スポーツのあなぐら

主に野球のデータ、ドラフトについて書いていくブログ。更新頻度は気まぐれ

プロ野球における「ドラ1」の先発比率

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ドラフト1位指名で占められていた先発投手

先日twitter上で、
6月19日時点でのドラゴンズの先発投手が
全てドラフト1位指名で占められていることが指摘され
話題となった。
交流戦終了後に外国人選手の先発が示唆されており
この記録は途切れることになるようだが、
ここでは
各チームの先発のうち
ドラフト1位指名選手がどのくらいの比率になっているのか、
2020年以降の4年間について
見ていこうと思う。
2023年は交流戦日程終了時点のもの。
また対象となる2020年の10年前にあたる
2010年以降に指名された投手の一覧も載せているので、
こちらも参考*1にしてほしい。

ただし先におことわりしておくが、
このデータはあくまで
「どのチームの先発にどのような指名順位の傾向があるか」を
示しているにすぎず、
「このチームはドラフト1位が多いから優秀だ」
「1位指名が少ないからドラフトが下手」
「下位指名が多いから育成上手」などといった
各チームの優劣をはかれるものではない
ことを
認識したうえで読んでいただきたい。

 

各チーム先発のドラフト順位

オリックス:2023年1位先発率73.8%

Bs

BsP

山崎福、山岡、田嶋の3人がいるため
もともと1位指名の先発投手が多いチームだったが、
2021年から宮城、今年は山下も加わったため
先発の1位指名率がさらに増えた。
山﨑颯とワゲスパックがリリーフへ回り
増井や下位・育成指名から試されていた選手が
軒並みチームを離れたのも
1位選手率を増やす要因となっている。

 

福岡ソフトバンク:2023年1位先発率37.7%

H

HP

育成枠出身と外国人選手の比率がかなり高いチームだが、
東浜と和田がいるので
1位指名選手の先発もそこそこある。
今年は千賀が抜けて
外国人選手もいまいちな一方で
藤井が台頭したため
1位選手の比率はさほど増えていない。
武田と有原航平の出番が増えるともう少し増えそうだ。

 

埼玉西武:2023年1位先発率60.9%

L

LP

高橋、今井、松本、隅田と
ローテーションに1位指名選手が多く
比率は毎年50%を超えている。
平井や與座、
今年から先発に回った平良など
下位指名選手も健闘しているが、
2位指名の浜屋、渡邉の伸び悩みも
目立つ表になっている。

 

東北楽天:2023年1位先発率66.1%

E

EP

則本が2位指名で
瀧中、辛島の6位指名2人もいい働きをしているので
オリックスほど高くはならないが、
それでも毎年ローテの半分以上は
1位指名選手で埋まっている。
また外国人選手の先発がここ4年間一度もない。
外国人投手は宋家豪、ブセニッツなど
リリーフ要員が中心で、
今年加入したバニュエロスと育成枠の王彦程以外は
二軍で先発する選手もいなかった。

 

千葉ロッテ:2023年1位先発率15.0%

M

MP

石川と佐々木朗以外では
1位指名選手の先発が少なかったうえに
今年は石川が出ていないのでさらに比率が下がった。
そもそも2010年以降だと投手の1位指名数が
12球団で最も少ないチームである。
小島と美馬、今はリリーフに回っている岩下の比重が高い。
6位指名の二木と種市もいい働きをするのだが、
怪我が多くどちらか一方しか出られない年が続いている。

 

北海道日本ハム:2023年1位先発率27.3%

F

FP

有原がチームを離れた直後に伊藤が加入したものの、
杉浦と河野がリリーフに入ることが多くなったので
1位指名選手の比率はかなり下がった。
上沢と加藤の安定感が目立つ一方で
外国人選手がしっくりこなくなっている。
今年に関しては今のところ
鈴木と北山でカバーできているので
そこまで痛手にはなってないが。

 

東京ヤクルト:2023年1位先発率23.1%

S

SP

最近二軍に復帰した奥川よりも
原がどの程度先発に入るかで
1位指名選手の比率が変わるチーム。
今年はこの2人に変わって吉村が入る格好だ。
エースの小川が2位指名で、
ここに小澤も先発に回ると
2位指名選手の比重が大幅に上がる。
外国人選手も結果を残している。

 

横浜DeNA:2023年1位先発率37.1%

By

ByP

1位指名した大卒の先発が多いのだが、
怪我から復帰してもしばらく調子が上がらなかったり
大貫と石田の安定感が高かったりで
1位指名選手の先発は思ったほど多くない。
3位以下で獲得した高卒選手がかなり試されているものの、
今のところ平良以外は
一軍の結果に結びついていない。

 

阪神:2023年1位先発率6.3%

T

TP

先発時代の藤浪と岩貞、昨年の西純以外に
1位指名選手の先発がいなかったのだが、
今年はその西純も不調のため
1位指名選手がさらにいなくなった。
才木と村上の台頭で
3位と5位指名選手がさらに充実する一方で、
ずっと当たっていた
外国人選手の先発がいなくなっている。

 

読売:2023年1位先発率9.2%

G

GP

ここまでは菅野と高橋がほぼ使えない状態だったため
ただでさえ低い1位選手率が大幅に減っていた。
菅野が戻ってきたので今後は増えていくか。
名前を挙げた堀田、横川や直江、井上などを
二軍で結果を残せていなくても
毎年何度か試すことが多く、
高卒の先発育成にはかなり熱心なチームである。

 

広島東洋:2023年1位先発率28.1%

C

CP

大瀬良と森下の安定感は高いものの
一昨年から野村の調子が落ちていることもあって
1位指名選手の占める割合は高くない。
九里と床田に加えて
遠藤と玉村のどちらかが好投する年が多いのも大きいか。
ジョンソンやバリントン
活躍していたころに比べると
外国人選手がいまひとつ。

 

中日:2023年1位先発率100.0%

D

DP

ただでさえ先発候補に
1位指名選手がそろっていたところに
涌井の加入と鈴木の台頭、
清水、山本、勝野、上田のリリーフ起用、
外国人先発候補不在など
様々な要素が組み合わさったことで、
交流戦終了まで
先発がドラフト1位指名選手のみという珍事が起こった。
今後は交流戦後に先発予定のメヒアや
二軍に戻ってきた梅津、
下では先発で使われていた上田の状態などで
状況に少し変化が出そうだ。

*1:育成指名は一軍戦力になった選手、支配下登録されている主な現役選手のみを掲載