スポーツのあなぐら

主に野球のデータ、ドラフトについて書いていくブログ。更新頻度は気まぐれ

2021年阪神タイガース ドラフト補強ポイント

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①大学生ぐらいの打てる内野手
②将来のセンター候補を含めた外野手
③素材重視から即戦力投手指名への転換

 

 

戦力分析

61-45-4 .575① 447②-429④ .521③
(9月13日時点)

9月中旬の時点では首位、
10月初めでもヤクルトに食らいついている阪神
得失点に対してかなり勝ちを上積みしている。

 

野手

平均得点4.06② RC458④ SLG.395④ OBP.314④ OPS.709④ SB94①

TF年代表1

TF年代表2

平均得点は4年ぶりにリーグ上位の一方で
それ以外の打撃成績は平均並みといったところ。
前半好調だった佐藤輝が調子を崩し
9月後半はサンズも調子を落としている。
前半戦は
スタメンとベンチ要員が明確に分かれていた反面、
状態の悪いスタメンが増えたことで
層の薄さが浮き彫りになってきている。
梅野が例年より低調なのは
優勝争いをしている負担も一因だろうか。
こういうパターンは
伸び盛りの若手・中堅捕手でもしばしば見かけるが。
中野は打撃成績だけなら
1年目の木浪(.657)とほとんど変わらない。
二軍を見ると
ファンの期待度が高い井上は
三振率が相変わらず非常に高いうえに四球を選ばない粗さがあり
もうしばらく時間がかかりそうだ。
ただ三振率34.5%は38.7%の江越よりは低い。

 

投手

ERA3.60③ WHIP1.27③ FIP3.63② K/BB:2.34④ K-BB:10.4%⑤

TSP年代表

TRP年代表

投手陣は例年に比べると
リリーフ陣にやや不調な選手が目立つが
ルーキーの伊藤将や2年目の及川など
新しい選手も台頭。
のが少し気になる点。
もともと三振率の高い
メッセンジャー藤川球児がいなくなったこともあってか
ここ2年間は
奪三振率が大幅に減少している。
二軍は
好調な選手がかなり限られていて
高橋が一軍へ戻った今は
余力がほぼ残っていない。
藤浪、齋藤、及川は
二軍では先発要員だった。

 

過去のドラフト傾向

T1巡

基本的に大競合への特攻が多い。
くじ運が良くないわりに勝利数が多いのは
ほとんどがもっと運の悪いチームとの対決によるもの。
例外は2012年の藤浪で競合したロッテぐらいだ。

T2・3巡

3位指名まででは
野手の指名が全12チーム中最多で、br> 2年目に野手転向した一二三を加えると
野手獲得率は50%を超える。
これだけなら
野手の上位指名が功を奏したようにも思えるが、
上位野手を主張する人たちから賞賛された
北條、江越などの指名よりも
大山や2008年、2018年のような
彼らから批判された指名のほうが
戦力や有望株の輩出につながっている気がするのは
どういうことなんだろう。

T指名数

野手は世代交代に苦労し続けたこともあってか
大学生の指名が多く、
一気に若返りを図った
2015~17年は特に顕著だった。
長らく「高齢の即戦力ばかり獲る」と叩かれていたが
社会人はあまり獲らず
最近増えた社会人投手も
22歳以下の選手が多い。

補強ポイント

新戦力の裏で切迫している問題点

ここ数年のドラフトの成果もあり
何とか世代交代を果たしたタイガース野手陣。
一軍主力候補の層が厚くはないので
ドラフトでも現有戦力の底上げを図りたいところ。
ただしタイガースの場合
守備力の増強をしようとすると
守備や肩だけで打力は三の次ぐらいの選手を
獲りに行くことが多い。
すぐに主力争いができる打力の選手を獲らないと
糸原や中野、木浪クラスになるのも難しいので注意したい。
最低ラインとして想定したいのは
社会人なら今書いた3人、
大学生なら
大学時代の高山や江越ということになる。
次世代候補はかなり問題。
何とか5年後のスタメン奪取も想定可能なのは
小幡と井上ぐらいで
2年目の遠藤と藤田が特に厳しい。
ポジション面では
まず糸原の後継を
中野、小幡のどちらかだけで充分と考えるのは
虫が良すぎるので
大学生ぐらいのセカンドが可能な内野手
外野は
島田、小野寺が一軍へ回ることを想定し
大学生と高校生を1人ずつ獲得してもいいぐらいだが、
最低1人はセンターが必要ななかに
レフトを2人獲らせようとする*1のはやめよう。

投手はいささか悠長に構えすぎたようだ。
特にリリーフは先述のように
先発要員を何人も回して
何とか人数を保っている状態。
最初の2年間は通用した小野や
ドラフト時には評価が高かった守屋、
周囲からは投手育成で象徴的に扱われていた
望月、才木、浜地など
故障等もあったとはいえ
殻を破れていない選手が実に多い。
これは
ドラフトで素材中心の指名をし続けたのが一因。
その素材を短期間戦力にすることには長けていたが、
そこからすぐに長く活躍する選手へ成長したのは
今のところ青柳ぐらい。
「育った」と称賛されたあと
さらに7、8年の時を経て活躍しだす
秋山のような選手が
この中から何人も出てくるかは
さすがに疑わしい状況だ。
二軍で四球率が高い西純や
これまでに獲得した
大卒・社会人の素材型と同じタイプの佐藤蓮など
世間の評価が非常に高いここ2年のドラフトでも
この傾向は変わっていない。
素材を長く活躍する戦力に育てるためにも
必要なのは
大学生、社会人、高校生問わず即戦力。
また藤浪、齋藤、及川、西純などを見ると
先発タイプ、リリーフタイプの適正の見極めや
育成の仕方にも
いささか難を抱えている印象があり、
育成方針自体の見直しも
今後の課題になるように思う。

*1:たとえば大学生スラッガー+前川右京など