今回の「年齢」は、
指名当時の満年齢ではなく
学年を基準としている。
たとえば高校3年生は早生まれ遅生まれ関係なく全て18歳とする。
「高齢」指名の基準
ドラフトで「高齢」扱いされるのはいつ頃だろうか。
これは人によってかなり個人差がある。
まず一般的な年代表などで考えると、
区分の仕方は概ね18~25歳、26~30歳といった形で分けられることが多い。
この場合「高齢」にあたるのは
26歳か、またはプロ入り1年目が26歳になる25歳のどちらかになる。
高卒なら8(7)年目以降、大卒4(3)年目以降というわけだ。
その一方で、
18歳を超えた選手は全て高齢選手、ロートル扱いとする人もかなり多い。
「高校生をとにかくたくさん獲れ」と主張する人は
無意識のうちにこういう意図が働いていると言っていいだろう。
これだけ「高齢」には個人差があるものだが、
そんな中で人々が無意識に年代を区分したがる基準値がもう一つある。
22歳、いやもっと正確に言えば「大学生+高卒3、4年目」と「大卒1年目以降」だ。
高卒3年目以降がドラフト解禁となる社会人の場合、
選手を評価する時に「高卒3年目だからまだ若い」と言う人が結構いる。
こうした評価が聞かれなくなるのは大学生と同じ高卒4年目より後になる。
そんなわけで、
今回はここ10年の23歳以上の選手の指名数を
チーム別に見ていくことにしよう。
「高齢」選手指名が多いリーグ、チームはどこか
今回の数字は本指名だけ。
なお高卒5年目でのプロ指名のため、
楽天の岩見雅紀、日本ハムの榊原諒が大卒ながら23歳の枠に入っている。
野手のほうはみんなの予想通りというべきか、
オリックスと中日の指名が二桁となっている。
一方の投手はやはり社会人投手指名数とほぼ重なっており、
横浜、ヤクルトとパリーグ5チームの指名が多い。
あと、巨人は大学時代から逆指名していた選手が投打に1人ずつ。
26歳以上の選手はどうかというと、
多くても投手は10年で4人、野手は2人。
指名されること自体が非常に少ないのがわかる。
特に社会人はチームでエース、主力になっている選手が大半だろうから、
そういった意味でもこの結果は何となく頷ける。
むしろちょっと気になるのは、
一番右側に出した22歳以下の社会人・独立リーグ出身選手の指名数。
改めて数字で出してみると、
社会人投手の指名が少ないチームのうち、
広島を除く阪神、巨人、中日、ソフトバンクの4チームは
社会人の中でも若い選手を好んで指名する傾向が特に強い。
野手のほうは指名数そのものが少なすぎるので参考にしづらい。
逆指名の頃はこの年代の社会人の上位指名数がもっと多かったのだが、
金属バット時代に比べて
高卒3~4年目までにレギュラーになる選手が少ないことが、
指名数が減った理由の一つかもしれない。
投手に若さを求める人たち
最後に、投手のほうだけ高校生・大学生の指名数と組み合わせるとこうなった。
広島、巨人、中日、ソフトバンクの指名は18~22歳、
阪神と西武は21、2歳が大半。
あとの6チームは大卒・社会人主体に万遍なく指名、
その中でロッテは高卒がやや少なめと言える。
ただ巨人、中日、阪神は何かにつけて
「即戦力ばかりに目が向いて高校生を獲らないから弱い」と
言われることが多い。
ロッテ、ヤクルト、オリックスなどはまだそう見えなくもないのだが、
この3チームの投手に関しては全く当てはまらないのがわかる。
社会人の若い投手は今年になってつまづいている選手が何人かいるが、
高校生投手は夏予選と甲子園で完全なインフレ状態になった。
これからは大学の秋季リーグが始まり、
1回1回の報道で青筋を立てる人も続出すると思うが、
どの候補がプロ志望届を提出するか。
まずはここから注目である。