スポーツのあなぐら

主に野球のデータ、ドラフトについて書いていくブログ。更新頻度は気まぐれ

2022年北海道日本ハムファイターズ ドラフト補強ポイント

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①加速する「若手は使えば育つか」実験
②獲得しそうなのは外野手と高校生の二遊間
③投手も即戦力より素材か

 

 

戦力・ドラフト傾向分析

過去10年の成績

F10年成績

2012年にリーグ優勝、
2016年には日本一。
2013年の最下位からは短期間で立て直したものの
2017年以降は再建がうまくいかず
下位に沈んでいる。
単純に得失点のバランスが悪く
低迷すべくして低迷しているところではあるが、
投手の成績に対して失点がいささか多い。

 

2022年の成績

F順位2022.07.24


BIG BOSSが新監督となったからといって
チーム成績がそう簡単に好転するはずもなく
現状は最下位。
多少の誤算はあるにせよ
順位に関しては
チームも監督も想定の範囲内だろう。
その一方で
「ハムは若い選手が抜擢されてうらやましい。
それにひきかえ〇〇は全然若手を使わない」
という他球団批判や
「ファイターズは若手が抜擢されているから
後半戦で一気に浮上するはずだ」
という声もよく目にする。
「若手を何年も我慢して使い育てる」ための期間とは
長くても1、2ヶ月からたったのスタメン数試合、
そんなに短くて済むようなものだったのか。

 

過去10年のドラフト傾向

F10年1巡

「その年最も良い選手に行く」を合言葉に
大競合への特攻を繰り返してきたが、
2008~12年に限定すると
「一番人気」入札はたったの1回、
3チーム以上の競合も合計2回しかない。
もっとも
事実上の逆指名だった菅野や
MLB行きを表明していた大谷と
他球団が入札しづらい選手に入札したのも一因ではあるのだが。

F10年2・3巡

2010~12年に
3年連続で高校生野手を指名した2位は
高校生野手と社会人投手が多い。
3位はあまり大きな特徴がなく、
その時残っていた選手から
状況に応じた指名が行われている。

F10年指名人数

F10年主な戦力

支配下では相変わらず
高校生野手の比重が極端に高い一方で
2020年は14年ぶりに社会人野手が指名された。
昨年は地元枠以外の社会人野手も解禁されたわけだが、
主な戦力を見るとその理由がよくわかる。
野手は使われているが
故障などもあって
なかなか成績が伸びない選手のオンパレード。
大谷の次に打撃成績がいいのは
ファイターズファンにアンチも多い渡邉である。
また投手も先発がいまいち育っておらず、
育った選手は早くにMLBにも行ってしまうため
状況がさらに苦しくなっている。
ファイターズの投手指名は
しばらく大学生と社会人重視で
高校生はピンポイントの指名にとどめていたのだが、
2016年ごろから高校生の比率が増えている

 

野手補強ポイント

野手についての基本的な考え方

基本的な前提条件はこうだ。

  • 若手は全盛期(年代表オレンジ)に向かって少しずつ成長する
  • 全盛期の選手は同じぐらいの成績で推移するかゆるやかに衰える
  • 全盛期を過ぎた選手は特に守備がいつ大幅に下降してもおかしくない

この前提条件を踏まえつつ
若手・中堅の具体的な成長速度やポジション適性、
ベテランの衰えかたなども含めて
補強ポイントを見定めることになる。
また
今年のドラフト候補で
ポイントに該当し
なおかつプロを志望する選手が少ない、
他のチームとの兼ね合いで
欲しい選手を予定している順位では獲れそうにない、
などといった場合には
補強ポイントを翌年以降に持ち越すこともよくある。
一回のドラフトで
補強ポイントを全て埋めきる、
投手・捕手・内野・外野のポジションを均等に獲得する、
といったことにこだわる必要はない
のだ。

 

2022年野手陣の状況

F打撃成績2022.07.24

HRは多いものの
打率に比べて出塁率が非常に低い。
もっともこの点は
四球を極端に選んでいない若手が多いのが大きな理由なので、
彼らが本格的に一軍平均レベルを上回るようになれば
自然と改善されると思われる。

FF年代表1

FF年代表2

今期の一軍起用が異常なほど多いのは事実で、
怪我で二軍でも出られていない五十幡以外は
既に全員が一軍を経験している。
二軍で全く打てていない阪口や細川までも使われてるあたり、
「若手は使えば育つ」の理想郷に
近づいていると言えるだろうか。
ただし年代表で見てみると
チーム内では年齢が上の選手の起用も目立っている。
主力候補の中堅・ベテランを軒並み放出し
若手以外をほとんど残していないだけなのも
若手が多用される理由の一つとなっている。
松本や清宮の起用にはむしろ
「なんで今さらこいつを使うんだ。若手を使え」の
批判のほうが圧倒的に多かったし、
少しでも何かあるたびに
「もうこいつは使うな。若手を使え」と本気で叩かれるのも
清宮である。

F若手C,OF

若手のキャッチャーと外野手で
ほぼ一軍にいる今川と万波は
昨年二軍で好成績。
一軍では苦戦している郡も
バッティングでは二軍でやることがなくなりつつある。

F若手IF

内野手
野村や昨年一軍に定着していた高濱
二軍でも結果を出しており、
昨年はいまいちだった清宮は
1年目に二軍平均を大きく上回る成績だった。
今年一軍で調子が悪くない若手は
二軍で目に見える結果を残したことがある選手ばかり
ということになる。

 

補強ポイント

さてこれらの表を見てもわかるように、
ファイターズは
極端な高校生偏重ドラフトを続けたこともあって
二軍にいる若手野手の頭数は非常に多い。
ただし前にも指摘したことなのだが、
二軍の平均レベルを超える若手の数は少なく
現在も2010年代中盤から後半よりは少しましかなという程度である。
また1年目は調子が良くても
2年目以降に成績が降下するケースが多く、
指名された年の大学・社会人時代よりも1年目の二軍成績がいい
上川畑、水野、五十幡も
期待と不安が入り混じった状態と言える。
さらなる若手偏重にシフトしていくのか、
来年に向けた戦力拡充を図るのか。
チームが若すぎてどのポジションの選手を見切れるのか
という点も相まって
フロントの方針はいささか読みづらい。
単純な人数で考えると
阪口、難波を外野で起用しても
まだ人数が少なめな外野が第一ポイント。
一軍即戦力も狙うのであれば
社会人か上位候補の大学生、
若手偏重路線をとるなら高校生になる。
あとは
昨年新たなサード候補を確保したので、
それ以外の
二遊間とキャッチャー。
ここはファイターズの傾向を考えると
今後の路線に関係なく高校生の可能性大だ。

 

投手補強ポイント

投手についての基本的な考え方

野手と比べて
投手は年齢による成長・衰えのばらつきが激しく、
故障や不調などからくる戦力外も早い。
また近年は
個々のイニング、登板数を抑える代わりに
投手の調子を見極めた一・二軍の入れ替えが激しく、
一軍である程度使われる主力の数そのものは激増している。
そのため
一部のドラフト評論などでも主張される

  • 二軍以下で将来を見越して何年間も育成し続ける
  • より力のある選手を差し置いてでも、若い投手をただ一軍で使い続ける

このような手法は
以前にもましてとりづらい。
それよりも

  • 最低限の出場選手登録人数にこだわることなく、一軍で起用可能な投手の絶対数を増やしていく
  • 今年台頭した若手が来年以降も活躍し続けることをあてにして、目の前の年齢(特に18歳)と将来性に特化した指名を繰り返してはいけない

これらがどのチームでも最重要課題になる。

 

2022年投手陣の状況

F投手成績2022.07.24

ここまでのファイターズは
平均失点がリーグワースト。
被HRだけは少ないのでFIPは悪くないが
2018年から20年まで減っていた四球が
昨年から増加傾向にある。

FSP年代表

FRP年代表

個人成績もやはりよくない。
先発は上沢、伊藤、加藤は安定しているが
そもそも頭数が全く揃えられない状況。
リリーフも5月まではわりと好調だった選手が
6月以降息切れしてしまっている。
もともと
二軍の若手がかなり伸び悩んでいたうえに
一軍で実績を残していた選手にも
不調者が続出してはどうしようもない。
野手と同じく投手もほとんどが一軍で投げていて、
二軍で投げられてまだ一軍登板をしていないのは
高卒ルーキーの達と畔柳だけになっている。
一軍実績はないが素材はいい若手が
慣れられて攻略されるまでどれだけの期間粘れるか、
そんな短期間の自転車操業
頼らざるを得ない状況ですらある。

 

補強ポイント

何とかして即戦力を集めたいところだが、
昨年のドラフトは
高校生中心の指名をし
大学生も6位の長谷川と8位の北山だけ。
伸び悩みが目立つ若手のなかでも
高卒勢は特に伸び悩みが顕著なのだが、
チームは現在の戦力と育成力にかなりの自信を持っているようだ。
そんな昨年の指名や今年の使い方を考えると
投手指名も高校生中心、
大学生と社会人も
あまり実績のない選手や高卒3年目の社会人が主体となり、
1位入札は
完成度は高くないが伸びしろに加えて様々なオプションも備えた選手
という可能性が高くなるだろうか。