今年は簡易版です
2025年の戦力分析
2025年のチーム成績


5年連続Bクラスを脱して迎えた今年は
投打がかみ合い首位争い。
序盤もたついたホークスの追い上げに屈したものの
終盤まで息切れすることなく戦い抜いて
勝率.600近い2位を確保した。


HRと三塁打がリーグトップ。
代わりに野手の三振数がリーグワーストで
投手の被HRも多かったが、
この長打力を背景に勝利を重ねていった。
また今年はもともと良かった与四球がさらに減少、
奪三振率も増えて
投手陣の隙もなくなりつつある。
2025年の打撃成績

この表では
一軍で打席、出場機会の多かった選手のみ掲載している。
主力打者が25歳前後に固まっていて
非常に若さを感じられる構成。
その一方で
レイエス、郡司がさらに優秀な成績を残している。
また
序盤不調だった水谷に代えて好調の吉田を起用、
その水谷は調子を取り戻してから一軍に上げて
吉田は二軍に下げるなど、
ただ「好調な若手を使う」のではなく
不調になった若手を無理に使い続けず
できるだけ好調な時にだけ使う、
これを徹底していた様子がうかがえる。

二軍で打率、HRの二冠に輝いた
有薗の使い方も同様で、
一軍固定には時期尚早ということか
一軍に上がっても
少し使われてはすぐ二軍に戻す起用が続いた。
一軍の主力になっていない若手・中堅のうち
二軍平均を超えたのは有薗と細川だけで、
他の若手は平均を大きく下回っている。
2025年の投手成績

最近の投手陣を支えた先発に
今年は達、古林なども加わり、
さらに厚みが増した。
一方のリリーフは
上原がリリーフに回った以外
あまり変わらない陣容で、
山崎、金村などが先発ローテを外れ
リリーフで起用される試合も多くなった。

一軍要員の充実度が二軍でも高いのは
当然のことではあるが、
加えて20歳前後の孫、柴田も好成績。
まだ年間を通して先発できる体力作りの段階だが
体力がつけば非常に楽しみな存在になりそうだ。
その反面
高身長ではない若手の成長が緩やかで、
一軍戦力を増やすうえでは
この点も充実させていきたい。
補強ポイント
過去のドラフト傾向

「その年一番いい選手に向かう」を旗印に
大競合、他球団拒否、MLB志望など
毎年何らかの特攻を重ねてきたチーム。
しかし抽選での勝率が徐々に下がり
引き当てた選手が
必ずしも即戦力として活躍し続けたわけでもなく、
大当たりしたらしたで早くにMLB移籍と
弊害がかなり深刻になっていた。
2020年以降は
各年の情勢も相まって単独指名が増えている。

2010~12年に
3年連続で高校生野手を指名した2位は
高校生野手と社会人投手が多かったが、
最近は大学生が増えている。
全体的に2位と3位は
巷で「1位候補」「上位候補」と評判になっていて
まだ残っていた選手を獲りに行くケースも目立つ。

依然は高校生野手の比重が極端に高かったが、
2019年以降大学生の指名が増え
2020年には社会人野手が14年ぶりに解禁、
2022年は13年ぶりに高校生野手の支配下指名なしと
高校生偏重の野手指名戦略が
完全に破綻した様子が見てとれる。
その大学生、社会人もさほど良くはないのだが、
今度は現役ドラフトなどを用いて
他球団からも野手をかき集める戦略をとるようになった。
2025年のドラフト補強ポイント
改めてファイターズ全体の戦略を考えてみると
「ファン受け、メディア受けが良いか」
これが基本線になっていると思われる。
ドラフトの
「その年一番いい選手に特攻する」や
高校生主体のドラフトをすることで
若手を起用するしかない状況を作り出していた点なども
このファン受け、広報重視戦略の典型と言える。
もっともこれだけではチームは強くならないため
ファンやメディア受けの良い手法を
実利にどう落とし込んでいくかが
ファイターズの最重要課題であり、
一昨年までの暗黒期にうまくいっていなかった部分が
またうまくはまり始めてきたのが
ここ2年間の結果につながっているというわけだ。
そう考えると、
ファイターズの1位入札は
立石正広(創価大)と石垣元気(健大高崎高)の二択。
チーム事情などに一切関係なく
常に入札することを要求されるスラッガー候補か、
地元北海道出身で素質あふれる高校生投手、
このどちらかになる可能性が高い。
ショート要員を含めて
一、二軍とも20代前半から中盤の選手が多い
セカンドとサードと、
先発可能な体力作りを進めていく必要があって
背があまり高くない素材型投手。
どちらも補強ポイントとは少しずれているのだが、
当日のファイターズはどういう選択をするか。
実際の補強ポイントは昨年同様バッテリー。
一軍がそれなりに充実しているキャッチャーは
下位指名でいいから
次世代につながる選手を確保し始めたい。
投手は
昨年のように高身長に特化した指名をするのか、
昨年のイメージを植えつけたところで
全く別なタイプを次々と獲得していくのか。
この点も注目されるポイントだ。
あとは7年先、10年先を見て
スラッガー候補の高校生外野手を獲るのも悪くない。