スポーツのあなぐら

主に野球のデータ、ドラフトについて書いていくブログ。更新頻度は気まぐれ

『グランド・スラム』で読む有望選手

スポンサーリンク

 

先日、「迷スカウト」で知られる蔵建て男氏が、
社会人のドラフト候補に注目するための指標の一つとして、
昨年の成績が
「野手は打率.400以上、投手は三振率9.00(1イニング1個)以上」
という目安を挙げていた。
これは雑誌『グランド・スラム』に毎年載っているもので、
あくまでスタッツだけの話なのであえて基準を厳しめに設定したとのこと。

今回はちょっと便乗させていただいて、
2008年以降に指名された社会人選手のうち、
指名される前年にある一定の基準を超えた選手たちを見てみよう。
データは全て『グランド・スラム』に掲載されたもの。

最初に注意点

データを出す前に、いくつか注意点がある。
まず、前年良かったからといって
指名された年も良い内容だったとは限らないこと。
前年より調子はかなり落ちたがドラフト指名される
というケースも決して珍しいものではない。

また、2012年指名の選手はこの中に入っていない。
2011年は東日本大震災の影響で、
都市対抗以外の社会人野球大会が行われなかった。
そのため、『グランド・スラム』に掲載がなかったのだ。

投手

投手に関する注意点

投手についてはもう1つ注意点がある。
今回の内容ではなく今年のスタッツを見る際の話。
年間では好成績を残している投手には、
実力差のあるチームにしかほとんど登板しない選手もいる。
都市対抗や日本選手権の予選、
各地区・都道府県連盟主催大会など、
そうした試合の数は決して少なくない。
チームの中でそういう役割を担う投手は、
対戦相手のこともあって自然とスタッツが良くなる。
できれば、好成績を残していた投手が
どのチームと対戦していたのか、
調べられるとなお良いだろう。

三振率8.00以上

f:id:Ltfrankc:20190405233638j:plain

年齢は指名された年の満年齢(以下同じ)。

三振率9.00以上の投手は10人。
8.00~8.99の投手も10人、計20人が該当した。
2013年頃までは全員一軍で実績を残している。
2014年以降だとやや微妙な選手が多くなってきた。

K/BB2.50以上

f:id:Ltfrankc:20190405233622j:plain

三振率は8.00未満だが、K/BBが優秀な選手をピックアップしたもの。
2.50とあまり高い設定にしなかったせいか、
やはり20人が該当している。
こちらも2013年の指名選手までは
一軍で実績を残す確率が高いのだが、
2014年以降はいまいちと言わざるを得ない。

K-BBも載せておいたが、
ここまでに載せていない選手の中で
K-BB15.0%以上の該当者はいなかった。

野手

打率.350以上

f:id:Ltfrankc:20190405233602j:plain

完全な.400超となると新田しかおらず、
.400近辺でも野本と田中が加わる程度。
そこで.350以上としておいたのだが、
これまた該当する選手は少なかった。
しかも一軍で活躍している選手も多くなく、
「ドラフトでは高校生以外入らない」という声が飛んできそうである。
特に中日ファンからは。

長打率.450以上

グランドスラム』には二塁打三塁打は載っていない。
そんな中で、安打数とHRだけで長打率.450以上を記録するなら
かなり優秀なはずである。

f:id:Ltfrankc:20190405233546j:plain

打率.350以上に該当した選手を除くと
石川と山野辺の2人しかいない。

出塁率.400以上

最後に、出塁率.400以上の選手もピックアップしておいた。
なお、『グランド・スラム』では犠打と犠飛の区別がないので、
ここでの出塁率の分母には犠飛を含めていない。

f:id:Ltfrankc:20190405233527j:plain

こちらは一軍実績を積んでいる選手が何人かいる。
2008年にこの成績を残したものの
ロッテ2位を拒否した長野の2007年は、
打率.266、出塁率.356。


なお、今年の候補選手に関してはここでは記さない。
ぜひ自分の目で確かめてから、
現地や配信などで見ていただきたい。

データ出典:『グランド・スラム』No.31~51(小学館、2008~2018)