スポーツのあなぐら

主に野球のデータ、ドラフトについて書いていくブログ。更新頻度は気まぐれ

2022年東北楽天ゴールデンイーグルス ドラフト補強ポイント

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①今年も中盤以降に失速
②大学生の中長距離外野手とショート
③本当に「投手は下位でも充分間に合う」か

 

 

戦力・ドラフト傾向分析

過去10年の成績

E10年成績

2013年の日本一の後は
主力の流出もあって低迷。
常時上位争いに食い込めるようになったのは
大型補強を行い始めた2019年以降である。
ここ数年は
序盤から前半は調子がいいものの
後半になると成績が落ち込む年が続いている。

 

2022年の成績

2022E順位

今年も
交流戦終了時点ではまだ首位をキープしていたが
その後は失点が増大しBクラスに終わった。
得点力はそこまで低くなっていない。

 

過去10年のドラフト傾向

E10年1巡

1位入札は
地元の東北枠が2人いることを加味しても
高校生が極端に多い。
ただ2015年以降は
それまで5戦全勝だった
東北枠以外の高校生の抽選が当たらなくなってしまい
現在は外れ1位も含めて3連敗。
そして東北枠高校生の抽選は創設以来5戦全敗。
結果的に
大学生と社会人の1位獲得が増えているが、
チームが勝ちきれない理由として
ドラフト評論では
大型補強などとともに批判の種にされやすい項目だ。

E10年2・3巡

2015年から野手の上位指名が増えており
石井GM就任後は
その流れがさらに加速している。

E10年指名人数

一時期多かった高卒投手の指名が
近年は大幅に減少。
2019年以降は大卒・社会人の野手も
ほぼ上位指名限定となり
大学生投手と高校生野手の指名が多い。

E10年戦力

高卒野手は
この前の時期も銀次、枡田慎太郎ぐらいしか育成できておらず、
投手も先発で育ったと言えるのは
辛島航が最後。
チームが重視してきたはずのWARとは
真逆の傾向になっている。
大卒と社会人も
非常に早くから戦力になっている即戦力選手以外は
微妙なラインだ。

 

野手補強ポイント

野手についての基本的な考え方

基本的な前提条件はこうだ。

  • 若手は全盛期(年代表オレンジ)に向かって少しずつ成長する
  • 全盛期の選手は同じぐらいの成績で推移するかゆるやかに衰える
  • 全盛期を過ぎた選手は特に守備がいつ大幅に下降してもおかしくない

この前提条件を踏まえつつ
若手・中堅の具体的な成長速度やポジション適性、
ベテランの衰えかたなども含めて
補強ポイントを見定めることになる。
また
今年のドラフト候補で
ポイントに該当し
なおかつプロを志望する選手が少ない、
他のチームとの兼ね合いで
欲しい選手を予定している順位では獲れそうにない、
などといった場合には
補強ポイントを翌年以降に持ち越すこともよくある。
一回のドラフトで
補強ポイントを全て埋めきる、
投手・捕手・内野・外野のポジションを均等に獲得する、
といったことにこだわる必要はない
のだ。

 

2022年野手陣の状況

2022E打撃成績

打率とHRや長打はたいした数字じゃないが
四球は2番目のマリーンズより102個も多く
出塁率がかなり高かった。

2022EF年代表1

2022EF年代表2

島内と浅村に加えて
今シーズンは辰己が成長した。
このほか
リーグ平均を超えている主力は多かったが
今年も外国人選手がうまくはまらなかった。

2022E若手C,IF

もともとバッティング評価が高い
ルーキーの安田は二軍でそれなりの結果。
おそらく一軍起用は守備、リード重視だと思われるので
そちらを徹底的に磨くか、
それともDHなどでの可能性も模索するか。
石原にも同じことが言える。
黒川は例年に比べると調子が悪くなっているが
浅村が健在なため
どのみち一軍で使うところはなく、
若手の成長が早すぎても
良い結果に結びつくとは限らない

好例と言える。
準一軍要員としての
一軍と二軍の往復はもうしばらく続きそうだ。

2022E若手OF

一軍で43試合99打席を経験した武藤以外では
怪我明けのオコエ
二軍に出られるときは好成績。
しかしオコエのほうは
あまり一軍スタメンに入らないのはまだしも
なにかと「若手、若手」とうるさい人たちからも
なぜか「使え」という声が全く出されなくなっている。
武藤という別なおもちゃも見つけたので
飽きてしまったのだろうか。
高卒ルーキーの吉野と前田は
センターで起用されることが多かった。

 

補強ポイント

現状かなり人が不足しているのは三遊間。
小深田は最近成績をかなり上げてきたが
時期によってむらがかなり激しい印象で、
茂木は
出られるときはしっかりと結果を残すものの
怪我で出られない期間が増えている。
そして代わる選手は
一軍だとなかなか結果を出せていない。
チームもこの状況を深刻にとらえ
ドラフトだけでは補いきれないと判断したからこそ
伊藤を獲得したのだろう。
これらを考えると
いささか人材過多にも見えるかもしれないが
バッティングのいい
大学生ショートが候補に入ってくる。
育成枠を含めて
昨年高校生を4人も獲得した外野も補強ポイント。
この4人はまだかなり時間がかかる可能性が高く
3年目の武藤も今のところ長打が多いタイプではない。
センターは守れなくてもいいので
22歳前後の中長距離打者を獲得したいところだ。

 

投手補強ポイント

投手についての基本的な考え方

野手と比べて
投手は年齢による成長・衰えのばらつきが激しく、
故障や不調などからくる戦力外も早い。
また近年は
個々のイニング、登板数を抑える代わりに
投手の調子を見極めた一・二軍の入れ替えが激しく、
一軍である程度使われる主力の数そのものは激増している。
そのため
一部のドラフト評論などでも主張される

  • 二軍以下で将来を見越して何年間も育成し続ける
  • より力のある選手を差し置いてでも、若い投手をただ一軍で使い続ける

このような手法は
以前にもましてとりづらい。
それよりも

  • 最低限の出場選手登録人数にこだわることなく、一軍で起用可能な投手の絶対数を増やしていく
  • 今年台頭した若手が来年以降も活躍し続けることをあてにして、目の前の年齢(特に18歳)と将来性に特化した指名を繰り返してはいけない

これらがどのチームでも最重要課題になる。

 

2022年投手陣の状況

2022E投手成績

四球がさほど多くないこと以外は
全体的に数字が悪く、
被HRはリーグワーストだった。

2022ESP年代表

2022E若手SP

防御率で見ると
10試合以上に先発した7人全員が
リーグ平均を下回った。
とはいえ
瀧中以外は極端に悪いというわけでもなく、
かなり調子を崩した時期じゃなければ
一軍のローテから外すほどの成績にはなっていない。
二軍の若手・中堅では
高田孝、松井友、藤井が
現時点での次世代候補になるか。

2022ERP年代表

2022E若手RP

リリーフは
鈴木翔、西垣、宮森と
新しい戦力が出てきてはいるが、
ほかに二軍で結果を出しているのは吉川ぐらい。
層はかなり薄いと見るべきだろう。

 

補強ポイント

先発に有望株は何人かいるが
一軍に30代が5人いることを考えると
「何人か」だと世代交代にはとても足りない。
また一軍でかなり不足していた左のリリーフは
伸び悩んでいた鈴木翔の成長と
13試合に登板した弓削と渡邊佑で
少しはましになったものの、
即戦力は常に補充しておきたい。
しかし今年のルーキーは
西垣に加えて
松井友、吉川も二軍で好調。
近年のドラフトの傾向と現状とを考えると
今年も
上位と中位では徹底的に野手、
投手は4位・5位以降に
残っていた選手から獲る指名をする
可能性が高くなっている。
特に上位の投手入札は
競合するレベルの一番人気に絞ってくる可能性もある。
一軍先発要員は
なぜか他球団出身を含めても1位指名選手ばかりで
上位指名以外となると
瀧中と辛島ぐらいしか育成できていないが、
はたして
下位指名主体でもうまく世代交代に間に合わせられるか。

 

おすすめ1位候補

荘司康誠(立教大・公表済)

今年のチーム構成だと
高校生外野手以外なら
1位で誰を獲りに行ってもおかしなところはない。
今のところ1位入札は
即戦力投手が示唆されていて、
石井GMもこれまでブラフを使ったことはないため
おそらくは即戦力投手を入札するのだろう。
ただ
大学生・社会人投手のうち誰に入札するのか、
抽選になってくじを外した場合も
即戦力投手の1位指名にこだわるのかは
全く読めなかったが、
ドラフト2日前の夜になって
荘司入札を明言した。