昨日、東邦高校の優勝で幕を閉じた今年の選抜野球大会。
大会前の球数制限にまつわる流れや、
サイン盗み疑惑やら美爆音やら
何かと話題も多かった今大会だが、
今回はその点は置いておいて、
今大会の全体の傾向を簡単にまとめてみよう。
過去2年よりは投高打低の今大会
今大会の全体のスタッツを過去5年と比べてみよう*1。
M | TAB | AB | R | H | 2B | 3B | HR | SO | BB | HP | IBB | SH | SF | SB | CS | DP | AVG | OBP | SLG | 平均R | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2015春 | 62 | 2302 | 2082 | 212 | 453 | 80 | 22 | 17 | 368 | 163 | 65 | 0 | 112 | 13 | 72 | 19 | 30 | .218 | .302 | .302 | 3.42 |
2016春 | 62 | 2340 | 2065 | 213 | 497 | 77 | 18 | 15 | 364 | 167 | 50 | 3 | 110 | 11 | 50 | 28 | 33 | .241 | .318 | .317 | 3.44 |
2017春 | 66 | 2715 | 2311 | 327 | 599 | 108 | 27 | 23 | 431 | 227 | 60 | 0 | 106 | 11 | 78 | 24 | 52 | .259 | .348 | .359 | 4.95 |
2018春 | 70 | 2752 | 2305 | 332 | 616 | 90 | 29 | 20 | 403 | 246 | 67 | 0 | 108 | 17 | 67 | 28 | 57 | .267 | .362 | .357 | 4.74 |
2019春 | 62 | 2390 | 2065 | 247 | 531 | 71 | 24 | 18 | 379 | 182 | 44 | 1 | 90 | 12 | 54 | 19 | 41 | .257 | .335 | .341 | 3.98 |
打率はそこそこだったが長打が全体的に少なかった今回。
センバツにしてはかなり打高投低だった
ここ2年に比べると平均得点が低いが、
その前2年間よりは得点が多い。
山梨学院が大量24点をとった試合の影響と思われるかもしれないが、
その試合が24-5じゃなく10-5だったとすると、
平均得点は3.76。
大幅に下がったことは下がったけども、
15・16年と17・18年の中間に位置することだけは変わらない。
IP | TAB | PA | H | HR | SO | BB | HP | R | ER | ERA | P/PA | WHIP | K9 | K/BB | K-BB | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2015春 | 547 2/3 | 2302 | 8167 | 453 | 17 | 368 | 163 | 65 | 212 | 159 | 2.61 | 3.55 | 1.24 | 6.05 | 2.26 | 8.9% |
2016春 | 557 2/3 | 2340 | 8432 | 497 | 15 | 364 | 167 | 50 | 213 | 171 | 2.76 | 3.60 | 1.28 | 5.87 | 2.18 | 8.4% |
2017春 | 622 2/3 | 2715 | 9839 | 599 | 23 | 431 | 227 | 60 | 327 | 269 | 3.89 | 3.62 | 1.42 | 6.23 | 1.90 | 7.5% |
2018春 | 624 2/3 | 2751 | 10049 | 617 | 19 | 403 | 246 | 67 | 330 | 282 | 4.06 | 3.65 | 1.49 | 5.81 | 1.64 | 5.7% |
2019春 | 558 2/3 | 2390 | 8803 | 533 | 18 | 379 | 182 | 44 | 246 | 214 | 3.45 | 3.68 | 1.36 | 6.11 | 2.08 | 8.2% |
今大会でおやと思うのが、球数。
センバツでは、打者1人あたりの球数が年々増加傾向にあるようだ。
とは言っても、
夏の大会では春より年ごとの差が大きく、ばらついている。
高校球界全体の傾向とは必ずしも言えないようだ。
ドラフト有力候補について
今回の大会では、
秋のドラフト1位候補とされる中で
「競合間違いなし」と言われるほどの活躍をした選手や、
逆に自滅して大きく評価を下げた選手など、
有力選手に関しては明暗がかなり分かれた。
ただし、こうした選手たちの評価を
今すぐ確定してしまうのはやめよう。
たとえばある年のセンバツで、
ドラフト1位候補とされていた選手が初戦で滅多打ちにあった。
IP | TAB | H | HR | SO | BB | HP | R | ER |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
8 2/3 | 43 | 7 | 1 | 11 | 7 | 4 | 9 | 5 |
優勝有力候補との対戦だったことや
故障の影響があったことを考慮しなければならないが、
11奪三振で素質の片鱗は見せたものの、
11四死球9失点とかなり悲惨な内容である。
しかしその後は故障も癒えて立ち直り、
夏では甲子園出場こそならなかったが、
投打に大活躍で、
結局ドラフト1位で指名されることになった。
誰のことかもうすでにお気づきの方も多いかもしれない。
これ、大谷翔平である。
選手が夏までにどのような成長をするか、
あるいは逆に調子を崩すか、故障してしまうか。
こうしたことはまだまだわからないのだ。
この点は改めて注意しよう。
*1:手計算なので間違いがあるかもしれない。というか、野手成績と投手成績が合ってない。あらかじめご了承いただきたい