今年で第100回目を迎えた全国高等学校野球選手権大会。
満員札止めが例年以上に早かったそうで、
昨年の東京と並んで
高校野球の異常なまでの人気ぶりを示す格好になった。
そんな今回の大会はどんな大会になったのか、数字で簡単に見てみよう。
思ったほど打高投低にならなかった今大会
今年は昨年以上に好打者、強打者が揃い
かつてない打高投低の大会になる、
という前評判だったが、
実際には昨年ほど打高投低にはならなかった。
今年のセンバツ大会のような、
1回戦と準々決勝以降で急激な打ちあいになるということもなく、
平均すると打高でも投高でもない大会で終わっている。
HRは2016年以前に比べるとやや多かったのだが、
それ以上に今年は三振の多さが目立つ大会と言えるだろう。
投手成績のほうはここに出していないが、
今年の奪三振率は6.88。
最近はほぼ6点弱から低い年で5.0強(2015年)と
年によってばらつきはあるものの、
今年はそれと比べて1点近く高い数字になった。
全ての三振を当然見ているわけではないので、 フライボール革命の副作用なのか、
見逃しが多かったのかなどは、これだけではわからない。
吉田投手の奇妙な特徴
そんな大会のある意味象徴的存在となったのが、
金足農の吉田輝星投手だろう。
決勝では予選から1人で投げぬいてきた疲労が限界を超えてしまったのか
大阪桐蔭打線につかまってしまったが、
それまでは高い奪三振率と少ない失点で
一躍今大会のヒーロー的存在となった。
吉田投手の数字をちょっと見てみよう。
今大会の決勝以外の数字も出してみたのだが、
妙に気になるのが被安打の多さ。
準決勝まででも、奪三振率がかなり高いわりに
1イニング1本近い数のヒットを許している。
当てられるとヒットになりやすい球筋なのか、
金足農業の守備力があまり高くなかったのか、
理由はわからないがちょっと変わったデータだと思う。
なお秋田大会では被安打は多くなかった(43回被安打26)。
一躍ドラ1有力候補にまで名前が挙がるようになった吉田投手だが、
プロ志望届は出すだろうか。
奪三振能力が高く、スタミナもあるのが証明された反面、
プロに進むかどうか関係なく、
これまでの蓄積から5年10年先まで投手寿命が持つかどうかが
心配になってくる選手でもある。
果たしてどういう決断になるか。