スポーツのあなぐら

主に野球のデータ、ドラフトについて書いていくブログ。更新頻度は気まぐれ

2021年中日ドラゴンズ ドラフト補強ポイント

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①年代表の穴を埋める野手
②大島の後継センター候補
③高校生投手の指名を控える

 

 

戦力分析

45-53-14 .459④ 337⑥-367① .457④

昨年は60勝55敗と勝ち越したものの
得失点のバランスは悪く
ピタゴラス勝率はリーグ5位の.435。
外国人選手などでの底上げがうまくいかなかった以上、
今年の順位と勝率は順当な結果と言える。

 

野手

平均得点3.01⑥ RC362⑥ SLG.345⑥ OBP.298⑥ OPS.643⑥ SB54④

DF年代表1

DF年代表2

ビシエドと木下拓、大島以外の主力がかなりの不調。
「じゃあ二軍の若手を使え」と言われても
好調とされる若手・中堅は
二軍平均を少し上回る程度の選手ばかり。
しかもどういうわけか
打率、出塁率は悪くないが長打が非常に少ないタイプ
長打はまあまああるが低打率、低出塁率、高三振率とに
二極化している。
アベレージタイプとスラッガータイプでの
育成方針自体が二極化されているのだろうか。
なおドラゴンズが過去に
現在の若手と同じかやや上で
ポジションをあえて無視してでも
一軍の空いたポジションで使い続けた若手

その後何年も伸び悩み続け、
今年一軍で使い続けた根尾は
今二軍でも絶不調に陥っており
3年間の二軍では最も悪い数字。
ドラゴンズの若手ぐらいの力の選手を
次々と一軍で使っていった別なチーム

使い続けた若手が
故障などもあってなかなか成長せず
現在得点がリーグ最下位に沈んでいる。

投手

ERA3.16① WHIP1.20① FIP3.21① K/BB:2.87② K-BB:12.7%②

DSP年代表

DRP年代表

どうしても得点力が低く
投手陣もちょっとした失点が命取りになるため
打たれている印象が強いかもしれないが、
一軍で使われ続けている選手に限って言えば
そこまで悪い状態ではないようだ。
二軍も何人か好投している若手はいる。
ただ一軍戦力にはベテランが多く
このベテランの数に対して
若手の数は足りていない。
外国人選手や素材型の大卒・社会人出身は
まだ成長しているほうだが
高卒勢の伸び悩みは相変わらずで
故障者の多さもなかなか改善されない。

過去のドラフト傾向

D1巡

1位は高校生を獲りに行くことが多く、
結果的に社会人の鈴木博志を指名した
2016~17年より前の統一ドラフトで
2年連続大学生・社会人1位指名は
逆指名を行使した1997~98年まで
さかのぼらなければならない。

D2・3巡

落合、高木両監督の時代は
2位で高校生を指名し続けているが
落合氏のGM就任後は
彼が退任し高校生主体指名になってからも
大学生が多い。
地元の愛知、
準地元の東海・北陸に関係する上位候補がいると
積極的に獲りに行くのも大きな特徴だ。
今年になって
この地元志向を批判する人が少し増えているが、
他球団が獲得した地元枠の高校生が1人成功するたびに
「地元の若手を指名しろ」と
中日ファンやメディアから批判される
のは
4、50年は続いている伝統芸である。
また3位までをワンセットで見ると
投手:野手を
2:1の割合で指名しようとするようだ。

D指名人数

落合GM時代の
社会人偏重指名ばかりがやり玉にあがるが、
全体で見るとむしろ
手綱を締める存在がいない時期の高校生偏重、
中でも
13年間の支配下では全チーム最多となる
高校生投手の指名が際立っている。
過去には
星野監督が退任した2001年以降に
高校生野手の指名が激増したことも。

補強ポイント

野手が欲しくても獲りづらい理由

補強ポイントを見る際にまず考えたいのは
戦力外にできる野手の数。
ただでさえ一軍が足りていないのに
社会人路線からすぐ高校生路線に移行したことで
その中間の年齢層がスカスカになってしまっており、
結果を出せていないベテランに代えられる選手が少ないのだ。
投手を完全に無視して野手だけを獲るような余裕は
野手陣のほうにもないのである。
打線の状態からも
年齢層からも
ドラフトで欲しい野手は大卒か社会人の即戦力。
しかし一つ選択を誤ると
5年先に期待したい発展途上の若手たちと
実力的にあまり差のない選手ばかり増える危険があり、
その見極めも非常に難しい。
なので野手は一軍・二軍ともによくないが
あえて今年のドラフトではあまり指名しないのも
選択肢の一つになる。
今の主力を何人か戦力外にしてでも
徹底的に高校生が欲しい場合は
石垣、根尾、石川昂、岡林、土田らを
すぐにある程度一軍で使うしかない。
大半のバッティングはよくて堂上か京田、
そのうち1人が高橋周、平田レベルまで育てば御の字。
そんな将来でよければどうぞ、と言ったところだ。

そこから何とか戦力外選手を選び出した次に
問題となるのが若手の内野手適性。
ユーティリティではあるが
半分ファースト要員になっている石垣、
故障を抱えていたとはいえ守備率*1が落ちている*2石川昂、
レフト守備では既に一軍レベルの根尾と、
本当に内野手に適性があるのか
あるいは内野より外野のほうが適性があるのかもと
考えておきたい選手が何人かいる。
また現状だと
将来のセンター候補が
ほぼ岡林1人になってしまっているため
岡林の成長具合にライトの候補不足も鑑みて
若手内野手の誰かをコンバートする選択肢がありうるのだ。
これだと空く可能性が低い内野枠を空けられるので、
京田より下の支配下がほぼ土田しかいないショートで
大学生か社会人の獲得が可能になる。
外野は今書いたように
センター候補が必須だ。
一方、ドラゴンズが上位候補に挙げている
大学生の長距離打者は3人ともレフト。
チーム事情とかみ合っているようで
実は大きなずれがある。
高校生は
育成にまだ余裕があるキャッチャーなら悪くない。

投手は高校生獲得を少し控えたほうがいいと思われる。
バンテリンドームの影響で結果を残しやすいのか
高卒投手の起用はかなり早い反面、
伊藤準、若松駿太、濱田達、西川など
少し一軍で期待を持たせたと思うと
すぐに不調や故障でつぶれていった選手が多すぎる。
小笠原の復活は僥倖とみるべきだろう。
清水、山本もいささか危なっかしく見えるし、
見方を変えると
高卒投手の故障者の多さが
投げられる投手の人数を圧迫し
野手の人数にも悪影響を与えているともとれるのだ。
現有の若手育成と
戦力の純粋な底上げを可能にするためにも
徹底した即戦力の獲得は不可欠だ。

*1:.931。2011年二軍での堂林翔太も.931

*2:エラーが極端に多いと、たとえ守備範囲が広くても投手陣や首脳陣からの信頼は得にくい。