた印象がある。
しかも二軍を見ると、
5年後の一軍主力入りを
ある程度見通せる選手が少ない。
若手の将来への伸びしろには期待しつつも
ドラフトでも新たに選手は確保しておきたい
状況だ。
特に何としても獲っておきたいのは二遊間。
年齢バランス的には
高校生から大学生までのショートなのだが、
大学生か社会人のセカンドを獲って
セカンド候補の枠を増やす手もある。
ただし
ベイスターズの牧秀悟を見て
1年目から大活躍できる選手を狙おうとすると
ハードルはとてつもなく上がる。
今年の大学生二遊間の有力候補は
大学3、4年次の牧はおろか、
中村奨吾や3年次の上本博紀*3
さらには社会人時代の糸原ぐらいの
成績を残している選手もあまりいないのだ。
有力候補を獲れたとしても
一軍で活躍するまでに
最低でも3年かかることは想定すべきだろう。

あとは
近本と島田がいるが
その下の年齢の候補が事実上一人もいないセンターに
バッティングのいいサードも
そろそろ確保しておき
数年かけて育てたい。
この二点は高校生でも問題ない。

 

投手補強ポイント

投手についての基本的な考え方

野手と比べて
投手は年齢による成長・衰えのばらつきが激しく、
故障や不調などからくる戦力外も早い。
また近年は
個々のイニング、登板数を抑える代わりに
投手の調子を見極めた一・二軍の入れ替えが激しく、
一軍である程度使われる主力の数そのものは激増している。
そのため
一部のドラフト評論などでも主張される

  • 二軍以下で将来を見越して何年間も育成し続ける
  • より力のある選手を差し置いてでも、若い投手をただ一軍で使い続ける

このような手法は
以前にもましてとりづらい。
それよりも

  • 最低限の出場選手登録人数にこだわることなく、一軍で起用可能な投手の絶対数を増やしていく
  • 今年台頭した若手が来年以降も活躍し続けることをあてにして、目の前の年齢(特に18歳)と将来性に特化した指名を繰り返してはいけない

これらがどのチームでも最重要課題になる。

 

2022年投手陣の状況

T投手成績2022.07.24

投手のほうは
ほとんどの数字が優秀。
HRと四球が非常に少なく、
今年は被安打もかなり減っている。

TSP年代表

TRP年代表

先発は
西純矢に加えて
才木、桐敷、村上も控えており、
高橋がいないわりには
頭数はある。
一方リリーフは
今年台頭した湯浅や渡邉に加えて
開幕時絶不調だったケラーが調子を上げ、
しばらく続いた戦力不足も少しはましになりそうだ。

 

補強ポイント

昨年の補強ポイントでも少し書いたのだが
タイガースの投手育成は
高校・大学・社会人などのくくりに関係なく
素材重視の指名をして
短期間戦力になる選手を2、3年で育てるのは得意な反面、
育てた選手たちが
故障や制球難などによって1、2年で崩れ
その後しばらく戦力にならなくなることがかなり多い。
この状況を少しでも緩和するには、
たとえ1、2年で崩れるとしても
毎年新しい戦力を次々と輩出するか
何年も続けて活躍できる実戦型の選手を獲っていくかだ。
また後者を実践しようとしても
指名した選手が全員戦力になるとは限らない。
どちらを選ぶにしても
投手の数はしっかり確保しなければならないのだ。

*1:2016年は大山と同じ白鷗大の中塚駿太が阪神より先に2位指名された

*2:小野寺はこの時点で30試合43打席、OPS.449

*3:4年になってからはかなり不調だった