スポーツのあなぐら

主に野球のデータ、ドラフトについて書いていくブログ。更新頻度は気まぐれ

5年前の2014年ドラフトを振り返る

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※2019年終了後のデータと本文を更新。

今年5年目となる2014年のドラフトも
いち早く振り返ってみよう。

 

本命候補が入れ替わる2014年

最大の注目は前年のセンバツでいろいろと話題になった安樂智大。
さらに前年夏の優勝投手高橋光成
野手ではスラッガーの岡本和真なども評価が高かった。
しかし投手2人は2年生でまずピークが来たのか3年ではいまいち、
岡本は守備位置の関係で獲りに行けるチームが限られている。
さらに夏までに成長した松本裕樹が甲子園で故障を抱えるなど、
高校生は徐々に本命不在の状況を呈し始める。

大学生も前年ほどではないがそれなりに充実していた。
軸になったのは東京六大学で、
有原航平、山崎福也、石田健大と左腕投手も数人いる。
しかし大学生も4年に入ると不調者が続出。
そんな中で、大学生候補では比較的遅咲きで調子がそこまで落ちなかった
有原に人気が集中していくことになる。

一方、社会人は非常に不人気だった。
春先に評価されていたのは
前年の日本代表候補に挙がった高木伴ぐらいで、
その高木は社会人での実績がほぼない中での選出。
他に1位候補へ評価が上がったのは
都市対抗予選や本戦で調子のよかった高卒3年目の野村亮介、横山雄哉に
高卒4年目の加藤貴之(新日鐵住金かずさマジック)など。
ただし加藤はチーム残留を表明した。

1位入札

  選手名 ポジ 出身 競合
1 有原航平 RHP 早稲田大 4
2 安樂智大 RHP 済美 2
3 高橋光成 RHP 前橋育英  
3 中村奨吾 2B 早稲田大  
3 野村亮介 RHP 三菱日立パワーシステムズ横浜  
3 山崎福也 LHP 明治大  
3 松本裕樹 RHP 盛岡大付  
3 岡本和真 1B 智辯学園  
9 山﨑康晃 RHP 亜細亜 2
10 竹下真吾 LHP ヤマハ  
10 野間峻祥 CF 中部学院大  
12 横山雄哉 LHP 新日鉄住金鹿島  
  入札 外1巡 外外1巡
E 安樂智大    
S 安樂智大 竹下真吾  
L 高橋光成    
By 有原航平 山﨑康晃  
M 中村奨吾    
D 野村亮介    
F 有原航平    
C 有原航平 野間峻祥  
Bs 山崎福也    
T 有原航平 山﨑康晃 横山雄哉
H 松本裕樹    
G 岡本和真    

1位競合は有原4球団に安樂2球団。
残る6チームが単独指名になった。
そしてセ3-パ1、セ1-パ1の2つの抽選を制したのは
2チームだけが競合に向かっていったパリーグ
しかしドラフト評論家やライターに言わせれば
セリーグは競合から逃げるから抽選に当たらない」らしい。
どう日本語を理解すればいいかよくわからないのだが、
有原入札の3チームは大学生投手に行ったから「逃げ」
高校生投手指名のヤクルトはとりあえずセリーグだから「逃げ」
という解釈でいいのだろうか。
せめて高校生野手での競合なら「逃げない」扱いになったのかもしれないが、
実際に岡本を入札したのはセリーグの、よりによって巨人。
そのせいか、巨人単独指名についてはなかったことにされているらしい。
セリーグ4チームだけで行われた外れ1位入札では山﨑康が2球団で競合。
竹下と野間も上位候補に挙げられていた選手で、独自枠とは言えない。
また23歳以上の1位指名は、
この竹下から2018年近本光司まで4年間*1
投手は2019年の宮川哲まで5年間なかった。

パリーグ

ソフトバンク

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本指名5人中4人、全体13人中10人が高校生。
日本一チームが高校生偏重路線、
中でも一般かマニアに知名度の高い選手を根こそぎ獲得し、
唯一の大学生はほぼ地元かつ甲子園のスター島袋。
絶賛されないわけがなかった。
ただし5年後の今年までで結果を残した選手が松本だけなのは仕方ないにしても、
現在NPB支配下なのが松本、栗原、笠谷の3人しかいない。
古澤は育成枠で、堀内は今シーズンオフ再び育成契約となった。
松本は故障癖が良くなれば、
栗原は甲斐拓也の壁が厚いが外野起用も含めたバッティングでアピールできれば、
一軍での活躍機会は多少増えてくるか。

オリックス

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山崎単独の後は高校生と社会人4人ずつの指名。
高校生は名前の知られた選手を集め、
社会人も1位候補とされた高木などマニアの知名度は比較的高い部類。
そんな中、現状最も活躍しているのが
唯一評論家からも忘れられていた西野というのは皮肉な印象がある。
今後は山崎の復活と宗の成長に期待したいところか。
投手は高校生3人に高木とかなり素材に走ったのが響いている。
佐野は登板はなかったが、
身体能力の高い野手として戦力になり始めた。

日本ハム

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1位は4球団競合の有原を引き当て、
2位からは有名な高校生をかき集めてやはり大絶賛のドラフト。
有原は物足りないと言えば物足りないし、
大学での実績を考えればこのぐらいでも充分と言えば充分と
評価がいささか難しい。
淺間は故障がちなのもあるが、物足りなく感じるのは
1年目で期待値が上がりすぎたせいだろう。
石川がリリーフの柱的存在に成長し、
ヤクルトへ移籍した太田も守備要員として優秀と言える。
そんな中、28歳と高齢の瀬川も日本ハムが良くやる指名だった。
現在は古巣に復帰している。

ロッテ

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1位の中村は最初の2年半、ファンからボロクソに叩かれていたが、
活躍しだした最近はそういうことも減ってきた。
ただ守備が良くないとはいえ5位の香月も今セカンドな上に
来年からは西巻賢二が加入するため、
少し不調が続くとまた再燃しかねない状況になった。
この年のロッテも2位以下は宮崎以外有名な選手をそろえた。
その中から岩下が今シーズン一軍ローテに定着したが、
田中、寺嶋、宮崎、脇本は既に現役を退いている。

西武

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今年初めに「柱の一角に成長しないとチームが大変」と書いた高橋は
ローテの一角に成長し、リーグ2連覇に貢献した。
…とえらそうに書いたけどそれぐらい誰でもわかるわな。
高卒5年目で実働2年強なら充分やれているほうか。
佐野も物足りなさはあるが今年リリーフで貴重な働きをし、
この年の成果が少しずつ出始めている。
一方、野手は何といっても外崎。
この2年間のOPS.800超えは指名・育成とも見事と言うしかない。
あとは山田がどういうポジションで使えるようになるだろうか。

楽天

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高校生投手と大学生野手を中心とした指名になったが、
上位の安樂と小野は故障やら制球難やらで
苦しいシーズンが続いている。
野手はフェルナンドに伊東と意外に長打力を重視した指名だったものの
こちらも結果は全くついてきていない。
支配下に戻ったフェルナンドが
ライバルの多い中どこまでアピールできるかにかかっている。
今年戦力外の八百板は現在巨人が調査中とのこと。

セリーグ

巨人

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岡本が2年連続で結果を残し、
完全に花開いたと言っていい状況になった。
なお岡本が巨人単独つまりパリーグが入札しなかった事実は無視されている。
2位以下は大学生と社会人の投手で固めた。
戸根は前年同じ東都二部から指名の岩崎に比べると四球が多いが、
両者のK/BBが大学時代とほぼ同じになっている。
高木は2017年以降奪三振率が激減。故障の影響だろうか。
また田中貴が地味に今年1試合一軍出場。
なかなか出場機会がないが、
チーム全体としてはなくてはならない存在と言えるだろう。

阪神

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大学生投手の抽選を二度外し、
上位2人が社会人投手、高校生は5位の植田だけ。
…だったのだが、
横山、石崎、江越、守屋への評論家の評価が非常に高かったそうで、
2012年と今年を除いて酷評され続けていたドラフト後評価は
この2014年も意外と好評だった。
石崎は3年目に四球病を苦にしない投球術で、
守屋は5年目の今年台頭した。
まあ要は高卒3年目の2人に四球の多い石崎と即戦力がいない陣容で、
どういう選手が評論家から好まれるか
よくわかる指名内容と言えるかもしれない。
長打力が期待され続けている江越は今年守備走塁要員だった。

広島

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1年目に使われ続けた野間は
広島にしては珍しく酷評の嵐だった。
ライバルがより若い高卒の鈴木誠也だったのもヘイトがたまった要因かもしれない。
4年目の昨年は好結果だったが今年かなり苦戦したため、
相変わらず罵倒の嵐を受け続けている。
こうした緊急事態に対して高卒に頼り切らない備えをするのも
注目されない広島の強みだったのだが、
今年に関しては翌年指名の西川龍馬がその役割を担った。
投手は素材重視の指名で、
去年まででは薮田以外ぱっとしないのも致し方ない。
大学でほとんど投げていない選手がこの程度まで育つのは
普通にすごいと思うんだが、
なぜか薮田もやたらと叩かれることが増えているようだ。
やっぱり大卒の上位指名だからか。

中日

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ただでさえ嫌われているGMによる
高校生なし、社会人中心で酷評され、
その評価通りに失敗したことで怒りよりも歓喜すら起こっている指名。
某大御所評論家によれば、
2013年からの暗黒期もこの時期の指名が原因だそうだ*2
即戦力ドラフトが前年の結果にすら影響を及ぼせるとは知らなかったなあ。
今年は加藤がある程度使われ、
井領と遠藤がバイプレーヤーとして一軍に定着したのでほんの少し持ち直した。
現状だと
加藤は石橋康太と郡司裕也が出てきても三番手捕手になる可能性が高く、
井領と遠藤も同じような代打・外野控え要員がいないので
終結果があともうちょっとだけ良くなる可能性はある。
この指名の特徴を改めて記しておくと、
支配下指名の投手は大学生2人に高卒3年目と高卒2年目。
野手5人は加藤以外の学年が大卒2年目以上*3で、
ポジションが全員異なっている。

横浜

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外れ1位競合で引き当てた山﨑が絶対的なクローザーとして君臨、
石田も充分な働きをしており、
この2人だけでも大成功と言える。
倉本は守備も打撃も物足りないが、
それまでのショートよりは良い結果を残していた。
高木とともに評価の高かった素材型の福地は伸びず。
飯塚は去年一昨年が先発8、9試合、
今年はかなり苦戦したためここでの基準値になかなか到達しない。
百瀬は3年目の時点で今年の大河よりかなり厳しかった*4ので、
今年はよく生き残ったという印象。
若手が生き残るには運も大事だ。

ヤクルト

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安樂を外したことで社会人投手中心の指名となり、
中日の次に酷評されたヤクルト。
去年風張が53試合に登板したので中日よりは良い形になったが、
風張以外は今年で全員NPBの現役を離れることに。
ヤマハはこの2年前に石山泰稚
伯和ビクトリーズは4年前に七條祐樹が入団している。
竹下は都市対抗で評価が2、3位候補まで上がっていて、
このあたりは中澤雅人とイメージがかぶる。
寺田と中元もこの数年前から候補に挙がり続けている選手で、
山川は肩の評価が非常に高い清水、栗原に次ぐ高卒捕手。

*1:野手限定だと2013年小林誠司から5年ぶり

*2:落合GM就任後とはっきり書いてあった

*3:正確には井領が高卒7年目、遠藤は大卒4年目の早生まれ

*4:2017年二軍124打席.460。今年は大河238打席.551、百瀬221打席.634