スポーツのあなぐら

主に野球のデータ、ドラフトについて書いていくブログ。更新頻度は気まぐれ

平成における野手・投手の複数年起用人数

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以前、過去の強豪チームの野手・投手人数を出したことがあったけれども、
今年は平成最後の年なので、
平成に入ってからの各4年間データを
いくつかの期間に分けて比較してみよう。
というのは嘘で、
ちょうど平成元年が
阪急がオリックス、南海がダイエーに変わった1年目だから、
ただそれだけの話。
今回の期間は4年間とした。
データをとる時期をどこで分けるかも難しかったのだが、
できるだけリーグ全体の投打のバランスが
極端に変動していない4年を選んだつもりだ。

基準値

ここでの基準値はこうなっている。

  • 野手は100打席以上または全試合1/3以上*1出場
  • 投手は先発10試合以上または20試合以上登板

そんな程度のデータで意味があるのかという批判も多いだろうが、
実際の貢献度よりも
多くの試合に出場すること
主眼を置いたデータだと思っていただきたい。

1989~1992年

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パリーグは89年と90年が打高投低気味だったのだが、
その直後の変動よりはまだまし*2なのでこの4年となった。
90年に歴史的低迷を見せたダイエーが野手・投手とも起用人数が多い。
野手は世代交代やベテランの併用が目立つ中日も多め。
投手はヤクルトがやや多くなっているが、
それ以上に極端な先発完投投手陣で2度優勝した巨人と、
完投が多くなく投手成績も芳しくないが起用は安定していた大洋の
数の少なさが際立っている。

1996~1999年

この前後のパリーグは95年が極端な投高打低、
2000~01年が極端な打高投低と推移する中で、
96~99年はまだセ・パともに安定していた。

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マシンガン打線全盛期に差し掛かり
選手がかなり固定されていた横浜野手陣と、
96年に外野のスタメンが固まった広島の野手人数が少ない。
一方両極端なのがこの時期のロッテで、
世代交代を進めたがまだ併用するのが精一杯だった野手陣と、
96年オフにエース格2人が抜けたが
新たに変われる選手は少なかった*3投手陣
という構造になっている。

2007~2010年

次は楽天の選手層が徐々に固まりだした頃から、
極度の投高打低となる2011年の前まで。

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何というか、1チーム非常にわかりやすい暗黒期が見える。
ドラフト、外国人、トレード、FA、あらゆる手段で選手を入れ替えるが
使えない、使っても伸びない、たまに伸びれば出ていく。
そんなチームの状況がありありと伝わってくる。
オリックスもかなり人数が多くなっているが、
合併当時に選手層が中堅からベテランに固まっていたためか、
この時期はベテランの併用と若手・中堅への移行、
他チームに在籍した外国人野手の獲得が目立っている。
あとは3番手以降の先発とリリーフがかなり不安定なわりに
投手の主力人数が少なめの楽天と、
投打とも予想通り起用人数がやや少ない中日*4か。

2014~2017年

最後は昨年までの4年間。
2013年が入らなかったのはただの偶然。

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世代交代自体はとりあえず進めた阪神や、
中長距離打者と外国人を大きく入れ替えてきたオリックスを筆頭に、
ここへきて野手の起用人数が全体的に増加している。
以前出したソフトバンクは、逆に打線が安定しすぎているチームだったようだ。
投手はヤクルトの不安定さが際立つ表になっている。

選手起用の劇的な変化

今回の計16年の中で、
最も打高投低だったのはパリーグが1990年の平均得点4.70で、
セリーグが1996年の4.44。
投高打低はパリーグが2007年の3.94、
セリーグは2015年の3.51だった。
さて、そうしたことも踏まえて、次の表を見ていただきたい。

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ここ30年、というよりも
最初の約20年の間に投手の起用人数が大きく変わったことが改めてわかる。
平均得点が増えるどころか昔よりもやや投高打低気味にすらなっているのに、だ。
投手分業の確立や試合数の増加などがもたらした起用の変化と言える。
逆に野手はほとんど変わっていない。
強いてあげるなら、
昔よりもほぼ全試合スタメン固定、控え限定の選手が減った印象がある。
つまり一定の打席数を与えられる選手が増えたことぐらいだが、
この点はどんな動機であれ
「スタメンは何があっても固定しなければいけない」と言う人が多いので、
むしろ批判の対象になっている可能性も高い。

*1:130試合なら44、現在の143試合では48試合以上

*2:1989、90年の平均得点は4.63、4.70で最も低い92年が4.19。翌93年は3.93だが、94年が4.59。

*3:黒木や小宮山は当時既にローテの柱だった

*4:一応このリストに高卒の平田(2年目)と堂上直(4年目)も入っている