2016年にあげたニコニコのブロマガ(当該記事は削除済み)を再構成したもの。
本当に何でいまさらと思われると思うが、
あることを調べていてふと思い出したので。
ゲームの話はいらん、という人は
目次から「有望選手と現実の違い」まで飛んでほしい。
はじめに
たまの野球ゲームネタ。
一説によるとパワプロシリーズでも極めて評価の高いと言われる
パワプロ9のペナントモードの攻略法をさくっと紹介していく。
私はサクセス(苦手)や 9の目玉であるホームラン君(疲れる)はやらない。
試合を操作しない早送り前提のプレイな上、
何だかんだで数年プレイしてない自己流なのでそのへんはご容赦を。
パワプロ9ペナントの流れ
このゲームのペナントは、
1年目から優勝するのはチームによってはほぼ不可能。
だが10年後なら話は別だ。
ペナントモードで10年後に優勝できるチームを作る基本的な方法は3つ。
トレード、外国人、ドラフトである。
FAは無視していい。
このゲームのFAは
FA選手に12球団が順に入札して獲得チームが決まるというものだが、
どういうわけか最後に入札したチームが必ず獲得する仕組みになっている。
そして入札はセリーグ→パリーグの順*1。
しかも厄介なことに、
金銭の概念がなく金満球団だろうとすぐ出ていってしまう。
つまりセリーグならFA選手獲得はあきらめたほうがいい上、
常に流出覚悟でシーズンオフを迎えなければならず、難度が若干上がる。
こうした結果セリーグにはどこも長距離砲がいなくなり、
10年後極端な投高打低リーグが出来上がるのはよくあること。
もう一つ特徴を挙げると、
2002年の日程が10年間続くので、
6月は常にW杯仕様になる。
といっても17年前だから覚えてる人少ないだろうなあ…。
育てたい選手と成長の仕方
さて、どういう選手がいれば強くなるかを説明すると、
まず野手は基本的にはアベレージヒッター(以下AH)がいたほうがいい。
パワーヒッター(以下PH)持ちは打率がかなり不安定で、
弾道や他のパラメータがかなりよくないと真価を発揮してくれない。
ゲームの性質上、
選球眼の良さによる四死球数の増減はたかが知れており、
AHで毎年高打率を残すほうが安定性は格段に増す。
スタッツ的なたとえをすると、
長打は高いが打率が低いために出塁率が低く長打率も伸び悩む選手より、
高出塁率かつ高打率のため長打率も安定して高めの選手のほうが
OPSが良くなると考えればいい。
ただしAH・PHともに不調に陥った際消滅することがあるので、
その選手の成績には注意しておこう。
悪くても使い続ければ伸びるどころか劣化してしまうことがあるわけだ。
あと、AH持ちでも弾道やパワーはあったほうがいいし、
守備力・走力が高いにこしたことがないのは言うまでもない。
あとチャンスに強いと、
パラも成績もそれほどじゃないのに打点だけ残してくれたりする。
投手のほうはとにかく球速。
先発ならスタミナが高くないと厳しいが
リリーフもスタミナが高いほうが有利だ。
逆にコントロールは最低限試合を壊さない程度のものがあればどうにかなる。
次に選手の成長について。
ここも体感の域を出ておらず、
若干の誤差もあると思うが、
基本的には18~22歳の間で急激に成長し、
そこから25歳まではゆるやかな成長を見せる反面、
25歳をすぎると成長はほぼ止まってしまう。
各コーチの特性の中には若手重視・ベテラン重視などもあるが、
若手重視だと伸びがさらに加速するのに対し、
ベテラン重視は伸びの効果はほぼ期待できない。
できるだけ若手重視のコーチで若手を伸ばしつつ、
程よいところで欲しい特殊能力持ちのコーチを招くのが吉。
トレードで大物と若手を獲る方法
これらを踏まえてまずトレードから。
トレードでの狙い目は
①AH持ち
②若手
③それなりに若い強打者
の3点がメインになる。
①は、実在選手では
古田敦也、磯部公一、松中信彦、福浦和也、小笠原道大
の5人しかいない。
チャンス5を持っている磯部、PH持ちの松中、
27歳と最も若く一塁と外野兼任の福浦が便利だ。
古田は年齢がネック、
小笠原は松中と同じ年齢・PH持ちだが
唯一使った時の劣化がなぜかやたら早かった。
これがただの偶然なら松中と同程度に使えるはず。
②若手には
投手
18 | 真田裕貴 |
19 | 秦裕二、寺原隼人 |
20 | 坂元弥太郎、河内貴哉、中里篤史 |
21 | 酒井純也、條辺剛、苫米地鉄人、朝倉健太、 岩隈久志、宮本大輔、佐々木貴賀、正田樹 |
22 | 石川雅規、酒井大輔、矢野修平、杉内俊哉、松坂大輔 |
23 | 五十嵐亮太、谷口邦幸、久本祐一、井川慶、金澤健人、 佐藤友紀、鳥谷部健一、大沼幸二、ユウキ、小川裕介 |
野手
19 | 野中信吾 |
20 | 米野智人、畠山和洋、内川聖一、甲斐雅人 |
21 | 田中一徳、川崎宗則、塀内久雄、 實松一成、田中賢介、森本稀哲 |
22 | ツギオ、古木克明、東出輝裕、浅井良、 吉本亮、田中瑞季、赤田将吾、喜多隆志 |
23 | 岩村明憲、阿部慎之助、山田真介、岡上和典、兵動秀治、 廣瀬純、森章剛、森谷昭人、平野恵一、肥田高志、渡辺正人 |
が該当する。
ただ、球速があがればコントロールはそこそこでいい投手に対し、
野手は伸ばすポイントが多い上に
弾道を上げる手段が少ないため、
他の能力が成長してもいまいち使えないケースがある。
弾道3以上は、畠山、岩村、阿部、實松の4人だけだ。
若手は投手を片っ端から狙うのが基本線だろう。
他チームがドラフトで獲ったばかりの選手を奪いにかかるのも手。
あと23歳は伸びしろが限られるから、
ある程度出来上がった選手じゃないと結局使えないまま終わるぞ。
③ここも9のころだとあまり人材がいないが、
比較的狙いやすいのは岩村明憲。
さてトレードの方法だが、
こうした選手たちは相手も簡単には出さないので、
人数が対等のトレードはまず無理だろう。
ただしAIは左投手と捕手を誰でも欲しがる傾向がある。
この特性を利用して、
チームにいる使えない左投手と捕手を軸に1対3のトレードを狙ってみよう。
2年目以降に備えて
シーズンオフは自由契約の左投手と捕手をかき集めたり、
トレードでそうした選手をあらかじめ獲っておくのも悪くない。
チームの将来を買うためのトレードは、
たとえ今は不利になるものでも積極的に行うべし。
外国人の獲得法
続いて外国人。
ここはほとんど戦略を忘れてしまっているのではっきりしたことは言えない。
ただ野手ならアベレージ型の若手、
投手なら速球派の若手が、
当たった時に長く使えて便利だったはずだ。
ただし外国人はシーズン中でもいきなり退団・帰国したり、
スカウトの調査とまるで合わない不良品が来るのはよくある。
ここは数を撃って当たるのを待つしかない。
評論家好みのドラフトをする
さてドラフトである。
選手の成長を見たところでもうおわかりかと思うが、
このペナントは小関順二氏監修かと勘ぐりたくなるほど高校生が強い*2。
18~22歳の成長がとにかくすさまじい上に、
なぜか大学生や社会人*3のパラが
高校生とほとんど変わらないので、
高卒が22~24歳になるころにはとんでもない実力差がついてしまう。
「高卒でプロに入っておけば今ごろ主力になっていたはずなのに」
「大学・社会人に行ったから成長できなかった」
というよく聞く妄想がそのまま具現化された作りになっている。
なのでドラフトは断然高校生。
ただし候補の出自や年齢は、調査しても判明しない場合がほとんどだ。
キャッチフレーズから明らかに大学生や社会人とわかる選手は調査を極力控えつつ、
目をつけた選手がドラフト直前に希望球団を自分のチームになるよう、
細かく調査を調整する*4。
あとはドラフト当日その選手が高卒であることを祈るのみ。
特に縛らないなら、
直前にセーブして高卒を指名できるまでリセットしてもいいと思う。
こうして選手を獲って育て、実力がスタメンクラスになったところで使う。
まだこの時期のパワプロは使えば育つ仕様ではない。
これ以降のパワプロはほとんどやってないからよく知らんけど。
まあこんな感じで大体勝てるチームが作れるはずだ。
有望選手と現実の違い
なぜ今ごろになってこんな内容を再掲したのかというと、
先日書いたカープのドラフトについて調べていた時に、
2000年代前半のカープが「投手王国になる」と評価されていたことを
思い出したからだ(一例)。
後の結果を知っている今の我々から見ると、
そんな高評価をされる要素がどこにあったのかと思うだろう。
だが、さっき挙げた若手投手、特に22歳以下19人の中に、
河内貴哉、苫米地鉄人、酒井大輔、矢野修平と
カープの投手が4人もいることにお気づきだろうか。
2001年までに矢野以外は一軍で登板機会をかなりもらっており、
苫米地以外は制球力がいまいちだが球威に定評のある速球派。
いかにも素材重視の評論家が好みそうな選手がそろっていた。
ここにすでに実績のある横山竜士、長谷川昌幸、河野昌人や
2000年以降入団の横松寿一、玉山健太、
大竹寛、大島崇行、国木剛太らが加われば
さぞ強力な投手陣になると夢想できた、というわけだ。
実際、140km/h台後半のこの投手たちは
10年後になってもほぼ150km/hを超えており、
FやG査定だったはずのコントロールにいたっては
BかC、悪くてもDまで上がる*5。
パワプロ9のペナントはあくまでゲーム内の世界だが、
その世界観は若手至上主義のファンや
高卒至上主義の評論家などの主張とある程度共通したものになっている。
つまり、彼らの考え方を具体的に知る良い材料にもなるわけである。
しかし、現実にこの後長く活躍したのは大竹と2005年以降の横山のみ。
高卒勢では、この中に入っていなかった林昌樹が2004年以降台頭したのも
皮肉な結果になっている。
現実は、彼らが目で見て想像した未来とは全く違うものになったのだ。
おまけ
最後に、今までに作ったいくつかの例を紹介。
オリックスのエースは苫米地でクローザーが酒井。
カープさんおいしいです^q^
こちらは阪神。
先発の上2人が防御率1点台、次の2人も2点台と圧倒的な先発陣。
このうち中里と朝倉は珍しくFAで獲得したらしい。
ちなみに中里は158km/h。
PH持ちの4番キャッチャー實松。
( ・ェ・)<正真正銘のスラガ…スラッガーサネ
やっぱり外様だらけの巨人。
ただし全員トレードか自由契約での獲得である。
なお主砲松井秀喜は1年目にパリーグへFA移籍した。
一方の投手陣。156km/hで防御率1.26のエース真田。
よく見るとなぜか毎回青木勇人をトレードで獲っている。
外様の少ない地味な構成だが、これでも98勝したらしい。
この永原はチャンス5持ち。
参考サイト 白いページ(仮)零