スポーツのあなぐら

主に野球のデータ、ドラフトについて書いていくブログ。更新頻度は気まぐれ

2018年ドラフト寸評

スポンサーリンク

年代表は今回も野手だけ。
また、高校生と大学生は学年で当てはめているので、
早生まれの選手は全て間違いになる。
この点はあらかじめご了承いただきたい。

 

東北楽天

f:id:Ltfrankc:20181026073150j:plain
1位は藤原を外した後に4球団競合の辰己を引き当て、
野手は全て大学生で固める形になった。
年代表では外野手が過剰に見えるが、
田中和基を考慮しても右中間に不安が大きいということなのだろう。
渡邊はチーム状況に合わせてのユーティリティ的な存在とも考えられる。
なお渡邊はHRがないが、今年のOPSは.895*1に達している。
投手はいつもの通り素材重視。
即戦力としては弓削の高梨化と鈴木の治療に期待か。

阪神

f:id:Ltfrankc:20181026073137j:plain
1位では徹底して外野手に入札した阪神
結果的には走力の非常に高い近本の指名となった。
ショートは北條の脱臼回復に全てを賭けるわけにはいかないので木浪、
現状の二遊間が機能している間の次世代要員として小幡、
育成では今年バッティングが良かった片山と、
野手指名の意図は高校生乱獲よりしっかりしていてわかりやすい。
投手は4位まで残っていた齋藤に
18~19歳で最高球速はあまり速くない2人。
望月、才木で球速を伸ばすことに関してはかなり自信を深めたのだろうか。
それにしても、
今年橋戸賞を受賞した近本が「誰それ」と言われるあたり、
都市対抗というか社会人野球に対する世間の関心のなさがうかがえる。

千葉ロッテ

f:id:Ltfrankc:20181026073120j:plain
野手は1位競合を制した藤原以外が松田だけ。
ずいぶん余裕を持っているなという印象はぬぐえないが、
年代表で空いた部分を埋めに行ったことはたしかだ。
外野から今年ショートを守る形になった三家を
来年はどうするか気になる。
育成も含めて7人指名してきた投手は大学生と高校生のみ。
大学生3人には即戦力の期待をかけていると思われるが、
未完成な部分や投げすぎの不安も大きい。
彼らが開幕から一軍に入るようだと後々つらい結果になるかもしれない。
高校生は二木や種市で味をしめたのか、改造と完治前提の指名。

中日

f:id:Ltfrankc:20181026073107j:plain
真っ先に公言した根尾を4球団競合の末引き当てた中日。
そういえば中日の高校生ショートの抽選は堂上、高橋とやけに当たっているな。
来年はおそらく開幕から「立浪を見習え」と
根尾一軍ショートスタメン固定の声がやかましくなると想定される。
立浪がショートでは実働4年弱*2だったことはもう一度書いておこう。
それ以外の野手は、
一部のドラフト評論家が何が何でも上位で獲らせたがっていた石橋に大学生の滝野。
投手のほうは高校生、大学生、社会人1人ずつだが全員素材寄り。
例によって23歳以上の投手は極力獲らない方針のようだ。

オリックス

f:id:Ltfrankc:20181027000053j:plain

頓宮のポジションが気になっていたのだが、
オリックスの公式では内野手になっていた。
チーム事情からいってサードもありうるんだろうか。
そして高校生ショートを1位指名まで使って3年間で4人も指名。
今のところ岡崎、廣澤とも打撃がかなり伸び悩んでいるので、
太田、宜保のどちらかでも伸びればショート以外での抜擢も視野か。
中川は4年生での不調を脱することが先決。
社会人投手3人はいずれも即戦力という位置づけなのだろうが、
不安定な部分もまだまだ多く見られる。
未完成なまま使いつぶすのは避けたいが、
数年かけても伸びない素材高校生を獲るよりはまし。
※頓宮裕真を入れ忘れていたので年代表差し替え。
一応現在も時々守っているファーストに。

横浜DeNA

f:id:Ltfrankc:20181026073025j:plain
小園の抽選を外したが、ここは高卒2年目の知野で補った。
知野も2位で獲った伊藤裕*3も二遊間では守備がネックになる可能性があるが、
サードの後継候補も兼ねているのかもしれない。
キャッチャーは伊藤光、戸柱、嶺井をつなぐ間に
山本と益子が育つことを期待したい。
1位上茶谷はリーグでは今年1年安定していたが元々故障持ちなだけに、
1年目から一軍ローテ入りすると色々な意味で怖い。
チームの現状を考えると大貫に対する期待も相当高くなるだろう。
勝又は熱中症が連発した身体を癒す所から。

北海道日本ハム

f:id:Ltfrankc:20181026072959j:plain
日本ハムが一番人気に向かうのはいつものことだが、
抽選を外した後が単独指名になる*4のは9年ぶりだった。
やけに知名度の高い投手は吉田に柿木と高校生のほうが完成度もやや高めで、
大学・社会人の2人は実績不足の素材型。
もし生田目が都市対抗の後に調子を上げているようなら、
来年は西村ぐらいの活躍が可能かとも思うが果たして。
一方の野手は本指名が有名すぎるぐらい有名な2人と田宮に、
ハム史上初めて行った育成指名がたしかにハムと縁のありそうな海老原。
最近はFA移籍に対応した補強ポイントよりも長打力を重視した指名が続くが、
新球場がそういう設計になっているということなのか。

読売

f:id:Ltfrankc:20181026072936j:plain

2016年は野手1位から本指名6人が全員投手、
2017年は投手1位から本指名7人全員野手、
今年は大学生1位から育成指名まで9人全員が高校生。
3年連続外れ外れ1位とはいえ、
ずいぶん極端なのになぜか定形化した指名が続いている。
野手のほうはとりあえず20代前半~中盤が揃っているとはいえ、
ちょっと悠長すぎる指名になってしまった*5
投手はもっと大変で、
唯一の大学生高橋も即戦力とは言いづらい。
チーム投手成績は良くとも投手の頭数は危機的なだけに、
今年の高校生も2、3年で数人戦力にしないと大変なことになるだろう。

福岡ソフトバンク

f:id:Ltfrankc:20181026072908j:plain
最初は野手2人を入札して外したあとは甲斐野。
リリーフで使うか先発に回すか、評価の分かれる選手だけに今後が注目される。
そして投手指名で極端な高校生路線をとっていたホークスが
今年は育成も含めて7人全員が大学生と社会人。
23歳以上投手の本指名も山中以来6年ぶりで、
高校生投手がほとんど育成できなかったことによる現状の危機感が見てとれる。
1年目からの即戦力と断言はしづらい選手がほとんどだが。
野手のほうは逆に4人全員が高校生で本指名2人は長打力が売り。
2年連続で高校生サードを獲ったことになるが、
来年は美間を絡めつつ下でどう使うのだろう。

東京ヤクルト

f:id:Ltfrankc:20181026072831j:plain
本指名の野手から見ると、
長打力に特化した中山、濱田と守備に定評のある吉田。
将来的に中山と濱田のポジションがかぶりそうに見えるが、
それと同時に村上と廣岡のコンバートも断たれた形になっている。
ガチガチに固定した予想図通りの未来を作り上げることはできるだろうか。
吉田はセカンドにも入れるが課題はバッティング。
ここ最近の調子の良さをそのままプロで持続したい。
投手は今年もヤクルトらしい人選で、
一軍の現状を考えるととにかく実戦で鍛え上げることになりそう。

埼玉西武

f:id:Ltfrankc:20181026072423j:plain

各チームが高校生野手競合に向かうのを見越しての松本一本釣り、
浅村FAとサード後継候補育成に照準を合わせた山野辺、佐藤龍の指名。
西武らしさが随所に出た指名と言っていいと思う。
高校生競合に向かうのが根本流と思わせたい人は不満かもしれないが*6
炭谷FAに牧野と育成の中熊で即対応するのはさすがに無理だとは思うが、
ここは頭数の確保を最優先にしたのだろう。
投手のほうは森脇が即戦力、渡邉と粟津は2~3年後に期待という目論見か。

広島東洋

f:id:Ltfrankc:20181026072735j:plain
投手2人に対して野手が育成含めて6人と徹底的に野手を獲ってきた。
20代前半の野手が少なくなっていたので意図は読める指名。
投手が若手の伸びに対してかなり悠長なように見えるのだが、
現在の主力が耐用年数の限界に到達したときに
来年豊作と言われる高校生投手を入れて間に合うかどうか。
外野手は今年絶不調の正隨と今年絶好調の大盛という対照的な大学生2人。
驚かされるのが内野手で、サードの林はともかく
高校生ショートを3人も指名してきた。
二軍ではどうポジションを回して育成していくのだろう。

*1:東大戦を除いても.872

*2:高卒4年目まで

*3:3年までファースト

*4:2013、15、16年に外した時は外れでも競合した

*5:外れ1位で辰己を入札していて、全く危機感を持っていないわけではないのだが

*6:根本時代の78~91年西武では高校生1位入札が14年中3回で競合は清原だけ。
あと2回は単独指名で、高校生投手は1度も入札していない