今年は簡易版です
2025年の戦力分析
2025年のチーム成績


4月はオスナの不調などもあって大苦戦。
しかし交流戦までに借金を返すと
交流戦以降は圧倒的な強さを見せて
序盤から首位を走っていたファイターズを抜き、
そのままリーグ2連覇を達成。
5年前に日本シリーズ4連覇を果たしたホークスだが
パリーグ連覇は10年ぶりだ。


得点も失点もリーグトップ。
出塁率も長打力も高く、
奪三振と被安打がトップで与四球はリーグ2位。
シーズンを通してみれば
ほとんど隙の無いチームだったが、
それでも序盤のような不調が時に起こるものだし、
2013年や21年のホークスのように
1年続いてBクラスに沈むことすらあるから
野球は恐ろしい。
2025年の打撃成績

この表では
一軍で打席、出場機会の多かった選手のみ掲載している。
突出した成績を残したのは近藤1人だったが、
リーグ平均をそこそこ上回る打者がかなり多く
キャッチャー以外切れ目のない打線が作られていた。
今年の一軍主力は27歳以上に集中しており、
一部のドラフト有識者から
「若手を使おうとしないホークス」に対して
嘆きと怒りに満ちた声も聞かれた。

育成選手は
ある程度二軍に出場した選手だけを表に入れている。
若手・中堅にも好調者は多いのだが、
突出した選手となると
正木、山本、石塚で全員センター以外の外野手。
一軍の同じ枠は近藤、柳町、佐藤直で埋まっていて、
それでもこの3人と秋広、緒方は
10~20試合程度レフトとライトのスタメンに入っている。
この点は牧原、野村、川瀬に対する廣瀬も同じ。
一軍で使われた際に
今年の一軍主力の牙城を崩せなかっただけで、
「若手を使おうとしない」は
批判の方向がずれていると言わざるを得ないだろう。
さて新たに出てきた若手では、
まだ慣れられる前とはいえ
高卒ルーキーの宇野と石見が将来楽しみだし、
しばらく成績が全く伴っていなかったのに
終盤にかけて結果を出し始めたイヒネの成長速度は驚異。
今後の成長と一軍の状況次第では
来年イヒネの一軍起用は充分あるのではないか。
2025年の投手成績

チーム全体だと非常に優秀な投手成績だが、
今年の先発は
モイネロ以外がさほど突出しておらず、
数はしっかりそろっている構図。
リリーフのほうは
杉山、松本、藤井、ヘルナンデスと
かなり好成績の選手が多く
オスナの不調を早くにカバーできた。

一軍の人材が豊富だったリリーフは
まだ一軍登板が少ない二軍の好成績者がいるものの、
先発のほうは
突出した若手・中堅をほぼ使い切っている。
先発唯一の例外は前田悠だが
最序盤に不調だったうえに
終盤は肘のクリーニング手術を受けており、
一軍で投げさせなかった事情が見えている。
補強ポイント
過去のドラフト傾向

基本的には大競合への特攻が多く、
特に高校生とスラッガー候補を狙うのだが
強打者の抽選はことごとく外していて、
投手も実働年数と先発要員の数を補強しきれていない。
3球団以上の競合だとそこそこ勝っているのに
どういうわけか2球団での抽選には
ダイエー時代から異常なほど弱く、
2007年の岩嵜翔以外勝っていない。

2位、3位も高校生指名が多かったが
ここ3年間は大学生と社会人。
明らかに戦略が変化している。

指名全体でも高校生が極端に多く
過去15年、過去10年の支配下指名で
半数以上が高校生なのはホークスだけだった。
特に一軍戦力が充実しているときは
高校生にやたらと振れたがる様子が見てとれたが、
これだけ獲得した高卒選手があまり戦力になっておらず
国内FAやアメリカ帰りの選手をかき集める要因の一つになっている。
2025年のドラフト補強ポイント
今年の宇野、石見の使い方を見ると、
現在のホークスは高校生であっても
1年目からある程度二軍で起用してもいい選手を
支配下で指名する方向にシフトしたと思われる。
大学生の指名が増えたのもこれが理由だろう。
支配下での補強ポイントを考える際に
重要なテーマになりそうだ。
一軍と二軍のみで
支配下の補強ポイントを見てみると、
周東に代わる選手が多くないセンターと
若手のバッティングの伸び悩みが
相変わらず目立つキャッチャー、
そして先発投手が挙げられる。
2、3年以内にファーストが空く可能性も込みで
セカンドないしサードを獲りに行く選択もあるが、
基本はこの3点。
いずれも大学生か社会人が軸に考え、
高校生はさっきも言ったとおり
それを踏まえてでも二軍ですぐ使えそうな人材に
焦点を絞りたい。