いよいよ開幕戦を迎えた今年のプロ野球。
今年の開幕戦は例年以上に
実績が少ない若手が起用されている印象があるが、
これまでははたしてどういう選手が
開幕スタメンに起用されていたのか
2016年から今年までの起用を振り返ってみよう。
各選手のスタッツは前年の成績を掲載している。
ただしルーキー、新外国人の成績は載せておらず、
一軍実績の少ない選手は二軍成績を載せてある。
またパリーグの先発投手は載せていない。
- 福岡ソフトバンクホークス
- 読売ジャイアンツ
- 千葉ロッテマリーンズ
- 阪神タイガース
- 埼玉西武ライオンズ
- 中日ドラゴンズ
- 東北楽天ゴールデンイーグルス
- 横浜DeNAベイスターズ
- 北海道日本ハムファイターズ
- 広島東洋カープ
- オリックスバファローズ
- 東京ヤクルトスワローズ
福岡ソフトバンクホークス
ベテラン偏重と揶揄されることが多い工藤監督だが、
山下斐紹、上林、栗原と
前年まで一軍実績の乏しい若手を使うことも
そこそこ多い。
今年は真砂勇介のベンチスタートに激怒する人が多いようだが
この充実した外野陣から誰を外されるつもりなのだろう。
栗原は彼らの思考からいってありえないし
まさか柳田じゃないだろうな。
…あっ松田か。
読売ジャイアンツ
2017年と18年は
岡本が2年連続で開幕スタメンに起用、
2018年に結果を残しスタメン定着となった。
ただし村田が戦力外になった2017年は、
岡本の二軍OPSが村田の一軍OPSを上回った初めての年でもある。
原監督になってからは
若い新戦力のスタメンがまだないが、
巨人は2018年から高校生偏重指名が続いているので
新戦力に該当する選手がまだ出てこないだけである。
千葉ロッテマリーンズ
戦力があまり充実しているチームではないためか
伊東監督時代から
実績がない若手の開幕戦起用自体はそこそこ多いロッテ。
しかし藤原や今シーズンの山口は絶賛されるが
現在主力になっている中村や
今年はスタメンを外れた井上、藤岡の起用は
例外なく袋叩きにあっていた。
何かはわからないが
「若手」にも「格」というものがあるんだろう。たぶん。
阪神タイガース
金本監督、矢野監督1年目は
どちらもルーキーがスタメンに起用されていた。
と言っても
新監督が自分の色を出したいとかいうわけではなく
ただの結果論*1である。
今年スタメンに起用された佐藤を含め
1位で大社野手を4人も獲得できればこうなるか。
埼玉西武ライオンズ
2016年までは打線に穴も多かった西武だが
辻監督になってから2019年までは
全体的に野手陣が充実し
下の若手との実力差も激しかったため
開幕戦での若手起用はあまりなかった。
今年は西川が開幕スタメンを勝ち取ったが
外野陣は良くも悪くも実力が伯仲しているので
今後も激しい競争が予想される。
中日ドラゴンズ
高橋や2016年で入団2年目の遠藤など
新鋭の起用はそれなりにあった中日。
与田監督1年目は二軍でも尻すぼみだった阿部と加藤が抜擢され、
阿部の開花で結果にも結び付いた。
今年は3年目の根尾がレフトでスタメン。
他にも開幕一軍の若手が多く強い期待が寄せられているが
根尾のようにまだ二軍でも結果を残せていない若手も多い。
阿部のように一気に一軍で開花することができるのだろうか。
東北楽天ゴールデンイーグルス
実績のない若手のスタメン起用は
1年目の茂木と2018年の内田だけ。
外国人やFA補強に積極的なチームなので
開幕からいきなり若手を使うことは
あまり多くないようだ。
とはいえFA、外国人で補いきれないポジションでの
若手起用そのものは当然ながら多くなる。
横浜DeNAベイスターズ
ラミレス監督時代は
ルーキーの開幕スタメンはそこそこあった一方で
既存の新戦力の開幕スタメンは少なかった。
シーズン中の起用はそれなりに多かったけども。
今年はソト、オースティンが間に合わなかったこともあって
三浦新監督は関根や牧を起用。
北海道日本ハムファイターズ
これまで新しい若手を抜擢するということは
野村以外あまりなかった栗山監督。
「新しい若手」を使いたがらないのではなく、
戦力が必ずしも充実しているとはいえず
シーズン中の若手出場機会がそれなりに多いため
出場機会の全くなかった若手が少ない
というのが正解だろう。
…言い換えればそれだけ
若手が皆伸び悩んでいるとも言えるわけだが。
なお、今年開幕一軍を外れたため
これまで「さっさと二軍に落とせ」と叩いてた人たちが
手のひらを返して監督叩きにいそしんだ清宮幸太郎は、
4年間で開幕一軍スタメンが一度もない。
広島東洋カープ
2016年から三連覇を達成した広島は
年齢的にも全盛期の主力が固まっていたため
新しい選手を起用する余地があまりなかった。
2016年以降の野手指名は大半が高校生だから
主力と新しい若手とを交換したくても
交代できるほどの若手がまだ育っていない状況である。
特に現在の二軍主力がドラフト指名されたのは2018、19年だから
世代交代も
5年先の未来である
2023、24年ぐらいまでを見越すのが自然だろう。
オリックスバファローズ
「若手が育たない」と言いながら
若手の開幕戦起用自体は「やたら」と言っていいほど多く
一軍実績のない若手かルーキーが最低1人は
ほぼ毎年開幕スタメンに名をつらね、
今年はその枠がさらに3枠に増えた。
昨年も開幕戦スタメンではなかったが
2戦目で安達に代えて3年目の廣澤伸哉がスタメンショートに入っている。
ただし
その面々から現在主力になっているのは吉田正と
あとはせいぜい今年のスタメンになった頓宮*2ぐらい。
開幕スタメンに抜擢してもなかなか若手が育たない状況である。
今年はこの負の連鎖を断ち切り
3人のうち1人でも将来の主力に名を連ねることができるだろうか。
東京ヤクルトスワローズ
若手の中では
現在主砲として活躍する村上や
今年トレードで移籍した廣岡などがスタメンで使われた。
「村上は我慢して使って主力に成長したんだから
高津監督や他のチームも我慢して使え」
と主張する人はかなり多いけども、
「使え」と言われる若手に
村上の1年目ほどの二軍成績を記録した選手が
どれほどいるのやら。
