スポーツのあなぐら

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2022年福岡ソフトバンクホークス ドラフト補強ポイント

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①育成は四軍要員か、二軍と三軍の間を埋める指名か
②早い一軍昇格が可能なセンターとサード
③即戦力投手が欲しいが上位では獲らないかも

 

 

戦力・ドラフト傾向分析

過去10年の成績

H10年成績

10年間で
リーグ優勝4回に日本一6回。
投打のバランスが
非常に高いレベルでまとまっている。
一方2013年と昨年は
得失点に対して
極端なマイナスを計上してのBクラスも経験した。

 

2022年の成績

H順位2022.07.24

巷では
もどかしさを強く感じている人が多い印象だが
なんやかんやで安定した力を発揮してはいる。
あまりにも勝ちに恵まれなかった昨年に比べれば
予想される勝率に近い成績だ。
ただ交流戦後はとにかく点が入らなくなり*1
投手陣のがんばりで
負け越しを何とか最小限に食い止める戦いが続いている。

 

過去10年のドラフト傾向

2008~11年は
4年間で単独指名2回。
1位入札での人気指名への特攻は
ちょうど2012年から激増していた。
1位の大競合を引き当てるか、
外れ1位の抽選も外すかの
どちらかになることが多い。

2位、3位では
高校生野手が最も多く
1~3位でも高校生が半分以上を占める。

指名全体でも高校生が極端に多い。
支配下指名の半数以上が高校生なのはホークスだけだ。
特に野手は支配下の75%が高卒で
2013~18年の6年間は全て高校生になっている。

ところが
これだけ獲得した高卒選手がほとんど戦力になっていない。
野手だと将来的には
谷川原や九鬼、井上など、
(砂川)リチャードと三森大貴にいたっては
今年中にもこの「主な戦力」の枠に入ってくると思うが、
ベテラン選手の年齢と
高卒選手の通常の成長速度に対して
いささか悠長に構えすぎた印象は否めない。
投手も同様で、
故障者が多いことも相まって
戦力を安定して輩出できずにいる。

 

野手補強ポイント

野手についての基本的な考え方

基本的な前提条件はこうだ。

  • 若手は全盛期(年代表オレンジ)に向かって少しずつ成長する
  • 全盛期の選手は同じぐらいの成績で推移するかゆるやかに衰える
  • 全盛期を過ぎた選手は特に守備がいつ大幅に下降してもおかしくない

この前提条件を踏まえつつ
若手・中堅の具体的な成長速度やポジション適性、
ベテランの衰えかたなども含めて
補強ポイントを見定めることになる。
また
今年のドラフト候補で
ポイントに該当し
なおかつプロを志望する選手が少ない、
他のチームとの兼ね合いで
欲しい選手を予定している順位では獲れそうにない、
などといった場合には
補強ポイントを翌年以降に持ち越すこともよくある。
一回のドラフトで
補強ポイントを全て埋めきる、
投手・捕手・内野・外野のポジションを均等に獲得する、
といったことにこだわる必要はない
のだ。

 

2022年野手陣の状況

H打撃成績2022.07.24

打率以外は
リーグ平均程度の数字が並んでいる。
その単純なヒットの多さで優位性を保っている様子が
現時点での得点力にも表れている。

HF年代表1

HF年代表2

前半戦かなり好調だった
今宮と牧原の成績がかなり下がっている。
代わりにデスパイネが戻り
柳田の調子も少し上向き傾向ではあるが、
先ほど書いたように
交流戦以降の得点力は大幅に下がっていた。
これは、
「主力」にあたるほどの打席数は出られなかった
他の選手たちが結果を残せなかったのも
一因と考えられる。
上の年代表で絶不調の甲斐、松田、ガルビスは
交流戦後にたいして打席数が増えていないのだ。

H若手C,OF

若手のキャッチャーは
谷川原と九鬼が絶不調で
海野と支配下登録された渡邉の調子は悪くない。
ただあくまで「悪くない」程度なので
傍から見れば
アンチの多い甲斐を
そう簡単に「さっさと替えろ」とはなれない状況だ。
柳町以外の外野は
ルーキーの正木がまずまずだが
センター候補が少ない印象がある。

H若手IF

内野の若手は
外部の極端な期待度の高さに比して
二軍成績が伴っていない。
昨年そこそこの結果を出した三森と川瀬は
既に一軍要員。
去年より成績をかなり落とした井上と
二軍で初めて結果を出し支配下登録された黒瀬以外は
停滞というか
今年の伸びが非常に緩やかといったところで、
昨年の三森と川瀬の成績を上回っていない。
若手の有望株こそ非常に多いものの
一軍の二歩手前あたりからの成長が全員牛歩で
一歩手前になかなか到達しないため、
「我慢して使わないと育たない」と言う
外部の人たちの本音である
「使えばすぐ結果を出す」ランクには
まだ到達していないと言えるのだ。

 

補強ポイント

四軍の設立をうたい
昨年育成選手の大量指名を行ったホークス。
新たな試合メンバーをそろえるためか
育成まで見るとバランス重視のドラフトをしており、
今年もそのような指名を続ける可能性は高い。
ただ二軍と三軍の対戦レベルの差は激しく、
同じ三軍の試合でも
たとえばアイランドリーグと九州アジアリーグでは
まだまだレベルにかなりの違いがある。
なので
三軍に次ぐ四軍の選手をそろえるのか、
今の二軍と三軍の間に相当する選手を集めるのか

まだ見えてこないのだ。

支配下での補強ポイントは
二軍に準一軍レベルの選手を増やすこと。
高校生の指名が極端に多いこともあって
まだ三軍で鍛えたいレベルの選手が
過剰に二軍へ押し出されてしまったり、
二軍の選手不足で無理に引き上げざるを得ない
といったケースが多くなっている。
二軍で長くじっくり育成したい選手ばかりが増えて
最も肝心な
一軍への選手の供給が滞ってしまうのでは
本末転倒
だ。
昨年と同じく
支配下では大学生と社会人中心、
育成を高校生と大学生中心に分け、
高校生の支配下指名は
自力で早々に二軍へ上がり
2年目までには最低でも二軍平均ぐらいの成績を残せるかどうか。
そのぐらいの力を持つ選手に絞りたい。
その中で一軍への供給を増やしたいのは
センターとサード。
外野はともかくセンターとなると
若手の層があまり厚くないので
打力のあるセンター候補を獲る余地はある。
サードは
ファーストやDHでの起用も考えたい枠なので
早めに一軍へ上げられる逸材がいれば
若手をもう一人獲得しても供給過多を何とか防げる。
ちなみにどちらも
少し前に即戦力候補の抽選を外したポジションだ。
今宮の年齢などを考えると緊急性が高いショートも
即戦力候補を補いたいところだが
川瀬、緒方、川原田の守備評価次第では
即戦力を獲らないのではないだろうか。

 

投手補強ポイント

投手についての基本的な考え方

野手と比べて
投手は年齢による成長・衰えのばらつきが激しく、
故障や不調などからくる戦力外も早い。
また近年は
個々のイニング、登板数を抑える代わりに
投手の調子を見極めた一・二軍の入れ替えが激しく、
一軍である程度使われる主力の数そのものは激増している。
そのため
一部のドラフト評論などでも主張される

  • 二軍以下で将来を見越して何年間も育成し続ける
  • より力のある選手を差し置いてでも、若い投手をただ一軍で使い続ける

このような手法は
以前にもましてとりづらくなった。
それよりも

  • 最低限の出場選手登録人数にこだわることなく、一軍で起用可能な投手の絶対数を増やしていく
  • 今年台頭した若手が来年以降も活躍し続けることをあてにして、目の前の年齢(特に18歳)と将来性に特化した指名を繰り返してはいけない

これらがどのチームでも最重要課題になる。

 

2022年投手陣の状況

H投手成績2022.07.24

被安打の少なさはライオンズ以上。
しかし四球が多いうえに
被HRは圧倒的と言っていいほど多い。
四球の多さはここ数年変わっておらず
三振率の高さと守備力を生かして
失点を抑える形が続いている。

HSP年代表

HRP年代表

一軍で個人スタッツがいまいちな選手は
被HRの多いケースが目立つ。
今年結果を出している新鋭は大関
アイランドリーグからNPBに復帰した藤井。
ただ大関
病気で長期離脱を余儀なくされてしまった。
リリーフ陣は
防御率は良いもののFIPがいまいちな選手が多く
概ねHRが多いか四球が多いかのどちらかである。
どういうわけか
三軍の先発・ロング要員が育成枠の左腕に集中している。

 

補強ポイント

現代の一軍での投手運営を考えると、
特にファーム組織を拡充するのであれば
二軍は単なる育成の場ではなく
準一軍として位置付けたいところ。
現在のホークス二軍は
この供給がさほどうまくいっていない。
先発は故障者が二軍に戻ってきているものの
一軍と二軍に限定すると
三軍でもまだ投げていない風間を
皮算用で追加しても
合わせてぎりぎりの人数しかいない。
こちらもすぐ二軍で投げられるレベルの
投手が欲しいところだが、
最近の
即戦力に近い形で出てくる先発は
大関、田上や大竹など
下位指名と育成出身がかなり多い。
これに味をしめて
支配下の上位・中位では
素材偏重志向へさらに傾く可能性もある。
またこれまでのホークスの傾向からいって、
リリーフは
即戦力となる大卒・社会人投手指名を3年疎かにすると
厳しい人材難に陥る。
ここ2年間はそういう選手を獲れていないため、
今年は
リリーフ起用が想定される即戦力を大量に獲得した
2018年の再現を狙うのも
選択肢の一つに入ってくる。

*1:平均得点3.19でリーグ5位。コロナによる中止前は3.33