スポーツのあなぐら

主に野球のデータ、ドラフトについて書いていくブログ。更新頻度は気まぐれ

16球団構想候補地を判定してみた

スポンサーリンク

 

現在プロ野球は開幕自体も非常に危ぶまれている状況だが、
そんな中でもときおり話題が挙がってくる、
いやあるいは
開幕できないこの状況だからこそ話題にしやすいのかもしれない
16球団構想の候補地について、
主だった都市を私なりに判定してみたいと思う。

各候補地の判定

既存12球団の判定

ちなみに現在12球団があるところについてはこうなる。

f:id:Ltfrankc:20200401002504j:plain

人口は
都市圏人口200万人台はB、300万以上はA。
A+は2球団以上あっても問題ない地域のことで、
非常に人口の多い南関東はA+++でもいいぐらいだ。
気候
ドーム球場は関係なく安心して見られるからA、
南関東の屋外と広島は雨がかなり多いのでC。
甲子園は西宮のデータがわからなかった。
大阪並の暑さならD、神戸程度ならBになる。
交通は
駅から遠いとされる球場は評価が下がる。
それでも元の輸送力が非常に高い交通機関ばかりだから、
現在の12球団はどこもB以上をつけられる。
球場で唯一Bをつけたのはメットライフドーム
外野が芝生席なのが理由。
これでわかるように
芝や屋根のつけ方などは一切考慮しておらず、
判定の基本基準は座席の作りと
その座席の改修がどの程度必要かによる。
Aは少なくとも内野まで全席跳ね上げ椅子。
総合判定の基本最低条件はBだ。

新潟

HARD OFF ECOスタジアム新潟

人口 気候 交通 球場 総合
D B- D C D

夏の気温はいいほうだが雨はそこまで少なくない。
さらに4月が若干寒いため仙台と同じB-。
球場はネット裏以外の内野席が単なる背もたれだけ、
外野が芝生と木のベンチなので
良いほうではあるもののできれば改修したいか。
問題は人口と交通で、
150万人に満たない人口と
バス以外の公共交通機関がないこの球場では
集客がかなり厳しい。

 

宇都宮

宇都宮清原球場

人口 気候 交通 球場 総合
C C D(B) D- D(C-)

交通は数年後のライトレール開業で大きく変わる。
都市圏人口は新潟よりも多く、
雨が多いが暑さは南関東とほとんど変わらないので
気候も何とかなる。
ただし球場の観戦環境はかなり劣り、
座席の全改修が必要と考える。

 

静岡

草薙球場

人口 気候 交通 球場 総合
D(B-) D A D D

沢村栄治の快投という
歴史的には非常に価値のある球場だが、
駅の近さ以外は良い点数をつけられない。
球場は7年前の大改修でかなり近代化したものの、
座席は「良い地方球場」レベルなので
新球団用にはプロの常用レベルにしなければならない。
そして気温はまだ何とか耐えられるかも程度だが、
雨があまりにも多く点数も大幅減となる。

 

浜松

浜松球場

人口 気候 交通 球場 総合
D(B-) D C D- D-

どうしてもこういう評価になってしまうのが浜松。
一番ましな交通も
駅からの距離以上に歩道の狭さが評価を下げた。
静岡並の雨の多さもかなりネック。
静岡より唯一ましなのは人口だが、
それでも150万未満に変わりはないので判定は同じ。
人口のカッコ内は静岡・浜松都市圏としての判定。
こちらだと数としては札幌、仙台、広島を上回るけども、
元々都市圏が広がりすぎに見えるので
BじゃなくB-にしてある。
これは静岡も同様。

 

京都

わかさスタジアム京都

人口 気候 交通 球場 総合
B(A+) D A C- C

人口Bは京都としての判定で、
関西大都市圏だとA+になる。
ここも駅が近く交通だけはAをつけられる。
ただし雨がそこそこ多く暑すぎる気候は大きなマイナス。
球場はネット裏が跳ね上げ式になっているため
ここだけは改修しなくてもいいか。
とはいえ全体で20,000人収容の球場なので、
プロが入るには他でかなり無茶な改修が必要になりそうだ。

 

岡山

マスカットスタジアム

人口 気候 交通 球場 総合
C C B C C

中庄駅からは広い歩道を歩けるため
交通面は他の12球団本拠地と変わらない評価。
人口は宇都宮とほぼ同じだ。
跳ね上げ式の座席はネット裏にしかないが
内外野とも個別席なので、
改修後も収容人員はさほど減らないだろう。
雨がそこまででもないぶんC判定にはなるけども
元々ギリギリのラインだった気温がさらに上昇しているのがネック。

 

松山

坊っちゃんスタジアム

人口 気候 交通 球場 総合
E D B C D

最寄駅の市坪は大量の人を捌くには小さいようで、
非常に近いものの改修が必要なのでB判定。
球場の観戦しやすさは新潟、倉敷と同じで
他よりは改修が少なくて済むだろうか。
その反面厄介なのは人口。
倉敷と同様に気温の上昇がやや激しい気候も懸念材料だが、
人口のほうは都市圏全体でも100万人を大きく下回り
常時観客を集めるのが非常に困難な地域になっている。
四国全体で考えればいいと単純に思う人もいそうだが、
JRで松山―高松の距離は
東北だと仙台から南は黒磯、北は盛岡まで行け、
北海道では札幌―旭川より60km近く長い。
東京起点なら熱海の2倍弱ある。

 

熊本

リブワーク藤崎台球場

人口 気候 交通 球場 総合
D E B E E

路面電車の停留所がわりと近く、
交通に関してはそれなりの評価はできる。
しかしそれ以外はかなり厳しい。
球場には背もたれがなく座席全改修必須、
都市圏人口は150万人をやや下回る少なさ。
さらに気候はひどく、
かなり暑い上に
6、7月の雨量は月平均400mmを超える。
残念ながらプロの試合を
屋外で何十試合も予定していい都市ではないようだ。

 

鹿児島

平和リース球場

人口 気候 交通 球場 総合
D E C E E

熊本と評価は似ているが、
市電停留所とはやや距離が離れているうえに
都市圏人口は110万ちょっとと熊本よりかなり少ない。
はっきりいって熊本以上にお勧めできない都市と
考えざるを得ない。
球場は熊本よりほんの少しましにも思えるが
全改修が必要な点は同じ。
雨も7月は熊本ほどじゃないが
6、8、9月は熊本以上の豪雨地帯。
やはり屋外での連戦続きはしんどいだろう。

 

那覇

沖縄セルラースタジアム那覇

人口 気候 交通 球場 総合
E D C E E

モノレールの駅は近いけども、
車社会の沖縄では駐車場が近くにないほうが厄介なので
交通はC。
そして那覇は本州四国九州よりも意外と気温が低く、
風がやや強いため体感温度も悪くない。
雨の多さで相殺されてしまうが南九州よりはまだいい。
しかしさらなる大改修を必要とする球場に加えて
何といっても人口が最大のネック。
那覇都市圏は松山より少し多い程度の人口しかなく、
100万人よりは大きく下回ってしまう。
利点がブルーオーシャンズの熱意ぐらいしか見当たらないのは痛い。

 

判定を覆せない要素

各球場の判定をまとめるとこうなる。

f:id:Ltfrankc:20200401002318j:plain

総合判定Cでも新球団は厳しいという評価なのだが、
良くてもC判定、
DとE判定ばかりになってしまった。
最初にあげた
12球団所在地がいかに恵まれているかがわかるだろう。

さて今回の判定材料4つのうち、
右にいけばいくほど
人力で判定を変えられるものなことにお気づきだろうか。
球場自体はその土地や行政、資金などと相談しながら
改修していけばいいものだし、
実際に楽天は長い時間をかけてこの作業を進めてきた。
その楽天誕生前の仙台を同じ基準で判定したのが一番下になる。

次に交通と気候。
これを覆す方法は新球場の建設だ。
交通は新球場の場所次第で判定が変わるし、
気候そのものは人為で変えることができないが
ドーム球場を作れれば何とかなる。
当然、球場そのものの評価にも関わってくる。
この発想と似たような形になったのは札幌。
札幌ドームができる前だと
球場は駅からかなり遠く、
4月に試合ができないため
気候面は最悪の判定である。
気候に左右されないドームの存在がいかに大きかったか。

その一方で、
各球団の努力ではどうすることもできないのが人口だ。
その市の人口だけ見てMLBと比較する人は多いけども、
残った都市圏の人口ではMLBと歴然たる差がある。
しかもこの問題は、交通と気候にも関わってくる。
大型新球場建設の時点で大金を使うことになるうえ、
大都市の少ない各地域に
果たしてドーム球場を作り維持する力があるのか。
建たないと気候的にきつすぎる地域がほとんどなだけに、
この点は本当に重大な問題と言える。

非常に残念なことに、
新球団のエクスパンション候補とされることが多いのは
ブルーオーシャンズが将来の参入を目指している沖縄を除くと
一番右の「球場」がそれなりの都市が目立っている。
その結果、
それ以外のより重要かつ改善の非常に難しいポイントは
むしろより厳しいマイナス点だらけのところに集中しており、
中でも特に推奨されやすい
新潟、松山、那覇、南九州は
球場改修程度では到底成り立たない都市だ。
単に日本地図を見て「このあたりが空いてる」
あるいは「推進するソフトバンクがいるから何とかなる*1
程度に考えているのかもしれないが、
現実は非情である。
ドームが先に建てられた札幌と
球場をうまく改修できれば良好だった仙台に球団がなかった
2002~04年時点の状況とは全く異なるのだ。
それでもこれらの候補地に新球団を置かせたいなら、
人口を必要とせず気候や交通問題にもとらわれない戦略を構築し、
これまでのMLBNPBがとってきた経営戦略そのものを
大きく変化させる必要がある。

あともう一つだけ。
たしかソフトバンクの王会長も
「この話は時間がかかる」とどこかで言っていたと思うが、
過剰に拙速を求めるのは禁物だ。
普通に考えればまず数年後に2球団増やして14球団、
次にまた5~10年といったスパンの間にもう2球団で計16球団。
MLBのエクスパンションの例を踏まえても
球団数を増やすならこの程度の速度が精一杯のはずである。
何度も言うが、
この問題に関しては
「来年頭にも4球団をいっぺんに増やせるはず」と
思っている人が多すぎる*2
ただでさえ今後の経済はどうなるか予測不能なのだから、
拙速はなおさら厳禁だ。

*1:これは南九州の場合が該当する

*2:あと「ナベツネが亡くなればすぐいける」などと言いだす人も後を絶たない