スポーツのあなぐら

主に野球のデータ、ドラフトについて書いていくブログ。更新頻度は気まぐれ

2021年東京ヤクルトスワローズ ドラフト補強ポイント

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①打力が高くセンターにも入れる外野手
②二軍で育成するサード
③外部の評価・評論家にとらわれない「本当の即戦力」投手

 

 

戦力分析

51-42-12 .548③ 467①-407② .568①
(9月13日時点)

この成績は9月中旬のもの。
阪神と巨人が調子を落とす一方で
ヤクルトはここから連勝し首位に浮上している。
今シーズンは得点力が例年並に戻る一方で
5年連続リーグワーストだった失点が多少改善された。
ピタゴラス勝率が5割を超えたのも
リーグ優勝して以来6年ぶりだ。
3年に一度は必ず上位に入ってくるスワローズとしては
来年も今の強さを持続できるかが今後の課題になる。

 

野手

平均得点4.45① RC482① SLG.403③ OBP.336① OPS.739① SB64②

SF年代表1

SF年代表2

今年は
今のところ故障なく出続けている塩見に
オスナ、サンタナの新外国人が定着し
中村も好調。
日本人の新戦力では
元山が今のところ前評判に違わぬ働きをしており、
高卒1年目の内山壮も
長打力と選球眼でアピールしている。
もっとも
これまでの中村や昨年二軍で好調だった古賀でも
明らかなように
一軍キャッチャーの負担は
成長しているはずの打力を容赦なく消し去ってくる。
一軍での活躍はかなり先のことになるだろう。
長岡、武岡も2年目としては悪くないが
外野の若手がかなり停滞している。

投手

ERA3.64④ WHIP1.27② FIP3.73③ K/BB:3.15① K-BB:14.6%①

SSP年代表

SRP年代表

今年のスワローズは
三振率が大幅に上昇したためか
守備力が向上したためかはわからないが
被安打数が例年よりも減った。
先発陣では
奥川の台頭が大きいが この奥川の起用はかなり特殊。
毎回一軍登録を抹消し
ほぼ中10日以上空けての登板で、
巷でよく主張される
すぐ中6日の一軍先発ローテーションに固定させる
方法とは全く別物である。
リリーフ陣は
クローザーだった石山をはじめ
決して調子の良くない選手も多いが、
その時々で二軍とうまく入れ替えながら
使える選手を総動員し勝ちを拾っているようだ。

過去のドラフト傾向

S1巡

1位は
基本的に競合へ特攻するものの
ここ13年はくじ運がかなり悪い。
二番人気の選手を狙いに行くのは
抽選運が非常によかった
1980年代にもしばしば見られた手法だが
2球団競合でも合計2勝5敗なので
やはり近年の運は非常に悪い。
というか二番人気といっても
知名度で一番人気より劣っていたのは
大瀬良と高山ぐらいだから
「人気選手を回避した」とはとても言えないだろう。
ホームである神宮球場の大学生より
高校生の優先順位が圧倒的に高く
今年も「即戦力投手」と言いながら
高校生投手の競合に向かう可能性は充分ありうる。

S2・3巡


S指名数

3位指名までは投手の比重が高く
3人以上連続で投手を獲ることも何度かあるが
全体だとそこまで投手偏重ではない。
野手は下位指名でも
うまく逸材を獲得し育てられる
自信の表れとも言える。

補強ポイント

チームに必要な「本当の即戦力」とは

現在の二軍で少し気になるのが外野。
ルーキーの並木が
1年目で身体能力に定評があっても
この成績だとスタメン候補には時間がかかる。
さらに濱田、中山も伸び悩み、
さすがに衰えが見えている青木と
外国人のサンタナ頼みの中で
この状況は明らかに層が薄い。
今年も最低1人は外野手、
それも打力が高くセンターにも入れる選手が必要になるだろう。
塩見のようなタイプだと
プロのスカウトはともかく
巷では目にとまること自体が少ないうえに
育てられるチームも限られて狙い目だが
大学生と社会人の候補が充実しているとは言えない。
他に獲得するとすればサード。
二遊間は
準一軍要員がそこそこそろい
二軍には2年目の武岡、長岡がいるため
今年はまだ獲得する余地はない。
一軍での村上のバックアップも
実際に入ることが多い奥村など
この二遊間のメンバーがいる。
そうなると
二軍のサードが空いている状況なので
ここを埋める指名が考えられる。
年齢バランス的には
キャッチャーも指名候補になるが
松井か内山太の支配下登録で済むと考えれば必要ないし、
獲るにしても
30歳前後の選手たちの後継を確保するなら大学生か社会人、
後継候補が
古賀と内山壮でとりあえず充分とするなら高校生も可と
どの選択肢もありになっている。

投手の不安材料は
奥川、高橋、金久保がそれなりに出てきている一方で、
昨年のリリーフから再び先発に戻した
長谷川、寺島がしっくりこない点。
奥川で新たな潮流の一端を示しつつはあるものの
投手育成に関しては
軌道に乗っているとはまだまだ言えないように思える。
また上位指名の大卒、社会人投手を見ても
即戦力としてはかなり中途半端な選手*1が多く
1位抽選を外した後の即戦力候補の人選にも
問題を抱えている印象が強い。
例年通りだと
今年の1位入札は高校生投手、
抽選を外しても最低1人は高校生投手を獲るのだろうが
それ以外は即戦力。
スワローズで例えるなら高市俊のような
一般的な知名度や評論家の評価が高い「即戦力候補」ではなく
石山などのように
たとえ巷での評価が低くても
実際には一軍レベルに近い実力を持っている「本当の即戦力」

何人も必要だ。
またスワローズは
自由契約選手などもかなり駆使しているが
そのノウハウを
もう少しドラフトにも応用する必要に迫られている。

*1:上茶谷大河や鈴木昭汰の抽選を外しているので「縁もない」という見方もできるが