スポーツのあなぐら

主に野球のデータ、ドラフトについて書いていくブログ。更新頻度は気まぐれ

せっかくなのでMLB本拠地も判定してみた

スポンサーリンク

 

前回の補足も兼ねて
MLB本拠地もおおまかに判定をつけてみた。

MLBを判定した結果

f:id:Ltfrankc:20200403224040j:plain

結果はこうなった。
人口はわかりやすいね。
MLBの本拠地都市圏のうち、
150~200万人はミルウォーキーしかない。
あとは8チームが200万人台。
2チームをかかえる3都市はいずれもA+になる。
シカゴは中京大都市圏とほぼ同じ人数、
アメリカで一番多いニューヨークが関西とほぼ同じだ。
気候はそもそも
アメリカの気候を基準に判定していたうえに、
昨年まで暑すぎる地域の中に含まれていた
レンジャーズのアーリントンが
今年から開閉式ドームに変わるので
全チームA-以上になるのは当たり前といえば当たり前。
A-は4月が新潟より寒い屋外球場をさす。

交通は日本と少し判定基準を変えてある。
アメリカは道路以外の公共交通利用が前提になる日本と違って
基本的に車社会でもあるので、
駐車場と周囲の道路に充分な広さがあれば
車やバスのみの球場でもA判定にしてある。
少なくともA判定は
駐車場の広さなら日本最高クラスの充実度をほこる
新潟ですら比較にならないレベルだと思ってほしい。
B判定はその駐車場がそこまで広くなく、
交通機関とも徒歩10分程度の距離がある都市が該当する。

 

あえてAAAも判定してみた

さて、せっかくなので
同じ基準でマイナーリーグも判定してみたら
どうなるか考えてみた。
ただし気候はさすがに一部の地域しか調べていない。
フロリダ州がないので雨でマイナス点がつく都市はなさそうだが、
4月が寒い地域はいくつかあるし
暑すぎる地域もおそらくあると思うので、
A-かCのつく都市はでてくるはずだ。

f:id:Ltfrankc:20200403224017j:plain

ローレンスビル(30,000人弱)とタコマ(200,000人弱)は
それぞれアトランタとシアトル都市圏にあたり、
MLBと重複している。
200万人台のBランクは3チーム。
ここはMLBとの重複はないものの
シャーロットがNFLパンサーズとNBAホーネッツ、
サクラメントNBAキングス、
サンアントニオにはNBAスパーズが重複しており、
シャーロットとサクラメント
それぞれのホームは1.5kmも離れていない街中にある。
ただしサクラメントサンアントニオ体感温度がやや問題で、
サクラメントアトランタフロリダ州の中間ぐらい、
サンアントニオはアーリントン並の暑さがある。

AAAクラス程度だと、
バス以外は公共交通のない都市がかなりあり、
MLBほど広い駐車場や道路を擁していないことも多い。
もっとも収容人数が平均11,500人、
平均来場者数も平均6,500~7,000人となると
そこまでの設備は必要ないとも言える。
球場の評価がB~Cになっているのも理由は同じ。
外野は日本の地方球場と同じ芝生席の球場が大半で、
マイナーリーグでは不足のない設備でも
MLB用を想定した今回の基準では改修必至なためB以下になっている。
ただ日本のように
芝生に10,000~20,000人詰め込む設定の球場はなく、
内野の座席は2ヶ所を除いて全てカップホルダー付の跳ね上げ席。
残る2ヶ所は跳ね上げと背もたれ付ベンチの併用だし、
NPBでも最近増えてきたテーブル席の充実している球場も目立つ。

 

マイナーリーグ」レベルにMLBを誘致できるのか

残念なことに
AAA球場の駐車場や道路がいくら広くないと言っても、
新潟ぐらいのものを持っていてようやくAAA最低ランクである。
たとえ駐車場ではエコスタのほうが勝っていても
道路事情で分が悪いことが多いのだ。
球場も日本の地方球場では有数の充実度と思われる
エコスタ、倉敷マスカット、松山坊っちゃんですら
マイナーリーグの下のレベルにすぎない。
もっとも日本の地方球場は
野球道にいそしむアマチュア野球を
好奇心で見に行く人用に作ってあるのだから、
観客が楽しむためのエンターテイメント用に作られている球場と
大きな違いがあるからといって
作った側を責めるわけにもいかない。
それ以上にきついのが気候と都市圏人口。
特に都市圏人口は
チームや行政や企業がどうにかしようとしたところで
いかんともしがたいものがある。
試しに各球場が上手く改築された場合の判定を見てみよう。

f:id:Ltfrankc:20200403223950j:plain

球場を改修しても
そこまで大きな効果にはならないのがおわかりだろうか。
前回も書いたが、
そもそも「有力候補地」自体が
球場設備という
後から何とかなるポイントが優れている都市ばかりなので、
そのポイントを改善したところで
プラス要素はそこまで増えない。
新チームやNPBどころか
各行政ですらどうすることもできないマイナス要素が
「16球団構想」には重くのしかかっている。
なにせ特に有力視されている新潟はAAAレベル、
那覇と松山にいたってはAAAの中でも下のレベルにすぎないのだ。

プロ野球は観客に見せることを前提とした興業である。
だが観客に試合を見せたくても、
また熱心なファンが応援するチームの試合を見に行きたくても、
見に行けるファンの上限が乏しい都市では
努力の限界も早く訪れてしまう。
アメリカ基準でも1試合平均10,000人を大きく下回る日本の都市圏で、
週6日合わせて1試合平均20,000人以上を
どうやって集めようというのだろう。
精神論と陰謀論で何とかなる程度に考えている賛成派は
この事実に対して何か物事を考えているのだろうか。
そもそもこの人たちはたとえ地元にプロ球団が誕生しても
本当に試合を見に行くのだろうか。
少しでも目算が合わなかったら
「努力不足」と袋叩きにすると思われる程度の賛成派は
むしろ現実の「16球団構想」に対する害悪にしかならない。