スポーツのあなぐら

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2020年読売ドラフト補強ポイント

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※成績、内容は8月30日終了時点。その後のトレードは加味していない

 

戦力分析

35-21-3① 283①-201①

野手

平均得点4.80① RC285① SLG.430① OBP.333① OPS.764① wOBA.332① SB37③

2020巨人野手年代表

打線は昨年以上の層の厚さが一番の強みだ。
誰かが不調でも別な選手が出てくる。
序盤に不調で「若手に替えろ」と叩かれていた
坂本と丸などは我慢している間に復調する。
ベテランの中島やトレード加入のウィーラーも好調。
昨年からの新戦力としては北村と松原*1が出てきた。

2020巨人野手二軍

この厚い層を支えているのは25~27歳の、
人によっては「高齢」「ロートル」呼ばわりしてくる
大卒、社会人出身の中堅選手。
大半が指名直後に批判の噴出した
2015~17年指名の選手たちだ。
それも昨年までに二軍卒業レベルに達し
なおかつ今年も調子が悪くない選手の起用が多い。
「育成」「育成の巨人」というと
FAやベテランは一切とらず
ドラフトでは高校生を大量指名し
高卒と育成枠出身の選手を早々に一軍の聖域にする
ことだ」
と思い込んでいる人は
当事者も含めて非常に多いのだが、
大卒や社会人を指名し
適当な実力を身に着けてから
一軍の適切な場面で使うことも
立派な育成なのである。

昨年二軍卒業レベルに達した選手の中で
唯一一軍戦力になったことがないのは2年目の山下。
怪我からはとりあえず復帰したが
まだ調子が悪く現在は三軍での調整になっている。
どれだけ有望な若手でも何が起こるかわからない。
山下はこの事実を改めて我々に思い知らせてくれた。
開幕直前にかなり騒がれた湯浅は
去年より成長しているもののまだ二軍卒業には遠い。
これなら増田大や吉川尚らのほうが優先順位ははるかに上である。

 

投手

ERA3.37① WHIP1.20① FIP3.95⑤ K/BB:2.26③ K-BB:11.3%③ BABIP.264

2020巨人投手年代表

非常に失点の少ない巨人の投手陣だが、
投手成績は意外とよくない。
スタッツを見る限りでは
三振率がやや低く一発も少なくないものの
打たせて取るピッチングと被安打の少なさで失点を抑えている。
早めの継投が目立つのも
8月の時点で10試合以上投げたリリーフが12人もいるのも
防御率に対して投手陣全体に不安点が多いのが理由だろう。
二軍での最多イニングが5回だった直江で
ホクホクしている余裕などなかったのだ。
この年代表作成後にトレードされた澤村は
一軍だとランナーを出しつつ時々失点するぐらいだったのが
二軍へ下がった途端にやたらと四球を連発する
とんでもない崩れ方をしてしまっていた。
新天地では心機一転、復調しているようだが
何があったんだろうか。

 

補強ポイント

「育成」に走りすぎた弊害

15年以降の野手大量指名には弊害もある。
15~17年で獲得した野手計24人のうち
現在もチームにいるのはなんと19人*2
加えて18~19年は高校生7人を含む計9人を獲得した。
在籍数の大半をこの5年間でまかなったわけだが、
特にここ2年間高校生を大量指名したことで
若手が三軍の枠に収まりきらなくなり、
準一軍選手と二軍レベルで鍛えるべき選手の枠を
圧迫してしまっているのだ。
山下のように
最初から三軍レベルを突破していての二軍起用ならいいが、
今年は高卒ルーキーの3人や
昨年三軍で.565止まりだった増田陸が
早くも二軍で出場せざるをえなくなっていて、
みな苦戦を強いられている。
これだと二軍で鍛えるには早すぎる選手を育てる
三軍の意味が薄くなってしまう。

もう一つは
15~17年の大社偏重指名と18~19年の高校生偏重指名で
年代表に強烈な断層が作られている点。
巨人の補強ポイントは
この断層を穴埋め、あるいは入れ替えになる。
1位有力とされている近畿大の佐藤輝明は
この点と合致しているのだ。
もっとも1位抽選9連敗中、
3チーム以上の1位抽選13連敗中の
巨人が公言したところで
佐藤を狙っているチームはここぞとばかりに入札するだろうから、
外れ指名以降でどう選手を確保していくかがより大事になる。
外野以外のポジションでは
坂本の後継候補が
増田大、吉川尚らの年代から一気に湯浅まで飛んでしまうショート。
岡本に何かあった時に
二軍以上が育成のウレーニャしかいないサードも問題だが
二軍・三軍の空き枠を考慮すると後回しになるか。

巨人の投手指名の弱点は
最近育成が褒め称えられている戸郷、大江、直江らの裏返しでもある。
大卒・社会人の即戦力の指名が非常に苦手なのだ。
年代表の一軍枠18人のうち
大社出身の生え抜きが
菅野、桜井、澤村、高木、中川の5人しかいないのは
ちょっと異様である。
完成度が低めの素材重視の指名がかなり多く、
出てくるまで高卒と同じくらい時間のかかる選手や
逆に早い段階で使えたとしても
すぐ壁にぶつかってしまう選手が目立っていた。
また去年期待されていた高卒勢でも
古川や楽天に行った高田萌生は
今年明らかに調子を崩している。
戸郷、大江や直江、堀岡、沼田を見て
「やっぱり大卒と社会人はあてにならん。高卒最高!」
などと浮かれている場合ではないのだ。
今年の指名に関しては
支配下で戦力外になりそうな選手があまり多くないので
支配下よりも育成枠の入れ替えが中心になるだろうか。

*1:また岸田がこの時点の一軍で19試合

*2:戦力外4人、トレード1人。高校生4人は全員在籍