スポーツのあなぐら

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5年前のドラフト(2013年)を振り返る

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人々のすなる5年前のドラフト振り返りといふものを
われもしてみんとするなり。

 

目玉候補の多かった2013年

2013年は高校生と大学生に加えて社会人も目玉候補がいた。
最近は高校生の球速がインフレを起こしていることもあって、
社会人が何人も注目されるのはこの年が最後になるかもしれない。

まず高校生は前年夏の甲子園1回戦で22奪三振、計36回68奪三振
記録した松井裕樹桐光学園高)。
最終学年での甲子園出場はなく
前年のような驚異的な奪三振を見せることもあまりなかったが、
概ね安定した投球を続けた。

一方大学生の目玉は大瀬良大地(九州共立大)。
4年前に1位指名された今村猛のいる清峰高を破っての
夏の甲子園出場で注目を集めた彼は、
大学進学後1年次からチームの主力として活躍していた。
この年は彼自身の不調もあって全国大会には縁がなかったが、
それでも1位競合の評価が変わることはなかった。

社会人はというと、
シーズン当初から話題になったのは吉田一将(JR東日本)、
浦野博司セガサミー)、東明大貴富士重工業)の指名解禁組に
前年残留を表明した秋吉亮(パナソニック)。
都市対抗のころからは吉田が一歩ぬきんでた評価となり、
さらに石川歩(東京ガス)、柿田裕太(日本生命)の評価が急上昇していった。

それ以外の選手を挙げていくと、
まず高校生野手では渡邉諒(東海大甲府高)、
上林誠知(仙台育英高)、園部聡(聖光学院高)
といった選手たちが人気だったが、
何と言ってもこの年の特徴は捕手の候補が充実していたこと。
目玉1位候補とされたのが森友哉大阪桐蔭高)で、
特に阪神では前年に獲得できた藤浪晋太郎が活躍したこともあって
森待望論がマニア、マスコミ、ファンから巻き起こった。
森と松井以外の1位候補(松井を除く)の名前が浮かぶたびに
GMや社長、監督らが叩かれる状況にまで発展。
「4位赤星、ハァ?」の精神は永久に不滅であることを示したとも言える。
実際彼以外にもこの年は捕手の有望株が目白押しで、
高校生では内田靖人(常総学院高)、若月健矢(花咲徳栄高)、
大学生では梅野隆太郎(福岡大)、吉田裕太(立正大)、
嶺井博希(亜細亜大)、桂依央利(大阪商業大)、
社会人でも小林誠司日本生命)が上・中位候補に位置していたため、
無理に森にいかないのも現実的な選択ではあった。

1位入札

  選手名 ポジ 出身 競合
1 松井裕樹 LHP 桐光学園 5
2 大瀬良大地 RHP 九州共立大 3
3 石川歩 RHP 東京ガス 2
4 吉田一将 RHP JR東日本  
4 森友哉 C 大阪桐蔭  
6 柿田裕太 RHP 日本生命 3
7 杉浦稔大 RHP 國學院大 2
8 鈴木翔太 RHP 聖隷クリストファー  
8 小林誠司 C 日本生命  
10 岩貞祐太 LHP 横浜商科大 2
11 加治屋蓮 RHP JR九州  
12 渡邉諒 SS 東海大甲府  

 

  入札 外1巡 外外1巡 外外外1巡
F 松井裕樹 柿田裕太 岩貞祐太 渡邉諒
S 大瀬良大地 杉浦稔大    
Bs 吉田一将      
By 松井裕樹 柿田裕太    
H 松井裕樹 杉浦稔大 加治屋蓮  
D 松井裕樹 鈴木翔太    
M 石川歩      
C 大瀬良大地      
L 森友哉      
T 大瀬良大地 柿田裕太 岩貞祐太  
E 松井裕樹      
G 石川歩 小林誠司    


蓋を開けると、
松井には予想が難しかったチームも大半が入札し5球団、
大瀬良は事前にほぼ公言していた3球団が競合した。
そんな中で石川にロッテと巨人が競合。
前評判の高かった吉田は予想されていたオリックスが単独、
誰に行くか全く読めなかった西武は森を単独指名した。
結果的にパリーグのうち2チームが単独指名。
セリーグは全チームが競合したことになるが、
評論家にとっては地元のスターに行った横浜*1と広島以外は「逃げ」扱いらしい。
個人的に驚いたのはむしろこの後で、
高卒3年目の柿田に3球団が競合したこと。
主力にはなっていたが
都市対抗予選でもシーズン全体でも未熟な点が多く、
リスクの高い素材買いの印象が強かった。
さらに高卒4年目の加治屋が1位指名されたことや
浦野、東明が2位以降に残ったことなどを見るに、
プロが投手に対して
完成度よりも若さと素材を求める傾向が
以前にも増して強く出始めたように思う。

パリーグ

楽天

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5球団競合を制して獲得した松井はリリーフとして大成。
ファンや評論家などからの先発待望論は根強いが、
来シーズンもリリーフらしい。
与四球の多さ(通算190、うち敬遠2)が先発だと気になるところではある。
3位からは投手7人を指名したため、
松井を引き当てたにもかかわらず当時の評価は低かった。
日本一だが先発・リリーフとも人材難なのに
獲った投手の大半が即戦力ではない素材偏重だったから、
という理由ではないらしい。
今のところヒットになれば打球が飛ぶ内田にどの程度確実性が備わるか。

西武

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野手2人、それも長打力重視の2人を上位指名したがこれは大成功。
6位の岡田も含めて、今年の優勝に大きく貢献した指名になった。
「西武は毎年こういう指名をしているから見習え」
と妄想する人が時々出てくるが、
過去11年で西武が上位指名した野手は他に美沢と西川*2しかおらず、
これは12チーム中最も少ない数字だ。
実際、投手のほうはかなり厳しいことになっていて、
山口と福倉も伸びが悪く、
豊田は1年目の最初に便利屋として酷使されたところで終わってしまった。

ロッテ

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競合の末獲得した石川は期待通りの活躍。
さらに6位で獲った二木も急成長し、
5年目にしてローテ投手2人を獲得する当たり年になった。
野手は今シーズン井上がようやく台頭したが、
年齢とポジションの関係でどこまで使えるかは難しいところ。
遅咲きのファーストだからこそ
40歳近くまで活躍する可能性も充分あるんだけどね。

ソフトバンク

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珍しく社会人投手3人を指名してきたホークスも今年になって大成功。
もっとも3人とも22歳以下の選手で、
森以外の2人は時間がかなりかかってしまったのが難点と言えば難点か。
それでも他の年に大量指名した高校生投手がほとんど伸びないだけに、
この年は石川も含めて非常に大きな果実を受け取る年になった。
不調が喧伝され4位まで残った上林も早くから台頭。
1年目は内野での育成だったはずだが、2年目には外野に戻っていた。
あとは移籍した曽根が今後どう伸びていくか。

オリックス

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上位では1位候補の社会人投手2人、
3位からはU-18などでも活躍した有名高卒野手と強打の奥浪、
7・8位の2人もマニアには知られた存在とあって、
ドラフト当時は大成功と言われた2013年のオリックス
上位2人もやや物足りなさが残るが、
それ以上に園部、吉田雄、奥浪の3人が全く戦力にならなかったのは痛い。
よく見れば将来のファースト候補2人という時点で良い指名とは言えないのだが、
先日の某記事を見ると、
今でもこういう指名で夢を見たがる人はかなり多いらしい。
人は過去の出来事を忘れ、学ぶことができない生き物のようだ。

日本ハム

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3回連続抽選を外した日本ハム
この年の12番目、13番目を連続で指名することになった。
ちなみに、渡邉と浦野の順番をハムのように渡邉を先にすると
ドラフト後に評論家がつける点数がはね上がるらしい。
自分でも何を書いているのかさっぱりわからない。
その渡邉と浦野は故障も多くもたついた印象だが、
投手で高梨と白村が成長している。
野手のほうは1年目に期待を持たせた選手が多い反面、
なかなか殻を破れない。

セリーグ

巨人

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石川を外して小林を指名した後の本指名は高校生のみ。
2008年といい今年といい、
巨人には5年おきに高校生偏重指名をしたくなる病でもあるのだろうか。
この年は田口が既に成功しているからまだいいんだが。
和田は以前書いたように、翌年の岡本和真指名で使える場所がなくなった。
1年目に人的補償でヤクルトが獲得した奥村はセカンドでの育成。
山田哲人と3歳しか離れてないセカンドを獲るとは
巨人も想定外だっただろうな。
横浜で期待されている平良は来年もう一皮むけるかどうか。

阪神

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森に向かわず3度の抽選をするはめになり、高校生は横田だけ。
巨人育成を拒否した陽川や上位候補の梅野がいるとはいえ、
当時は酷評のほうが多かった記憶がある阪神
しかし岩貞が3年目から先発ローテに定着し、
6位の岩崎が毎年そこそこ以上の働きを見せる当たり年になった。
あとは元々期待されていたバッティングで
今年ようやく力を見せ始めた陽川と梅野が活躍できれば大当たりなのだが。
ここは捕手出身の矢野監督がどういう捕手起用を目指すかにもかかってきそうだ。

広島

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2012年は結果的に本指名が野手だけの指名になったこともあってか、
この年は投手偏重指名。
密着マークをしてきた大瀬良を競合で引き当てた後も
中村以外は大卒・社会人で固めた。
結果は上位3人に加えて中村も成長のあとを見せ、
3連覇に多大な貢献をする大当たり年に。

中日

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松井の抽選を外して指名したのが準地元枠の鈴木。
4位以下も地元と準地元で固める指名だったのだが、
関根大気を指名しなかったことで地元無視のレッテルを貼られてしまった。
その地縁はあまり成果が出ていると言い難いのだが、
又吉と祖父江が戦力になっているので
中日としては当たり年の部類に入る。
なお、中日が本指名で24歳以上の投手を指名するのは祖父江が最後で、
23歳も又吉の後は福敬登しか獲得していない。

横浜

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外れ1位で3球団競合の柿田を引き当てたものの、
柿田は一軍登板なしで終わった。
一方で4位の三上が1年目からリリーフで活躍し、
さらに育成の砂田も早い時期から一軍入り。
良いとは言えない上位陣を下位指名で補う年になっている。
あとは嶺井と関根の野手2人が殻を破れるかどうか。

ヤクルト

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外れ1位の杉浦と3位の秋吉がどちらも日本ハムへ移籍という
変わった年になっている。
投手はその秋吉が多大な貢献をし、
野手は西浦が一軍のショート一番手になっている。
藤井がここから守備型サードに成長するとは。
一方、前評判の高かった杉浦と岩橋が伸びないのが
ヤクルトらしいというか。
ちなみに児山は現在シティライト岡山でプレーしている。

*1:落合GM、谷繁監督時代の中日1位指名は野村以外記憶から抹消されている節がある。
ちなみにその3年間で入札された残る4人は全て高校生

*2:と今年コンバートされた川越