※年代表では、大学生を一律22歳、高校生を一律18歳としてある。
早生まれの選手等を考慮していないので
間違いがあってもご容赦いただきたい。
※10/20、西武・中日の投手年代表の誤りを修正
1位入札
佐々木はパリーグだけが4球団、
奥川にはセリーグだけが3球団という珍しい入札になった。
そして石川だけがセパ対決での3球団。
制したのがここ2年間で最も抽選に勝っている球団とはわかりやすい。
外れ1位は今年かなりの異変が起こり、
23歳以上の社会人投手が1位指名されたのは2014年以来5年ぶり、
社会人野手が1位で2人指名されたのは2009年以来10年ぶりだった。
東京ヤクルト
1位入札の連敗が9でやっと止まったヤクルト。
相手が最近ヤクルト以上にくじ運の悪い
阪神と巨人なのが良かったんだろうか。
まあそれでも4年前のリベンジは果たせたと言ったところ。
2位以下はまず大学生右投手を3人、
その後に高校生ショート2人の獲得で終了した。
全体的に三振をとっている選手をかき集めた印象だが、
去年まであまり投げていなかったり、
逆に今年にかけてややイニング数が減ったりした選手といるので、
1年目からの無理なイニング増加はやはり避けたいところだ。
ショート2人はこのうちどちらをショート、
もう1人をセカンドかサードで使うことになるだろうか。
案外最終的にはセンターでの起用も視野に入っているかもしれない。
オリックス
三軍を本格始動させるための布石なのか、
育成選手を大量8人も指名してきた。
そして投手はやはり育成に相当な自信を持ち始めたようで、
高校生2人にやや四球の多い村西を獲ってきた。
育成枠も素材偏重といっていい指名で、
外れ1位で河野を外したとはいえ
ちょっと極端な指名になっている。
野手のほうは紅林に勝俣でやはり長打力を意識した形。
二軍の内野は最近の高校生乱獲で空いてないが、
どうやって振り分けるか。
育成の外野3人はちょうどレフト、ライト、センターを
指名したことになる。
中日
石川の獲得で、石垣はやや危なくなってきたかもしれない。
先に切られそうな選手は他にもいるので
戦力外が近いということではないが。
ところでセンバツの時から思っていたのだが、
石川はサードじゃなく運動量の多い外野、
それもセンターかライトはだめなのだろうか。
身体能力がそこそこ高く肩も強いはずなので、
高橋の後継だけじゃなく平田や大島の後継候補としても育成して
起用の幅を広げておきたい選手だと思うのだが。
もっとも石垣にも同じことは言えるけども。
投手は大学生と社会人を1人ずつ獲ってきたが、
三振と四死球のバランスがいまいちかみ合わない橋本と
三振率の低い岡野なので
一軍即戦力かどうかはやや疑問も残る。
高校生2人も含めて素材寄りと考えたほうがいいかもしれない。
北海道日本ハム
くじ運が強いことで知られている日本ハムだが、
実は外れ1位の抽選を当てたのは初めてだった。
社会人投手3人を指名してきたものの、
今年活躍したのは外れ1位競合の河野だけなので、
それ以外は故障明けでほとんど登板できなかった鈴木も含めて
来年からの即戦力とは考えない方がいいし、
チームもそこまで一軍即戦力を期待しているかは疑問だ。
野手は補強ポイント通りのポジションと年齢を押さえてきた感はある。
全体的にかなり守備・走力寄りなのは引っかかるけども。
バッティング型となると育成の樋口になるが、
なんだかポジション年齢共に森本とかぶっているのは気のせいか。
いや身長は正反対だけどね。
広島東洋
公言した森下は結局単独指名に成功し、
その後は身体能力の高い宇草と今年打撃の調子がいい石原貴。
それ以外の支配下が高校生という指名になった。
宇草はセンターではないのだが、
現状だとセンターでの育成も視野に入るだろう。
ここで韮澤を獲ってきたということは、
小園は一軍に置いて二軍の空きを作ると解釈すべきなのか。
森下以外の投手に高校生2人は不安材料ではあるものの、
完成度が極端に低いわけではないので、
うまくはまれば一軍デビューは早いかもしれない。
千葉ロッテ
おそらく全12チームで最もくじ運がいいロッテ。
今年もその強運をいかんなく発揮し佐々木を獲得した。
ただ、とても足りているようには見えない投手は
結局即戦力の指名無し。
佐々木はどういう使われ方をしていくだろうか。
大学生3人が指名された野手は、
年代表の穴をがっつり埋めに行く指名になった。
福田の獲得で内野、特に二遊間をどう動かしていくか注目される。
高部は去年に比べて調子を落としているが、
二軍で使おうとすると藤原と山口でポジションが足りない。
一軍の代走・守備要員を兼ねることになるかもしれない。
阪神
抽選を外した奥川を含めて
上から高校生の有名選手ばかりを並べた阪神。
ファンや評論家うけは最高だと思うが、
5年後というよりは10年後に期待したい指名になった。
育成で大学生外野手2人を獲ってきたあたり、
さすがにやりすぎて目の前を見失っていた自覚はあったのかもしれない。
即戦力に近いのはやはり西か。
及川も今年に入ってからはそこまで使い減らされていないはずだから、
最近の阪神の流れに沿って早くに出てくる可能性もないとは言えない。
ともかくよほどの長期政権にならない限りは、
矢野監督の間に彼らの芽が出ることは期待しない方がいい。
ファンや評論家は意味もなく焦らないことだ。
東北楽天
外れ1位の小深田はバッティングが近本並の評価とも言われているが、
近本のように社会人の中でまだ結果を残せているわけではないので、
まずはショート守備でアピールしたい。
それ以外の野手は支配下・育成ともにほぼ高校生なので、
野手陣はしばらく現有戦力の底上げで乗り切ることになりそうだ。
育成の山崎は長打はあまり打ってないが
OPSはBig Westの平均をやや上回っている。
投手指名はかなり変則的で、
瀧中以外はあまりイニング数を投げていない選手を並べてきた。
かつて獲り続けた高校生エースが故障がちで伸び悩んでいることの
反動だろうか。
横浜DeNA
たしかに地元枠の上位候補というと森がいるのはわかっていたが、
まさか本当に最初から狙うとは思わなかった。
くじ運の悪さは頭を使ってカバーするということか。
ただ、今後は長打力も磨かれないと
正ショートとしても1位入札としてももったいなく思えてしまうので、
身体能力が全てに生かされた成長を期待したい。
高校生3人で捕手と内野が次世代に間に合うかは正直疑問だが、
来年もう少し上の年代の選手を獲れるなら
その点にも一定の目途がついてくるだろう。
蝦名を獲った外野はそもそも支配下選手の数が少なかった。
大学生投手2人は来年の即戦力というには
即刻改造できないとさすがに無理がある印象だ。
ただ今の先発左腕の充実はある程度それができた結果でもあるから、
改造成功を期待をすることになるか。
福岡ソフトバンク
去年即戦力投手偏重の指名をしたホークスが、
今年は石川の抽選を外した後大学・社会人野手中心の指名をしてきた。
本指名での社会人野手指名は本多雄一以来14年ぶりである。
佐藤は現状ライトが主でたまにセンターだが、
上林とセンター・ライトをそれぞれ守ることができるようになるか。
都市対抗以降三振の山を築いているのでまずはスタミナが課題。
小林は野手の時もレフトで内野ではポジションがわからないため
暫定的にショートにしてある。
柳町は外野指名だが、野村の守備評価がかなり低いとも聞くので、
松田宣の後継候補としての起用もありそうだ。
本指名唯一の投手津森は大学でもリリーフ中心なので、
来年リリーフで投げまくったとしても監督が浅はかなわけではないぞ。
また今年のホークスは育成指名もかなり面白いことになっていて、
大量指名した高校生野手のポジションがものの見事に分かれている。
これだけ見るとうまい指名と絶賛されるだろうが、
社会人で同じ手法をとったのが2014年中日と書くと
果たしてどういう感想になるやら。
高校生だから関係なく絶賛されるか。
読売
4年連続で外れ外れ1位を指名することになった巨人。
外れ指名宮川はずっと噂されていたので、
くじ運の悪さを突かれて西武に特攻されたように見える。
そして宮川を獲られるや今年も素材偏重指名を敢行してきた。
唯一の社会人太田も3年間四球病に苦しんでいるが、
早くに何とかできるだろうか。
まあ高橋が今のところ何とかなっているから自信はあるんだろうな。
本指名では高校生を乱獲した一方で、
育成で足の速い準即戦力狙いはちょっと笑ってしまった。
増田大で味をしめたところもあるんだろうか。
育成指名の少なさは激怒する評論家もいそうだが、
ここ最近は高校生ばかり獲得してまだ戦力外にできる段階ではないので
当然の選択と言える。
埼玉西武
投手中心と公言していた通り上位は投手中心、
その一方で野手の補強ポイントもしっかり確保してきた。
投手上位2人は何をしたいのかよくわかる指名なのだが、
3位以下は明らかに平良、伊藤で自信を持ってしまった指名。
制球力や故障などの不安材料も多いが大丈夫かな。
最高球速が低めの選手が多いのもちょっと不安ではある。
このあたりは今後一気に進めるだろうファーム設備の充実に期待か。
野手は最初に書いたように下位指名ばかりにしてはポイントが完璧。
秋山の代替は上位候補にもいないからこれは仕方ない。
最近ショートに入ることの多い岸は外野一本なのか、
それとも内外野のユーティリティとして考えているのか。