育成選手制度がもうけられて既に10年以上が経過した。
最近は育成選手枠を増やすチームが以前よりも多くなってきており、
育成選手から支配下登録されて一軍でも活躍しだした選手は、
ごく一部の球団を除いて「育成の星」と呼ばれたりする*1。
ところでそんな育成選手だが、どのチームでも戦力外になるのは支配下選手より早い。
しかしその戦力外通告に関しても、
どういうわけかチームによって周りの反応に差が出ることが多い。
そもそも、育成選手のタイムリミットはどのぐらいなのだろうか?
育成選手のリミットは4年
ここでは「何年目に戦力外になったか」ではなく、
支配下登録を勝ち取った選手が「何年目に支配下登録されたか」を見てみよう。
なおこれは去年までの数字。
1年目 | 25 | 松本哲也、岡田幸文ら |
---|---|---|
2年目 | 21 | 山口鉄也、千賀滉大ら |
3年目 | 17 | 甲斐拓也、石川柊太ら |
4年目 | 9 | 山田大樹、西野勇士ら |
5年目 | 1 | 猪本健太郎 |
6年目 | 1 | 中村亘佑 |
計 | 74 |
現段階では、育成指名された選手で 5年目以降に支配下登録されたのはたった2人しかいない。
あとは再契約なしで戦力外になるか、
たとえ5年目以降も残留しても、結局支配下登録されないままになっている。
しかもその2人、猪本健太郎と中村亘佑は
いずれも一軍出場を果たせないまま
最初に在籍したチームから戦力外となった。
つまり今のところ、
育成で5年を経過した選手には一軍出場をした選手が1人もいないのだ。
現役では5年目以上の選手が成瀬功亮しかいなくなったが、
果たして成瀬は今後、支配下登録と一軍出場を勝ち取ることが出来るだろうか。
高卒以外のリミットはどうなるか
といっても、これは高卒選手の話。
大卒・社会人・独立リーグ等の場合はさらにそのリミットが短くなる。
こちらの場合は、5年以上育成で在籍した選手は永川光浩だけで、
4年以上の選手でも永川を除いて10人。
4年目の支配下登録は赤田龍一郎と青山誠の2人しかいない。
現役でも今年4年目にあたる2014年指名選手の場合、
現在育成指名で残っている6人は全員が高卒。
2015年指名では高卒は8人、大卒もまだ5人が残っているが、
独立出身は既に2人だけ、しかも2人とも高卒1年目での指名だ。
こちらは2年から3年が限界ラインと見ていいだろう。
もちろん、今挙げた3~4年目の高卒選手もリミットが迫っているのは同じこと。
4年目の6人は何としても今年中に支配下登録を勝ち取りたいところだし、
特に投手は今年中に一軍登板も果さないと、
仮に支配下登録されても今後が厳しい。
正念場である。