スポーツのあなぐら

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Jリーグ秋春制論者が「言わなければならない」こと

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夏or冬

近年のJリーグでは
春秋制から秋春制へ移行の声が再び強くなっている。
この秋春制論者の主張では
夏の暑さに対する懸念が
理由にあげられることが多かった
このブログでは野球の視点から
夏の暑さと雨量について既に取り上げているが、
逆に日本の冬についてはどうなっているだろうか。
ちょっと見てみよう。

寒さ

先に結論から言ってしまうと、
寒さについては日本より欧米の方が寒い。
ヨーロッパの都市と
屋外スタジアムのNFLの都市をいくつか見てみよう。
今回も欧米の数字はWeatherbaseを、
日本の数字は気象庁を参照している。
なおアメリカでNFLを参考にしているのは
MLS春秋制リーグだからだ。

各地気温

体感温度は「改」が改良ミスナール(1972年)、
「ミ」がミスナール(1937年)。
ここでは最も寒い月を載せているが
ほとんどの都市では1月になった。
欧米は最高気温0℃前後のところが結構あり、
風も強いため体感温度はさらに下がる都市が多い。
なので単純な寒さの比較で考えた場合、
「寒いから」が秋春制反対の理由になる地域は少ないようだ。
もっともプロ野球だと
春先の仙台でのデーゲームにしないといけないのを踏まえると、
欧米人に比べて日本人が寒さに弱い可能性は考慮しないといけない。

また本当に快適な観戦をしたいのであればさらに話は変わる。
基準となるのはサッカーではなく
NFLスーパーボウル

スーパーボウル気温

スーパーボウル」は風速3.5m/sと仮定している。
スーパーボウルは屋外で行われる場合、
ほとんどの開催地が最高気温20℃超。
基本的には華氏50度以上、摂氏で10度以上だそうだが、
おそらく実際に試合が行われる
午後5時から7、8時前後の気温を指すのだろう。
なおニューヨークは一度限りの例外になる可能性が高い*1
この基準にそって考えると、
さすがの日本もアウト判定の地域が多くなる。

日本は寒さに関して言えば
「寒さに耐えながら観戦するには欧米よりはまし」が
結論になるだろうか。
ただしいくらか快適な観戦が可能なのは
九州の一部と沖縄、静岡ぐらいだし、
リーグ最終戦や開幕戦といった特別な試合ではない普段の試合で
12~2月の寒い中
観客が多く入るかは未知数だ。

 

降雪量

NFLから読み解く降雪量の基準

降雪に関して考えないといけないのは
「どの程度の降雪量なら天然芝を維持できるか」。
現在のJリーグでは人工芝5%以下のハイブリッド芝は可だが
完全人工芝は認められていない。
しかも日本だと人工芝はおろか
ハイブリッド芝も蛇蝎のごとく嫌われている*2
これについては
天然芝と人工芝が混在しているNFLを参考にしよう。

NFL降雪量

実のところ、
weatherbaseにはヨーロッパの降雪量がほとんど載っておらず
ヨーロッパの具体的な数字を出すことはできない。
ただドイツ主要都市の中で豪雪と言われるミュンヘンは、
姉妹都市の札幌によると年間100cm程度だそうだ。
アメリカの豪雪地帯に比べればそこまででもなく、
多い月でも3~40cmぐらいか。
これらを総合すると、
天然芝が育つ限界点は
クリーブランドバッファロー
月間50~65cmの間と考えられる。

まあそうだよね

日本については
1月、2月と年間降雪量を調べてみよう。

Jリーグ降雪量

えらいことになった。
欧米とは文字通り
(1ヶ月、2ヶ月単位の)桁が違うようだ。
北海道と仙台以外の東北に加えて
日本海側は本州のほぼ全域が全滅である。
東北の中では雪が極端に少ない仙台が発達したのもうなずける。
また同じ県でも、
たとえば長野だと松本市長野市ではかなりの違いがある。
松本山雅ができたから長野パルセイロもできる
とはならないようだ。
青森でJ3チームが青森や弘前じゃなく八戸にあり、
青森市陸上競技場に屋根をつけられないのもこの雪が原因だろう。
最近は雪が極端に少ない年もあるが
他の年は今まで通りかそれ以上降ることも多いので、
降雪の懸念はさほど減ってはいない。
「今年降ってないから」はただの無茶ぶりだ。

 

秋春制」論者の「ウィンターブレイク」の怪

秋春制」ならウィンターブレイクは不可欠なはずだが

以上の点から、
日本では冬にサッカーはできないと断言できる。
シーズンオフ、ウィンターブレイクどちらの形であるにせよ、
冬に観客向けの試合をやるのは到底無理だ。
天皇杯高校サッカーなどは
よくあんな寒い時期にやるなと思うが、
これは雪の多い北国で開催しないことと、
高校野球などと同じで
あくまでJリーグ発足前のアマチュア向け、
観客が見ることを前提としてないがためにできると考えられる。
スポーツビジネスであり
エンターテイメントであるJリーグ
同じ条件をつきつけてはいけないのだ。
秋春制にするにしても
ブンデスリーガと同じ1ヶ月程度のブレイクでは無理。
最低でも現在のJリーグシーズンオフと同じ
2ヶ月半は必要不可欠となる。

ところで2022年シーズンは
W杯が11月開催ということで
Jリーグの開幕が例年より早い2月中旬だったうえに
雪がかなり多い年になったため、
かなり厚い雪の中での試合を余儀なくされる地域が
続出した。
そんな中、秋春制論者には
この事態を
春秋制のせい」
秋春制のウィンターブレイクならこうはならなかった」
と断じる

春秋制秋春制は日程が同じ」と言い切る人が
少なくない。
他には
「WEリーグが休養できてるからJリーグだってできる」
という主張も見られる。

 

我慢と忍耐と欺瞞に満ちた日程

まず
「2022年開幕時に雪で苦労したのは春秋制のせい」は
絶対にありえない。
なぜなら2022年は
ウィンターブレイクありのヨーロッパの秋春制リーグでも
年明けの再開がJリーグと同じく数週間早まっている
からである。
この点で春秋制秋春制の差は一切なく、
秋春制だったとしても
ウィンターブレイク明けに全く同じ事態が起こるわけだ。

次にWEリーグだが
なぜWEリーグが長期のウィンターブレイクをとれるのか。
唯一の理由はチーム数が少ないからである。
WEリーグは
J1よりもはるかに少ない11チーム、
ホーム&アウェイでも20試合しかない。
リーグ戦に費やす期間が5ヶ月程度だからこそ
長い休止期間をとれるのであって、
基本18チーム34試合の構成であるJ1で
こんな長いブレイク期間を設けるのは不可能なのだ。

そして
春秋制秋春制は日程が同じ」という主張だが、
現在の日程のまま秋春制にすると
夏のシーズンオフ期間がほぼないまま
次のシーズンに突入することになる

これは少し考えれば当たり前の話で、
2022年Jリーグのシーズンオフ期間は
1~2月7週+11~12月8週の計15週。
一方J1の試合数は34。
加えて日本代表戦や
台風、雪などによる中止試合の代替などに用いる
予備期間が3、4週は欲しい。
つまりこの時点で
2022年の計53週は
既に使い切ってしまっている
のである。
実際、2022年のシーズン中に
リーグ戦が行われない週は5、6週あったが
連続した休止期間は2週だけ。
土曜に加えて水曜の週2回試合がある週もあるため、
猶予期間はやはり多く見積もっても3、4週程度になる。
翌シーズンの参加チームが
開幕直前にならないと決まらないのは
リーグ、各チームにとっても死活問題だろう。

さてこの最後の主張、
もう一つ非常におかしな点にお気づきだろうか。
彼らの主張と実際の体感温度とを考えれば
夏のシーズンオフには
最低でも7~9月半ばまでが必要。
さらに彼らは
梅雨や台風などで試合開催が難しくなった場合も
毎回春秋制のせいにしてくる。

日程A・B

これらを考慮すると
シーズンオフは
6~9月が最低条件(日程A)になるはず。
それなのに
秋春制論者が
「猛暑の試合で選手がかわいそうだ」と
主張している期間に対して
シーズンオフ期間が全く足りていない
のである。
逆にこちらのオフシーズンをしっかりとるのであれば
実際に日本の降雪状況に合わせた
ウィンターブレイクをとる余裕は全くなくなり、
豪雪地帯のチームは
ホーム開催をなくしたとしても
最低8~10試合、約3ヶ月にわたる「死のアウェイ」を
余儀なくされることになる(日程B)。
つまり
この点を踏まえると
彼らにとっては
秋春制にすることが全て」であって、
「猛暑でかわいそう」
「寒い時期や雪の中で試合はさせるつもりはない」
などといった彼らの主張は
全て秋春制のための方便にすぎないとわかるのである。
春秋制下では許せないが
秋春制下では全て我慢しろということか。

 

秋春制のための「改革案」

単純に秋春制を採用すると起こること

さて今見たように、
秋春制にした場合はどこに転んでも
地獄のようなJリーグが幕を開けることになる。
まず休止期間を増やそうとすれば
昔のように水曜日も毎週試合を行わなければならない。(日程C)。

日程C

リーグ戦が過密日程になれば
選手の負担が非常に大きくなるし、
基本的に平日夜は土日に比べて観客は入らない。
これは平日開催が多かった2018年の統計を見れば明らかで
平日は土日祝日の平均66%程度、
チームによっては半数弱まで落ち込むと出ている。

別な方法としては
現行のままブレイク期間を設けない選択もある。
この場合は
猛暑の真夏の夜に試合を行うのと
大雪も積もっている真冬の昼に試合を行うのと
どちらがましか
で判断するしかない。
そして現在の日本は
真夏は一応試合ができるが
真冬は天然芝が育たず除雪も厳しいため、
試合そのものがまだ可能な夏にリーグ戦を行っている

と解釈することができる。
これは
秋春制が基本のヨーロッパ*3でも同じこと。
こちらで簡単に検証した限りでは、
ウィンターブレイクの期間は
各国の最大降雪量に比例し、
あまりにウィンターブレイクが長すぎるリーグは
春秋制になる

という原則がある。
日本で暑さ対策を重視して
ウィンターブレイクを設けないのであれば
ドームや人工芝を認め、
雪が降らない地域でも寒さ対策の大幅強化が必須。
当然その費用は
各チームの自助努力に任せることなく
かなりの金額をリーグ側が補填することが
求められる。

 

何とか試合数を減らす方法

次に
秋春制推進論者も嫌がるであろう手段。
試合数をとにかく減らすため
ホーム&アウェー制を部分的に廃止することである。
参考にするのはNFL
NFLはチーム数が32に対して
2021年シーズンの試合数が17しかない。
NFLは16チームずつのカンファレンスと
4チームずつのディビジョンに分かれているため、
ホーム&アウェーは同ディビジョン内でのみ実施され
あとは数年周期で
別ディビジョン、別カンファレンスのチームとの
対戦が組まれる。
このような原則を
Jリーグの形態に落とし込み、
試合数を大幅に減らしたうえで
1試合あたりの価値を高めていこうということだ。

しかし
ホーム&アウェー制撤廃そのものへの反発もさることながら、
このやり方は大きな問題がある。
今書いた「周期」から想像できることだが
これはアメリカ式の閉鎖型リーグだからこそ容易なのであって、
Jリーグのように
昇降格があり毎年チームが入れ替わり
場合によってはディビジョンの所属チームも変わる
開放型リーグでは
問題点のほうがはるかに大きくなる*4
この方法で
1試合あたりの価値が本当に高まるかどうかも
かなり疑問だ。

 

夏も冬も試合をしない代償

一応ではあるが
秋春制論者の「選手がかわいそう」が
全くの欺瞞ではない改革案が一つだけある。
1リーグのチーム数を
WEリーグ並に減らす
ことだ。
つまりJ1のチーム数を
10~12チームまで削減し、
年間試合数をホーム&アウェイの18~22試合とする。(日程D)。

日程D

そうすれば
リーグ戦の期間を5~6ヶ月に絞ることができ、
夏場のシーズンオフと長期のウィンターブレイクとの
両方をとることが可能になるというわけである。

非常に大きな難点は二つ。
まず単純に試合数が大幅に減ること。
試合数の大幅な減少は
チームの大幅な減収を意味する。
またこれらの人たちは
ルヴァンカップのようなリーグ戦以外の試合も
嫌う人が多いから
これらの廃止も検討しなければならないだろう。
こちらはリーグ側の減収につながる。

そしてもう一つが
J2以下への強制降格チームが大量発生すること。

12チームver.

当然ながら
シーズンオフとウィンターブレイクは
下部リーグにも必要不可欠なものであるから、
J1だけじゃなくJ2、J3
J1と同じぐらいのチーム数にしなければならない。
J1とJ2を各12チームとすると
J2降格は6チーム、
J2からは6チームのみが残留し
J3降格は16チームにのぼる*5
各リーグのチーム数を
この案で想定される最大限に拡大しても
これだけの
強制降格チームが出現するのである。
J3の下にJ4を作ったとしても
J3が全てJ4に下がるだけだ。
そしてこの憂き目にあった全てのチームが
観客動員の大幅減を余儀なくされることになる。
少ないところでも15~20%、
多いところでは30%以上の減少*6が想定される。

 

秋春制の「メリット」とは

サッカーは門外漢だから正確なことは言えないけども、
考えられる秋春制のメリットはこんなところだろうか。

  • 夏の暑い時期に試合をしなくて済む
  • 秋春制に移行するACLと時期を合わせられる
  • 夏場にスタジアムをコンサートなどに使える
  • ヨーロッパとの移籍がしやすくなる

 

ACL秋春制の関係性

最初の夏の試合については
ここまでさんざん検証したので省くとしよう。
二番目のACL
ACLはなぜ秋春制に移行できるのか」を
考えなければならない。
答えは簡単。
今年W杯が行われるカタールのように
夏のほうがかなり厳しい地域が多い代わりに
雪がほとんど降らず冬に試合ができるからである。
試合不可能になるほどの大雪が広範囲に降るのは
日本しかない。
私が
「秋春制を推すなら北京オリンピックを見ろ」
言ったのはこれも理由の一つだ。
アジアの中で
スキー系競技に関しては
日本が圧倒的に強くなかっただろうか。
日本以上に
メダル獲得による国威発揚に熱心で
最近冬季オリンピックを自国開催した
中国や韓国ですら
雪の上での競技はなかなか強化できないのだ。
裏を返せばこの強さも
雪に関する日本という国の特殊性を
示していると言っていいと思う。

日本のスポーツファンの気質

三番目は
「サッカー専用スタジアムで何させる」と
怒り出す人もいると思う。
だがたとえばイギリスだと
1990年代以降に建設、改修された
比較的新しい「サッカー専用スタジアム」は
そのほとんどがラグビーなどと兼用(≒球技専用)か、
コンサートなど多目的にも使われている。
真冬に外でコンサートはまずやらないだろうから、
これも秋春制の利点にはなりうるというわけだ。
もっともアメリカでは
MLBの屋外総天然芝球場でも
シーズン中にライブコンサートが行われている
ので、
そこまで大きな利点ではないかもしれない。
そもそも日本だと
チームがスタジアム運営に関わっていない場合が多いし
騒音問題もある。
何より日本では
サンガスタジアムなどの登場で
「多目的使用可能な球技専用スタジアム」への理解が
少しずつ高まってきてはいるが、
陸上競技場への反発や
埼玉スタジアムのように
「サッカー専用使用が世界の趨勢」と喧伝されてきた*7こともあってか、
「サッカー専用至上主義」とでも言うべき主張が
日本のサッカーファンにはかなり根強いのが実情だ。
もっとも
今ここでは「サッカーファン」と書いたが
日本では野球など他のスポーツでも
「専用スタジアムの専用使用」絶対の風潮が非常に強い。

 

移籍する選手はどこからどこへ行くのか

残るは移籍問題である。
しかし先ほど見たように、
秋春制にすると
J1に残留できても試合数が大幅に減るか
寒い真冬の試合や平日の試合が増える。
どの選択肢を採用しても
各チームの大幅な減収が予想される
わけだ。
その状況で果たしてそれなりの外国人選手と契約する金を出せるのか。
資金不足もあって
海外へ早々に移籍する日本人選手は増えても、
逆に日本に来る外国人選手がほとんどいないでは
リーグ、チームにとって何のメリットがあるのだろう。
いやむしろ
各チームの経営を苦しくして
少し活躍した選手をヨーロッパへ追い出すのが
真の狙いなのかとすら思えてくる。
まだ安くて若い選手を短期間で育成しては早々に送り出すこと、
つまりは秋春制リーグへの選手供給リーグ*8として
生き残る道を選べということなのか。

これに対する反論として考えられるのが
「プレミア化」だろう。
しかしプレミア化するのなら
今までのJ1チームが
プレーのレベルではなく経営レベル
プレミアリーグチームに進化し、
J1残留組とJ2からの昇格組による新J1チームが
最低でも現在のJ1レベルにならなければならない。
プレミアリーグに入ったチームが結局現J1レベルのまま、
名目上の新J1が実質的なJ2に下がってしまっては
何の意味もないのである。
リーグのチーム数次第では
新J1に昇格できなかった
新J2以下のチームには何の恩恵もなく
秋春制移行のリスクだけを負うことになるのも
きついところだ。

もちろん
Jリーグやサッカー協会は
真のプレミア化を目指すつもりかもしれない。
2021年に一部でアドバルーンが上げられた
ホームタウン制の部分的な緩和も
そのための方策の一つと考えられる。
だがスポンサーやファンはどうか。
トップリーグにいるか
いつでも昇格可能なチームなら支援するが
その可能性が遠のくならメリットがないから撤退する、
そんな企業が増えることはあっても
ずっと支援し続けるスポンサーが増えることは
まず考えられない。
非常に熱心なサポーターではないファンも
同様だろう。
また
プレミア化やホームタウン制等の報道への主な反応を見ると、
秋春制春秋制に関係なく
日本のサッカーファンひいてはスポーツファンには
「プロであってもサッカークラブが
大きな利益をあげようとするな」
「金のために試合をするなんて許せない」
という意識が非常に強い*9ことがわかる。

こうした点を考えると
秋春制によって
Jリーグの様々なレベルをアップさせようとする方策も
ただの絵に描いた餅で終わり、
全てにおいてレベルが下がる可能性が極めて高い。
ましてや
秋春制移行に対するデメリット対策を
全て「自助努力」と「自己責任」で片づける人が圧倒的に多い
外部の秋春制推進論者の主張通りになれば
なおさらだろう。

 

まずは腹を割って話そう

以上のことから、
秋春制論者が口にしなければならない
「本音」を代弁するとこうなる。
「俺は秋春制にして
日本人選手をヨーロッパに移籍させたいんだ。
日本代表が海外組になりさえなれば
たかがマイナーリーグの経営が成り立たなくなろうが
代表候補にもなれない選手が路頭に迷おうが
全て自己責任。
自助努力で何とかしろ。
いいからだまって俺様の言うことに従え」

しばしば秋春制アドバルーンをあげるサッカー協会*10
さすがにこんなことは言えないし
各チームへの負担の大きさも
自らの負担の大きさもわかっているから強行しないのだろうが、
そんなことを気にしなくていい外部の論者は
建前じゃなくこの本音をぶつけることから
始めればいいんじゃないかな。

*1:寒冷地での開催はドームが前提

*2:ブンデスリーガだとあまり採用されていないが、プレミアリーグはほとんどのスタジアムがハイブリッド芝。ヨーロッパでも国やリーグによって大きな差があるようだ。

*3:そもそもヨーロッパは学校やサマーバカンスなどからわかるように、生活の基本構造そのものが秋春制になっていることも考慮しなければならない

*4:Bリーグは試合数がサッカーよりかなり多い

*5:つまり残り全チーム

*6:J2に降格した2018年のアルビレックス新潟は22,040人から14,913人へ、平均7,127人減少した。元々動員数の多いチームは同じ比率でも単純な人数でかなりの影響が出るだろう

*7:先述のイギリスでは1990年代から多目的化を加速させていたのだから、90~2000年代に広まったこの主張は意図的なでたらめということになる

*8:もちろん春秋制リーグを相手にした場合はこのメリットは消える

*9:サッカーと書いたがこれまた他のスポーツも似たり寄ったりである。野球なら16球団構想の賛同者などは特にこの傾向がある

*10:おそらくは代表戦と、そこそこの数存在するJリーグは見ないが日本代表の結果にだけ興味があるファンに関心が向くためにこういう発想になりがちなのだろう