スポーツのあなぐら

主に野球のデータ、ドラフトについて書いていくブログ。更新頻度は気まぐれ

2019年前半戦終了時点でのドラフト補強ポイント

スポンサーリンク

オールスターも終わって明日から後半戦が始まるプロ野球
高校野球は各地で夏の予選が、
社会人は都市対抗が開幕して
ドラフト候補の視察も佳境を迎えつつあるところだ。
今回は前半戦の状況から
今年のドラフトでの補強ポイントについて見ておこう。
投手はいつでも補強ポイントなので書くのは基本的に野手だけ、
順番は昨年の下位チームから。

 

東北楽天 40-40-2④ 367-358

f:id:Ltfrankc:20190714183418j:plain


f:id:Ltfrankc:20190714183400j:plain


前半戦は首位争いをしていたが、
交流戦明けに失速してしまった。
新加入のブラッシュと浅村に茂木の調子がいい。
島内と銀次は起用自体に批判が多いが、
銀次の場合、二軍の内田より打っているという現実がある。
先日のトレードで和田を獲得したように
とにかくスラッガー候補の伸びが悪く、
OPSは悪くないが三振がやたら多いのがネック。
現状だと全盛期前の内野の年齢層が空いているので、
獲るなら大社ショートになる。
ふさわしい候補がいればの話だが。
高校生は捕手か育成枠の外野手にとどめておきたい。

阪神 39-41-4② 313-338

f:id:Ltfrankc:20190714183331j:plain


f:id:Ltfrankc:20190714183309j:plain


打線全体として見ると、昨年の近本、木浪の指名で
とりあえず打線のさらなる劣化を最小限に食い止めた形。
20歳前後の選手が極端に少ないのは事実だが、
重要なのは選手のピークに向かって
世代交代をしっかり行える体制を作ることであって、
18歳と19歳の年代表を集めてにやにやすることではない。
それに阪神は2年間に高校生野手を3人抽選で外してるしな。
今年のポイントは梅野と糸原の後を狙えて
5年程度は年が離れている選手。
「いないから今年は高校生を獲って育てよう」も間違いではないが、
その場合でも来年はまた大学生か大卒社会人が必要な状況は変わらない。

千葉ロッテ 39-40-2⑤ 368-351

f:id:Ltfrankc:20190714183229j:plain


f:id:Ltfrankc:20190714183215j:plain


一部では藤原、安田、平沢の存在で上位候補と目されたロッテ。
現実にはレアード加入と荻野、鈴木、清田の復活で
チームの打力が大幅に向上した。
噂されているホームランラグーンへのHRはさほど多くなく、
それよりもラグーン設置による意識改革のほうが大きいようだ。
今シーズンに限って言えば若い安田、藤原、山口は使う場所がなく、
平沢は藤岡以上に絶不調で今後の出番は多くないだろう。
補強したいのは大学生か社会人の内外野全般だが、
内野は今年の候補を考えると
あと2~3年平沢と茶谷の伸びに託すしかないかも。
田村の後継になる捕手は年齢問わずそろえたい。

中日 37-43-0⑤ 306-310

f:id:Ltfrankc:20190714183119j:plain


f:id:Ltfrankc:20190714183109j:plain


投手陣に故障者続出のわりにはかなり奮闘していたが、
徐々に投打がかみ合わなくなってきた。
一時期救世主扱いだった伊藤康がこの数字で一軍昇格してたのだから、
いかにチームが重症だったかがうかがえる。
1年目で二軍平均レベルを打っている石橋も、
だからと言って今一軍で使ってしまうと
5年後は炭谷か良くて田村という未来が見えるんですが大丈夫なんですかね。
それどころか人によっては今の根尾ですら
即一軍で使えば立浪になると信じるドラフト評論家もいるらしい。
指名したいのは年代表がちょうど空いている大学生全般。
高校生を獲りたいなら、まだもう少しかかりそうな石垣を
どのポジションで育成していくか考えながら候補を選んでいきたい。

オリックス 36-42-5⑥ 293-359

f:id:Ltfrankc:20190714183021j:plain


f:id:Ltfrankc:20190714183011j:plain


打線が明らかに1チーム落ち込んでいて、
投手陣も言われるほど良くはない。
よくこの程度の負け越しで済んでいるなという印象すらある。
高卒野手を獲らないから打線が弱いと判で押したように批判されるが、
現実は乱獲している高卒野手が悪すぎるのが低迷の原因。
この表を見ると実にわかりやすい構成になっていて、
吉田正以外は高卒大卒社会人関係なく
25、6歳で打撃がようやく伸びてくるようだ。
なので、3年後を見るなら大卒か社会人の野手を獲り、
あと10年弱低迷してもいいのならさらに高校生を増やす選択になる。
伸びない若手を無理に増やすぐらいなら今年は指名を控える、
というのも選択肢の一つだ。

横浜DeNA 39-41-2② 334-330

f:id:Ltfrankc:20190714182925j:plain


大連敗していたはずが
いつの間にか借金完済間近まで戻して前半戦終了となった。
筒香の流出が心配される外野陣は
神里が好調な上に佐野、乙坂も調子を上げ、
下では関根と細川も徐々に成長しつつある。
「上位指名じゃないから意味ない(意訳)」と言ってた人たちは
どうやって手のひらを返すつもりなのだろう。
一方内野手の伸び悩みは深刻で、
宮崎と大和が衰えると完全崩壊の危機である。
年齢がちょうど空いている大卒社会人を狙いたいところ。
倉本クラスでも十分な戦力になるはずだ。
現有戦力では大河の四球が多いのが救い。
使えるようになるのはまだまだ先だろうが。

北海道日本ハム 41-39-4② 354-347

f:id:Ltfrankc:20190714182842j:plain


f:id:Ltfrankc:20190714182821j:plain


21、2歳あたりで出てきた選手以外の伸びがすこぶる悪く、
少しでも出てきた選手は怪我が多い。
若手の数が過剰に多いために、
一軍で使わなければ首脳陣が叩かれ、
言われた通りに使って予想通り駄目だとやはり首脳陣が叩かれる、
意味不明な構図になりつつある。
渡邉が今年も好調でセカンドは何とかなりそうなのが収穫。
どのポジションを獲るにも年齢層がかぶりすぎていて、
大学生か社会人を獲るなら中堅・ベテランよりも
伸びの悪すぎる若手を切る方が下での出場機会を増やせそうだ。
あと要求されるのは新球場の予想PFを見越した指名か。

読売 48-31-1① 389-310

f:id:Ltfrankc:20190714182654j:plain


f:id:Ltfrankc:20190714182642j:plain


今シーズンの大補強は丸が大成功、
ビヤヌエバや炭谷も一定の成果を上げている。
加えて最近の大社野手ドラフトがまずまずの結果なのも大きい。
ショートとしては年齢的に限界が近づきつつある坂本の後継が
吉川尚、山本あたりと考えると故障癖等の不安もある。
湯浅、増田陸らと中間の年齢にあたるショートが欲しいところだが
本指名候補がいるかは正直微妙。
主力が30代に集中している外野も有望以上のセンターを確保したい。
山下がライトに入れるかどうかがカギになるが…。
捕手は大城だけじゃなく岸田も良くなってきているようで、
そろそろ高校生を獲っても問題ないか。

福岡ソフトバンク 48-32-4① 359-318

f:id:Ltfrankc:20190714182539j:plain


f:id:Ltfrankc:20190714182527j:plain


柳田、中村晃の離脱に対しては
リプレイスメントぎりぎりで何とかという程度。
牧原、上林も不調で厳しかったが、
逆にグラシアル、デスパイネ、甲斐が好調なのが大きい。
故障がちの今宮が最近急降下しているのがかなり気がかりだ。
今シーズンは2年目の増田の調子が良く、
お試しの一軍起用はあるかもしれない。
日本ハムと同様に未熟な若手が多すぎるのに、
こちらはこれから全盛期に達する年齢層が空いている。
現在の戦略だとドラフトでの補強が絶望的なのが厳しく、
現有戦力と育成枠の活用で補うしかないだろう。
あと、ここ2年で1巡野手抽選を4回も外したのに
「上位で野手を獲ろうとしない」と言い放つ評論家は無視しよう。

東京ヤクルト 34-48-2⑥ 368-425

f:id:Ltfrankc:20190714182438j:plain


f:id:Ltfrankc:20190714182416j:plain


全体の打力は高いが突き抜けるほどではなく、投壊。
村上が高卒2年目にしてはとんでもない結果を出しているものの、
さすがに彼1人の成長だけではどうしようもない。
最近のドラフトで将来のポジションを限定しすぎてしまったため、
1人でもポジションがずれるとたちまち構想が崩壊する苦しい状況だ。
現在調子のいいルーキーの中山と濱田が
せめて将来ライトに入れるようじゃないと、
未来への展望は非常に暗いものになってしまうだろう。
年齢バランスを考慮するなら
大卒か社会人のセンター可能な外野手と
中村の後継候補を古賀と争う捕手が補強ポイント。
高校生もキャッチャー、ショート、センターなら狙える。

埼玉西武 41-40-1③ 423-404

f:id:Ltfrankc:20190714182222j:plain


f:id:Ltfrankc:20190714182208j:plain

打線は相変わらず群を抜いて強力だが、
さすがに昨年ほどの力ではなく、
投手陣もさらに崩れたためこの位置にいる。
打線はDHと左右の外野がネックになっているものの、
それに代わる若手が一軍で結果を出せていない。
現在の補強ポイントはまずその外野。
秋山次第で急を要するポジションのため24,5歳のほうが適している。
内野は外崎に加えて山野辺と佐藤も有望なため、
高校生ショートで将来の二遊間育成する余地がある。
ただし、ショートとしての永江と山田が不安な場合は
21,2歳のショートを狙う手も有効だ。

広島東洋 38-43④ 317-341

f:id:Ltfrankc:20190714182039j:plain


f:id:Ltfrankc:20190714181839j:plain

前半戦で一時独走態勢に入りかけるが、
オールスター前に大連敗。
得失点を考えると5月が出来すぎだっただけに、
逆にどん底ならこれぐらい落ち込んでもあまり驚きがない。
會澤以外の中堅ベテラン勢の調子が軒並み悪く、
センター候補もつまづいて得点力が大きく低下してしまった。
センターを守れるのかよくわからない高橋と、
7月は好調だがずっと一軍の田中と変わらない二軍成績だった小園を
一軍スタメン固定したがるファンが目立って増えていて、
このへんが既に暗黒阪神並の惨状になりつつある。
補強ポイントは大学生か社会人の内野手
来年の候補とも吟味しながらピンポイントに補強する必要がある。
高校生なら3~4年後の鈴木誠也流出に備えた外野か。
中神と林が外野もできるようになると編成の幅が広がるが。

かみ合わない今年のドラフト候補

年代表と現在の一軍・育成状況とを組み合わせてみると、
今年は大学生内野手、できればショートが
補強ポイントになっているチームが多い。
あとは長打力があり、
なおかつそこそこのポジションを守れる*1選手だ。
こちらも切羽詰まっているチームが多く、
6、7年後に一軍レベルに達する高校生では遅すぎる。
そもそもなぜそんなチームが多いかというと、
そのほとんどは何人も獲ってきた高校生が伸びないからであって、
また新しく高校生を獲ったところで
一軍の穴を埋めるまでの時間を数年先延ばしにするだけなのだ。
それなら現在の高卒選手をある程度吟味したうえで、
27歳ぐらいまで下で粘ってみるほうがまだ有効でなる。

ところが今年はこれらの候補、
特に大学生ショートが非常に少ない。
社会人ショートも揃っているとは言えず、
プロを志望してかつ指名されるかどうか怪しい選手がほとんどだ。
大学・社会人のスラッガー候補にしても、
プロが誰を本当にマークしているかは不明だが、
巷であがるのはこの春不調だった大学生と
長打はあるが低打率低出塁率高三振率の社会人の2人ばかり。
今年の大学生だと捕手と外野手に何人か有力とされる選手がいて、
社会人もこちらに有望株が多い。
今年の大学生だと捕手と外野手に何人か選手がいて、
社会人もこちらに有望株が多い。
ただ外野の場合センター候補となるとやはり多くない。
現状だと少数の選手の取り合い、
あるいは見送り合いになる公算が大きい。
今年のドラフトで将来の補強ポイントを埋めるのは
難しいことになりそうだ。

*1:守備力がNPB屈指である必要はなく、打撃に支障を来さない程度に 最低限守れればいい